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愛を返したい

私が世界で一番好きな人の話をしたい。世界で一番愛している、大好き、そんな祖父の話をしたい。なんかの創業者とか社長とかそんな素敵な肩書きはないけれども、私の祖父は世界一愛おしい。(私調べ)

先日、3月10日は愛すべき祖父の誕生日だった。その日私は参加しているグループ展に在廊しなくてはならなくて直接会うことはできなかったけれども電話をした。「じいちゃまお誕生日おめでとう!!」電話の向こうで祖父は「また歳とってまった〜」と低いけれどもかなり嬉しそうな声を上げていた。「ばあさんの誕生日にも電話が来たからいつ来るかと待ってた!」と小声で言う84歳、控えめに言っても可愛すぎませんか!?(興奮)


世界で一番私が好き

これだけは譲れない。祖父は私が世界一好きだ。平々凡々、可愛くもなければ愛嬌もない、運動も勉強も人並み、そんな私を一番愛してくれる。彼にとって私は待ちに待った初孫だし、とても自然な流れである。私が大学に合格したら、親戚中に言いふらし(そんないい大学じゃないよ、ごめんね)私が就職したらまた親戚に言いふらす。夏に祖父母と母を伊勢旅行に連れて言ったら(初任給で3人に恩返しするのが夢だったので)それも親戚・近所の人に言いふらしてくれたらしい。そんな大きな(大きいかな…)出来事でなくても、「月に一回は家によってくれる」「病気をしたら心配しで家に来てくれる」「車で御墓参りについて来てくれた」「灯油缶を運んでくれた」「美味しいわらび餅を買って来てくれた」言い方は悪いがクッソ小さいことでも周りの人たちに自慢してくれる。これは祖母も同じだ。

なぜか、もう1回言う!私が初孫で唯一の孫だからです!ありがとう!!!


そんな祖父は褒めることが下手だ。伝わりづらい。そんな祖父の最上級の褒め言葉を皆様にシェアしたい。

「お!じいちゃまと手相がそっくりだぞ〜!」

である。23年間生きていて一番意味がわからないが、祖父はこの言葉を私はもちろん、他人にも言う。孫と手相がお揃いである、言われた方はさっぱりわからない。

きっと嬉しいんだろう。最愛の孫(私のことです)と手相が同じなのだ。

昔誕生日のたびに手のシワが1本増えると教えられていた。私の誕生日会でそれを確認するべく祖父に手のひらを見せるのも当たり前だった。そして祖父は私の手のシワを指でなぞりながら言うのだ、「御じいちゃまと手相がそっくりだぞ」と。

私と祖父母の家は車で30分くらいの距離である。会おうと思えば会える距離だし、実際私が中学生くらいまでは1ヶ月に2、3回はあっていた。その度に祖父は私の手のひらを確認していたし、毎回同じ言葉を吐く。


そんな祖父ももう84歳だ。私とちょうど60歳離れている。戌年という共通点もあり、そこも祖父の喜びポイントだ。「戌年は賢いもんな〜」というわけのわからん褒め方をしてくれる。(これは遠回しに「自分も賢いぞ」とマウンティングがとれる高度な褒め方だ)

23年間、もう24年目か、私という孫を一生懸命愛してくれた。もちろん現在進行形で愛してくれているんだってわかってる。もうそろそろ私も大人です、24年分の大きな愛を返していくのは難しいけれどもたくさんの愛を返していきたいよね。おじいちゃまおばあちゃま大好き。

#日記 #エッセイ #写真 #film #祖父 #誕生日

見てくれてありがとうございます。今日も1日、いいことが続きますように。