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『時空警察NoT(仮)』脳内会議Vol.6

いちおう骨組みは整ってきているっぽい、妄想が妄想を呼びただの妄想に変わる『時空警察NoT(仮)』。

ええ。とうとう、タイトルからこういち君が消えてしまいました。今のところは、こういちパートと千里パートwith藤木パート(こっちは脳内では繋げることに成功)を繋ぐ方向で考えていますが、もしかしたらまさかの主人公交代かも(いや、むしろ今更かよ!って感じかも……)。

実は一応は完全なるネタバレにはならないように一応は考えては一応いるので(「一応」の多さは自信のなさの表れ。「すみません」をエクスキューズとして多用する日本人らしい言い回しである)、核心部分はカットしています。といっても全編まるごと書き直す可能性も考えられるんだけれども。


NoTマガジン(ほぼ妄想記録)→https://note.mu/yukirnoff/m/mde493bf59336



(ちなみに、タイムパトロール設定のスピンオフ自体は今でも募集中なはず。たぶん……)

ぶんちゃんによる、タイムパトロールトーク(事の発端)→ https://note.mu/jjunb/n/nb44e04ca89fa

ユキノフさんによる、タイムパトロール設定の原案→ https://note.mu/yukirnoff/n/nff54cb181e19

青空ぷらすさんによる、「ポストマン」の姿→ https://note.mu/purasu/n/nf49b8bd3953f

ふぃろさんによる、タイムパトロール小説マガジン→
https://note.mu/otspace0715/m/m64c79b54634f



私は好き勝手やります(宣言)。


-千里Part 2-

「…………えっ?!」

映し出された景色に、思わず目を疑う。モクモクと立ち昇る巨大な煙。その向こうに焼けて剥がれ落ちたビルの一部らしき鉄壁が見える。灰になり散り散りになっていく物影、響き渡る人々の悲鳴……。

「……大火事っ!」

思わず、千里は大声を上げた。15分後に、彼女と藤木という男が勤めているというビルは、大惨事に見舞われるらしい

「阻止しなきゃ……」

急いで空島のいる2階の六畳間へと走り、目に映った近い未来の惨劇を報告する。

「わかった。車を出そう」

「車……。あ、そうか!」

初めての時空出勤。時空への移動に使われる車、すなわちそれはタイムマシンである。夢に憧れたタイムマシン。一体どのような素敵な乗り物なのだろう。千里は心臓を高鳴らせて、空島の後に続き、ただの木造アパートにしか見えない通称オフィスの裏庭へと回り込む。そこに置かれていたのは、非常に馴染み深い、いや、もはや懐かしさすら感じる、エンジン仕掛けの機械の姿。

「えっ……。これ……タイムマシン?……いや4輪駆動じゃん……しかもガソリン給油する系のじゃん……」

「細かいことは気にするな!お前、免許は持っていたな?さあ、クラッチを……」

「く、クラッチ?!……ごめんなさい、私、オートタイマー限定なので……」

「ちっ、今時の若い奴は!いい、私が運転するっ!お前はしっかりタイマーベルトに掴まってろっ!時空間に落ちて迷子にならんようにな!」

「は、はい!すいませんっ!」


タイムマシンの免許には、オートタイマー免許とマニュアルタイマー免許の2種類があるらしく、昨今はオートタイマー免許が主流なのだそうです。



-藤木Part-

(途中までは前回のテキストと同じです)

藤木は、ビルの屋上にいた。普段は誰も来ない14階建てビルの屋上。欄干にもたれかかり、景色を見下ろした。眼鏡越しに、人形よりも小さい人の列やミニカーよりも小さい車の列が見える。ここから飛び降りれば、簡単に死ねるだろう。しかし、年間の自殺者が3万人を超える日本で半ニートの男1人が死んだところで、大したニュースにもならないだろう。

「……くやしいっ!」

目に涙を溜めながら、藤木は歯を食いしばった。思い返せば、幼い頃からずっと集団の中でビリだった。体育祭の大縄跳びではいつも真っ先に引っかかってクラス全員の反感を買い、隣の席の女子の机の下に消しゴムが落ちたから拾っただけでキモいから近寄らないでと蔑まれ、修学旅行の班ではあぶれ者になりクラス内ヒエラルキー上位の奴らと無理やり組まされてずっと荷物持ちとしてこき使われ、68回めの面接でやっと合格したアルバイトでもこの有り様だ。

とぼとぼと、背を丸めて階段を降り、正面にあるトイレへと向かう。生きていても他人の邪魔になるだけだが、死ぬ勇気すらない。

個室のドアを閉め、フラフラとスマートフォンを取り出して、一旦トイレットペーパーケースの上に置く。おもむろにズボンを下げ、 イヤフォンを耳に差し込んで、身体は便器に腰掛ける。再びスマートフォンを手にして、画面の操作を始める。彼が辿り着いたURLの先は、いわゆる「いやらしい動画」だ。

こんなことぐらいしか、生きている楽しみがない。そこに虚しさを覚えながらも、息を殺して静かに興奮する。その興奮も数秒で消えてしまう。もう、情けないとすら感じない。

事を終え、ズボンを履き、深い溜め息をついてそっとスマートフォンの画面に目を移すと表れた内容を見て、藤木は一瞬だけぎょっとする。そこには、蛍光色を多用した派手な文字列がうるさく並んでいる。

(ご登録ありがとうございます!あなたのIPアドレス受信しましたので登録料として2日以内に下の下記の口座¥70000円お振込をください。お振込をされない場合は警察訴訟を起こします。)

もう一度、今度は軽く溜め息をつき、藤木はせせら笑う。

「ふん、こんなのよくある詐欺クリックサイトじゃないか。ボクが1日なん時間エロサイトを見てると思ってるんだ。今時こんなんで騙されるかよ。バカだなあ・・・」

「騙しではありませんよ?あなたのIPアドレスはxxx,xx,xxx,xx、ホスト名はxxxxxxxxxxx、更にメールアドレスまで拝見させていただきましたが、xxxxxxx@xxxx.jp、そこから電話番号を辿って080-XXXX-XXX、LINEも覗かせていただきましたが知り合いがほとんどお店のお得情報アカウントですねえ。お友達が少ないようですね……」

ドアの向こうから、男の声が聞こえる。

「だ、誰だよっ?」

恐る恐る、藤木はドアを開く。その向こうには、リボンの付いたテンガロンハットを斜めに被り、ニッコリと笑みを湛えた長髪の男の姿があった。

「きゃわああああああああっ!あっあっあっ……!お、オバケ!オバケ!幽霊っ!」

背筋を凍らせて仰け反る藤木の前に突如として現れた男は、帽子を取り、頭を緩やかに垂れてこう告げる。

「はじめまして。藤木 大河(ふじき たいが)さま。お世話になります。時空に関する貴方のお悩みをズバッと解決。個人事業でタイムトラベラーをさせていただいております、舞洲 鶴見(まいしま つるみ)と申します。依頼内容はいっさい口外いたしません。何なりとお申し付けください」

何のことだかさっぱりわからないが、とりあえず個人情報はこの舞洲という謎の男に抜かれているようだ。声を震わせて、藤木はひれ伏せる。

「も、も、申し訳ございません!うっかりクリックしてしまったんです間違いなんですどうか!どうか!僕はバイトの身なので到底、支払えません!」

床に顔をひれ伏せて藤木はただひたすらに謝る。舞洲は首を捻り、ふと数日前の記憶を手繰り寄せ、合点が行ったとポンと手を打つ。

「ああ……。アレかな。このまえ、酔っ払って時空のインターネットを弄って適当にいろんなところにウチのバナー広告を貼り付けて遊んでたんですよね。そうそう、エロサイトにもやったんだった。ちゃんと本物っぽく微妙に日本語がおかしい脅迫文もつくってね。あっはっはっ!いやあ、申し訳ない。アレは遊びで作ったダミーなんですが、驚かせてしまったようなので……そうですねえ、出会えたのも何かの縁です。特別に、無料でひとつだけ、あなたのご依頼を承りましょう」

「……はあ……」

想定外の状況に戸惑いつつ、藤木は唇を噛んで考える。どうせ死ぬなら、世の中への恨み辛みを晴らしたい。どうせキモいなら、最期は最悪の形で終わらせたい。泣きながらほくそ笑み、俯いてぼそぼそと話し出す。

「…………。僕、なんにもできないダメ人間で、友達もいなくて、人生ずっといじめられてて、さっき屋上から飛ぼうと思ってたのにそれもできなかった。だからせめて、この世に復讐してから死にたい。このビルを爆破したい」

あまりにも安直な藤木の依頼に、舞洲は肩を揺らして笑う。

「あっはっはっ。良いですねえ、そういう汚らしいご依頼。弊社に打って付けですよ。超スピード対応、15分でこのビルごと爆破しましょう。あ、貴方は適当に逃げといてくださいね。裏事業だから、もし怪我されても労災が下りないんですよねえ」

(今週はここまで)

Aパートの大まかな構想(妄想)はできてきたので、次は見せ場のBパート。締め切りはクリスマスらへん。まだまだ先は長いが……いや年末なんてどうせすぐ来るよなー。終わんのかなこれ(オイ

#タイムパトロール #設定 #妄想 #PoNoT

サウナはたのしい。