小学生
五年ほど前の話です
一人でとぼとぼと歩いていました
小学生低学年くらいの少年が、うしろを歩いていると思ったら、
ともだちの女の子に「あの人ひとりぼっちやなぁ」と言いました
女の子は「し!そんなん言ったら聞こえるで!」と言いました
少年は「だって一人でなんもせんとあないして歩いてるねんで〜なんかおかしいわ〜」と言いました
女の子は「大人になったらあんな風に一人で歩くねん!」と言いました
少年は、えぇ〜そうかなぁ〜と納得しないまま、わたしの前に回り込み、覗き込むようにして見てきました
どうしよう!?と思ったけれど声もかけられず、わたしは前だけを見て歩き続けました
少年は首をかしげて、ともだちの女の子のもとへ戻っていきました
わたしは何が起こったのかわからず、胸にざわめきを秘めたまま、ただ前を見て歩き続けました
ただ一人で歩いていただけだったのですが、異様だったのでしょうな
異様だったような気もするのです
それを感じ取ってくれた少年に、少し、ありがたいような気持ちになりながら、かなしいような、おもしろいような気持ちになりました
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