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空が飛べると想ってみる。「僕からと君へと」in鎌倉 KATACOTOギャラリーレポート!

空が飛べると想ってみる。
虚実の境界線を探る実験企画
トークアトラクションプロジェクト
『  僕から と 君へ と 』企画構成 林灰ニ   製作 Oi-SCALE
https://oiscale.amebaownd.com/pages/6306197/page_202208011952

上記企画の鎌倉verが12月17日(土)~12月18日(日)@KATACOTOギャラリーが日暮里に続き開催された様子をレポートしたいと想います。
※日暮里Verのレポートは→こちら

会場、展示作品の様子。

なんとか天気は持ち堪えました。途中夕方から雨が降った時もありましたけど、おおむね晴れていました!
仕込み日にはお手伝いしてくれた皆んなに香菜軒寓のお弁当を取りました。お手伝いありがとう。
鉄の扉に磁石で情報を貼り付けます。
KATACOTOギャラリー。駅から4〜5分の立地。蔵をそのまま生かしたおしゃれなギャラリースペースです。通りすがりの人も沢山展示品を覗いてくれました。
Oi! 空 飛 想
鉄の扉に澤井さんのシルクスクリーンプリントをオイスケール「あの夏の暗い夜、あの夏のエデン。」の衣装と同じものに。公演写真も。
横尾さんのオイスケール関連のデザインワーク。
会場中央には光のオブジェにオイスケールの過去作品の写真やDVDをディスプレイしました。
物語を語る時は観客で焚き火を囲むような気分になって欲しい。
空が飛べると想ってみる。だからね。羽をいつもアクセントに。日暮里で手に入れた生地も活躍してくれました。
丸瀬DさんのIZUMI。マルセルディシャンの泉のパロディです。
丸瀬DさんのTEZUKA。爪楊枝の蓋をずらしてベレー帽をかぶる手塚治っぽいよね。ってだけなんだけど。暮らしの中にユーモアを!
大川原歩のリリースCD。ディスプレイセンス高し!
20人が並んで座って一体感がありました。玄関ドアと奥の窓で換気は気をつけていたけど、少し夕方の回は寒かったですよね。
井野おりこのぶたっぱな君。これからの展開にも期待。いつか子供の絵本にしたい。
僕の写真も展示。お客さんのように見えるけど、Aプログラムの琳香ちゃんです。
YoshimiNodaさんのハンターズバー。フライヤーの挿絵をお願いしてよかったです。映画好き時村くんの線画や、ももちさんの刺繍も日暮里に引き続き展示。
オイスケール味のでる千田実ライティング!
ダイソーの瓶を林が塗りました。
暗くなると一層雰囲気が怪しい。
ペアルック?

僕の物語

「僕の物語」は日暮里では林灰二の14歳の物語。鎌倉では林灰二の17歳の物語をベースに語りました。映像はそれぞれ谷中銀座と小町通りを出演者に歩いてもらいました。なるべく音楽は使わずに録音した環境音を加工して使いました。告白すると両方の映像とも本番初日の朝方に声入れ完成しました。最初の物語をどんな風に伝えて伝えずにいてをすると面白く発展していくのかに悩みました。
わざとにいくつかの謎を作って物語を展開して、聞き手の取り方によって話し始めの組み立て方が変わるようにと作ってみました。
でも日暮里Verも鎌倉Verも「僕の物語」は事実がベースで話されています。

KATACOTOギャラリーではテレビモニターで「僕の物語」を上映しました。テレビの横には八木井さんの天使の椅子。泣けるエピソードがある椅子。

YOUTUBEで公開中です。是非ご覧ください。Aプログラムの市島琳香ちゃんに、急遽2回も鎌倉に来ていただいて雨の中を歩いてもらいました。

Aプログラム 12月17日(土)12:00・12月18日(日)11:00

日暮里は横室彩紀さん。鎌倉は市島琳香さん。は出演。

17日オーダー廣川→井野→市島→八木井→Fana→早見
18日オーダー廣川→八木井→Fana→市島→早見→井野
の順番で「僕の物語」を伝達しました。

トップバッターの廣川さん。緊張感を持って物語を語りました。
八木井さんは優しい人柄がいつも滲みます。
Fanaは鎌倉の侍に胸を刀で切りつけられたみたいな衣装。
市島琳香さんは自分の家族のことを通して切実に物語を語ります。
早見さんは保護猫を引きとった心や命との向き合いについて話してくれました。
皆さんは一番大切なものは何ですか?役者の私にとって一番大切なものは台本ですと井野。

Bプログラム 12月17日(土)14:00・12月18日(日)13:00

17日オーダー横尾→藤岡→田辺→川崎→時村→小川
18日オーダー川崎→藤岡→時村→田辺→小川→横尾
の順番で「僕の物語」を伝達しました。

桜さんのお洋服が素敵です。間に想いを込めた物語りでした。
藤岡みゆう。「これくらい大きかったよ」
時村くん。あなただけが唯一10分をオーバーし、なおかつカメラ目線。
田辺くん、面白い話してる顔してる〜。
吉本俳優部で一番美人な小川恵夢メギー。想像力をフル回転。
前者の桃源郷というワードを拾い神について話した横尾宏美。

Cプログラム 12月17日(土)16:00・12月18日(日)15:00

17日オーダー宇都宮→澤井→田辺→大川原→村田→百地
18日オーダー宇都宮→大川原→高橋→百地→澤井→村田
の順番で「僕の物語」を伝達しました。

宇都宮功一は一番手しかやりません。
大川原は胸のジョンとポールと歌いました。
高橋唯子はありのままの自分で話すことを頑張りました。
久しぶりの出役の復帰。おかえりなさい百地さん。
澤井裕太。「その話は置いといて」
女子大生の村田アンナちゃん。よく聞いています。
大学の先生に「本物に多く会いなさい」と言われました。

日暮里よりも短くまとめる必要のあった鎌倉Ver。並び順やプログラムごとに全く違う話に育っていきます。前の前の人の顔も話も知らずに話が膨らみそげ落とされ、ネット社会についても考えさせられます。
情報は氾濫してるのに、その根源が見えにくい。

出演者たちが散策した鎌倉写真の数々💢

僕は、鍵開け班が会場の近くに確保してくれてるコインパーキングに車を駐車して役者の待機場所を確保するのが朝一の仕事でした。それから会場に着き次第、チケット表を整理し終わったら、とにかくお湯を沸かして、豆を挽いて珈琲を淹れる。開場が始まって出演者と一緒にお客様がご来場して珈琲をお配りして、パフォーマンスが始まって、会場内で全員のトライアルを観賞し、終わり次第、お湯を沸かして、一旦コインパーキングの最大料金分(3時間で1700円その後は1時間1000円なので理想は3時間に一回支払い)のお金を払って、トイレに行って、また次の回のお客様用の珈琲を淹れるっていう1日で、鎌倉の何一つ楽しんでいませんでした。

ミカドコーヒーのレギュラーコーヒーの豆、日暮里と鎌倉合わせて1万円以上使ったよ。
これはもうおもてなしだよ。

でも役者は日暮里の時とは打って変わって、まあまあ、鎌倉散策を楽しんで、お散歩割引利用しまくってくれました。(日暮里だって楽しいスポットある!)
そんで終わったらみんな沢山写真を見せてくれましたー。
そのくらい熱心にお芝居に向き合ってくださいー。
その一部を紹介しますね。

まずは香菜軒寓に出演者が沢山行ってくれました。柿右衛門さんの鎌倉野菜はとてもおすすめです。
美味しいそう。こんなおにぎり定食あるんだね。土日は朝からやってるから午前中に行って散歩する人が多かったみたいだよ。
いや、朝から凄いセット頼んだね。カレーもついてるよ。
スープカレー行ったな!美味しいそう。
キャラウェイ行ったな!白米の量よ!食べれちゃうんだよね。
グリーンカレーまで!おしゃれだし、美味しいし!
妙法寺の苔階段が銀杏とのコラボレーション!
いや、景色もいいし!
紅葉!あと写真の絵心!
大仏行ったな!今回大仏とのツーショットは1500円引きでした。結構利用してた人いたよ。
背中も写真撮っちゃうよな。
銭洗で1万円!後ろに提灯入れるとこが憎い!
いや、どこまで行ったの!
おしゃれなお店。すっごいサンドウィッチ!
何をトロトロしたの食べてんだよ。こっちは珈琲ずっと淹れてたんだよ!
ミルクホールかな?ワインなんかかましちゃって!これって公演後ですよね?まさか前じゃないですよね?
ブルーベル行きやがったな!紅茶なんか飲んじゃってさ!
またワイン!これは翌日ですよね!何を気に入ってるんだよ!これ公演前じゃないよね?後だよね?これが一番腹立つな。
スノーフレークケーキ食べたい!
や、やっぱこれが一番腹立つな。なんか修学旅行気分じゃん。

すっごい皆んな楽しんじゃってるんですよ。なんかねお客様よりも若干演者の方が楽しんでる感あったよ。でも一緒にどっか行けたらいいし、また鎌倉行ってくれるならまたどこ行ったか教えてよ。お勧めを僕に聞いてくれてもいいよ。旅って行って、見て、経験して、無事に帰ってきて、お土産を誰かに渡したり(お土産話を話したり)、写真やパンフとかを整理したり、経験を咀嚼するとこまでが旅だと想うし、旅は立派な体験としてのインプットになって今後の自分の心や行動の糧になりますよね。
空が飛べると想ってみる。の作品はそういった旅を物語の中で精神的に共有すること、体感することを目的にしたいです。

小屋の搬出が終わって、会場の鍵を閉めて、荷返しの前に、長谷寺の本尊造立1300年記念行事の御足参りにオイスケールのメンツで滑り込みで行ってきました。想像以上に観音様が大きくて、迫力があって、いった時間がもう空いていたので足に触れてる間一人一人にお経を読んでもらえて、ちょっと感動しました。心が洗われたよ。
しっかりお願いごとして、出店でダルマ買いました。勝ったも同然です。

「僕からと君へと」について

昨年、入院してる時期があって、最悪自分がまた入院しても、自分が物語さえ残せば、演者だけでやれる企画になればいいなと想ったのが最初のアイディアだったと想います。
入院中に僕はネットや特にSNSが本当に見れなくなって、それは乱射される他人の自意識を受け取る体力がなかったこともあるし、根拠のない話に自分の時間を奪われるくらいなら本を読もうと心がすぐに切り替わったのが原因でした。
言葉による伝達のみが手段だった大昔、活版印刷の技術の発明で、直接じゃなくても一人から大勢への周知が可能になったし、伝達に関してはインターネットは活版印刷以来の大発明に違いない。
でもいくら同じ者からある話を聞いたって聞き手によって全く伝わり方は違うんですよね。
僕たちのコミュニケーションはきっと大部分は勘違いと想い込みで成り立っている。
何も誰も嘘をついてるわけじゃなくて、聞いた話を自分なりに話してるだけなのに、6人目まで行くと最初とまるっきり違ってしまう。
そうするとどこまでが本当でどこからが嘘だったんでしょうか?どこからが作りもので、どこからがなりすましの演技だったんでしょうか?
分かり合えないことを大前提にして、それでも僕たちは人と繋がりたがる。
わかりたいと想うしわかって欲しいと想う。
同じ物語りの中で、同じ夢の中で待ち合わせできたらいつでもどこにいてもも僕たちは会うことができる。
空だって飛べる。
物語にたくさんの驚きと疑問を持って、あなたの大切なひとにそれを伝えて欲しい。

虚実の境界線を探る実験企画の意図は汲んでもらえましたか?
僕が携わる芸術の媒体は「物語」です。
もしもこの僕の物語を皆さんが隣の方にお伝えいただいたらば、またこの芸術が起こす運動は続きます。遊び感覚で話してみて下さい。

鎌倉は大好きな街です。僕は脚本を書く時は毎週鎌倉に来ています。今回も鎌倉で知り合った香菜軒のマスターを初め、小町通りのカフェで知り合った詩人の方、イラストレーターの方、陶芸家の方、出演者が飲み屋で知り合ったという方、通りがかりでよってくれた写真家の方など、多くの出会いがありました。

また鎌倉でも絶対やりたい。横浜でもやりたい。岩手でもやりたい。北海道でももちろんやりたい。僕の大好きな場所へ物語を持っていけたらいいなと想う。持っていくのは僕じゃなくても良い。あなたでも良い。

フライヤー写真は林灰二。挿絵は日暮里が井野おりこのぶたっぱな君。鎌倉がYoshimiNodaのハンターズバー。物語のある展開をしている挿絵です。
Oi-SCALEではすっかり黄色がテーマカラーになりつつあるけど、爽やかなフライヤーができました。二箇所で違ったテーマの企画の発表は手間もかかりましたけど、楽しかったです。

「空が飛べると想ってみる。」

▶︎演劇集団Oi-SCALE(オイスケール)の劇作家・林灰二を中心に台詞に支配されない物語を体感する空間の構築を模索する。
2019年8月「WA」@渋谷宮益坂十間スタジオギャラリー 
2020年8月「WAKKA(ワッカ)」アートにエールを!東京プロジェクト内にて配信 https://cheerforart.jp/detail/4776
2021年5月「WAKKAワッカ2021ver.道志川」@みの石滝渓流園
2022年12月「僕からと君へと」@日暮里元映画館、鎌倉KATACOTOギャラリー

WA
WAKKA
WAKKA2021道志川

Oi-SCALEの活動と共に“空が飛べると想ってみる。”では、セリフに囚われないパフォーマンスが生むドラマを空間構築の一つのピースとして体感と共有と想像を軸にした作品発表を続けていきたいと想っています。

終演翌週、南青山のSundriesで展示会をしていたYoshimiNodaさんのハンターズバーにお邪魔して、終演の報告をしてきました。僕は新作のマグカップを買いました。
アートや音楽、食やいろいろな表現をしている人達と出会っていきたいし、表現を求めているお客様とも時と空間と思考を共有体験していきたいと想います。

空が飛べると想ってみる。

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