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ポコニャラ音頭を踊りたい

例のアレのせいでここしばらく中止されていた夏祭りも、今年は各地で開催されているみたいですね。

あいにく自分は、いずれの夏祭りにも行けそうにないので、せめて脳内で堪能しています。脳内というものは、自分の都合の良いように場面設定を変えられるので、それはもうなんというか、リア充で陽キャな素晴らしい夏祭りを先週の末に終えました。

あと、ラジオ体操に20日連続で参加したので、スタンプが溜まってマクドナルドの割引券がもらえますし、朝のテレビでは『地獄先生ぬ~べ~』と『平成イヌ物語バウ』の再放送が流れています。

楽しい夏休みだなあ。愉快な平成10年の夏やすm……、ん?空の向こうから声が聞こえる……。「レイワにカエッテコイ」という声が……。

瞬時に現代へと戻ってきましたが、平成の夏祭りには定番としてあったのに、現在の夏祭りではあまり見なくなったなあと思うものがあります。

アニメの音頭です。

かつて、世の国民的アニメには、おしなべてそのキャラクターを活かした音頭ソング(変な日本語だな……)が設定されていました。

『ドラえもん音頭』『しんちゃん音頭』『アンパンマン音頭』『サザエさん音頭』『ちびまる子音頭』『にんにん忍たま音頭』『ポケモン音頭』『アラレちゃん音頭』『キン肉マン音頭』……。

それが2000年頃までは続いていたと思うのですが、この20年でいつの間にか見かけなくなりました。

レコード会社のアーティストとのタイアップが多くなってきて、アニメ専用の楽曲があんまり作られなくなったこともあるのですかね。『コナン音頭』とか『ヒロアカ音頭』がない理由はたぶんそれ。……このあたりをあんまりツッコむとこわいのでやめておこう。

こういったアニメ音頭は、1960年代の『オバQ音頭』が起源とされているようです。

それから『パーマン音頭』『怪物くん音頭』『ハットリくん音頭』と、藤子不二雄作品のものが次々と現れ、いずれもアニメともども各世代の子供たちに愛されたようですが、自分も愛して止まない藤子不二雄作品のアニメ音頭があります。

『ポコニャラ音頭』です。

NHKで放送されていたアニメ『ポコニャン』のエンディング曲であり、作詞は原作者の藤子・F・不二雄先生。

『ドラえもん音頭』もそうなのですが、なんたってF先生の作詞センスのぶっ飛び具合は凄い。

残念ながら歌詞サイト等に登録されていないようなので、全文を掲載できませんが、サビの部分だけを引用します。

レッツパーパー テケレツパーパー 
レッツパーパー テケレツパーパー
ポコニャカ ヘンポコリン
ポコニャカ ヘンポコリンリンリン

この部分だけでも、いかに珍妙な楽曲であるかが垣間見えるはず……。

「ヘンポコリン」というのは、ポコニャン(猫と狐の中間のような生き物)が持っている不思議な魔法「へんぽこりんパワー」のことです。

『ポコニャン』のWikipediaページではこの魔法の一覧が事細かに掲載されているのですが、すべて語尾に「~ポコリン」と付くので、「~ポコリン」という文字列がたくさん並んだ字面を見ることができて、少し気持ちを落ち着かせたい時に有効です。

それを「ポコニャカ ヘンポコリン」とリズムに抑揚を付けて歌っているのでしょう。ポコニャンは名詞ですが、形容詞になるとポコニャカになるようです。動詞だとポコニャ……?副詞だと……?

「レッツパーパー」というのはもっとわからない。「レッツ(Let's)」が語頭にあるということは、「パーパー」は動詞かな?スペルは「parper」とか「purpur」とかなのかな……。「parper」だったら「paper」とよく読み間違えられそうだな……。

どういう意味かはよくわかりませんが、たぶん動詞なので、難しいことは考えずにパーパーしましょう。テケレツパーパー。「テケレツ」も謎だけど、まあキテレツみたいなものでしょう。たぶん。

先述の『ポコニャン』のWikipediaは非常に充実しており、全170話のサブタイトルと放送日が網羅されているのはもちろんのこと、エンディングのミニコーナー「ポコニャンスロット」の結果がすべて記されていたり、普通のアニメのWikiページなら省略するような背景・仕上を担当していたスタッフの名前まで細かく載っていて、ポコニャンWikiガチ勢たちの熱量がズシリと伝わる名Wikiページです(余談ですが、芸人のヒロシさんのWikiページもかなりの読み応えがあるのでおすすめ)。

オープニング・エンディング曲についての情報もきちんとまとめられており、どのエンディング曲がどの放送で流されたのかについても細かくメモされています。

なぜか『ポコニャン』のエンディング曲は1クールごとに切り替わる通常の方式ではなく、5つの曲が交互にランダムに流れる仕様なのですが、いちばん放送される頻度が高かったのが『ポコニャラ音頭』。

ということは、夏祭りシーズンでなくても流れていたということか。まあ、別に音頭は夏祭りじゃなくてもできますからね。これから秋がやってきますが、脳内で『ポコニャラ音頭』を踊っていきたいと思います。サブスクにないので……。

『ドラえもん音頭』も「あたまもおなかもまろやかに」となかなか表現が独特ですが、「レッツパーパー テケレツパーパー」のパンチ力にかなわんのだよなあ……。


サウナはたのしい。