空が飛べると想ってみる。「僕からと君へと」in鎌倉 KATACOTOギャラリーレポート!
会場、展示作品の様子。
僕の物語
「僕の物語」は日暮里では林灰二の14歳の物語。鎌倉では林灰二の17歳の物語をベースに語りました。映像はそれぞれ谷中銀座と小町通りを出演者に歩いてもらいました。なるべく音楽は使わずに録音した環境音を加工して使いました。告白すると両方の映像とも本番初日の朝方に声入れ完成しました。最初の物語をどんな風に伝えて伝えずにいてをすると面白く発展していくのかに悩みました。
わざとにいくつかの謎を作って物語を展開して、聞き手の取り方によって話し始めの組み立て方が変わるようにと作ってみました。
でも日暮里Verも鎌倉Verも「僕の物語」は事実がベースで話されています。
YOUTUBEで公開中です。是非ご覧ください。Aプログラムの市島琳香ちゃんに、急遽2回も鎌倉に来ていただいて雨の中を歩いてもらいました。
Aプログラム 12月17日(土)12:00・12月18日(日)11:00
17日オーダー廣川→井野→市島→八木井→Fana→早見
18日オーダー廣川→八木井→Fana→市島→早見→井野
の順番で「僕の物語」を伝達しました。
Bプログラム 12月17日(土)14:00・12月18日(日)13:00
17日オーダー横尾→藤岡→田辺→川崎→時村→小川
18日オーダー川崎→藤岡→時村→田辺→小川→横尾
の順番で「僕の物語」を伝達しました。
Cプログラム 12月17日(土)16:00・12月18日(日)15:00
17日オーダー宇都宮→澤井→田辺→大川原→村田→百地
18日オーダー宇都宮→大川原→高橋→百地→澤井→村田
の順番で「僕の物語」を伝達しました。
日暮里よりも短くまとめる必要のあった鎌倉Ver。並び順やプログラムごとに全く違う話に育っていきます。前の前の人の顔も話も知らずに話が膨らみそげ落とされ、ネット社会についても考えさせられます。
情報は氾濫してるのに、その根源が見えにくい。
出演者たちが散策した鎌倉写真の数々💢
僕は、鍵開け班が会場の近くに確保してくれてるコインパーキングに車を駐車して役者の待機場所を確保するのが朝一の仕事でした。それから会場に着き次第、チケット表を整理し終わったら、とにかくお湯を沸かして、豆を挽いて珈琲を淹れる。開場が始まって出演者と一緒にお客様がご来場して珈琲をお配りして、パフォーマンスが始まって、会場内で全員のトライアルを観賞し、終わり次第、お湯を沸かして、一旦コインパーキングの最大料金分(3時間で1700円その後は1時間1000円なので理想は3時間に一回支払い)のお金を払って、トイレに行って、また次の回のお客様用の珈琲を淹れるっていう1日で、鎌倉の何一つ楽しんでいませんでした。
でも役者は日暮里の時とは打って変わって、まあまあ、鎌倉散策を楽しんで、お散歩割引利用しまくってくれました。(日暮里だって楽しいスポットある!)
そんで終わったらみんな沢山写真を見せてくれましたー。
そのくらい熱心にお芝居に向き合ってくださいー。
その一部を紹介しますね。
すっごい皆んな楽しんじゃってるんですよ。なんかねお客様よりも若干演者の方が楽しんでる感あったよ。でも一緒にどっか行けたらいいし、また鎌倉行ってくれるならまたどこ行ったか教えてよ。お勧めを僕に聞いてくれてもいいよ。旅って行って、見て、経験して、無事に帰ってきて、お土産を誰かに渡したり(お土産話を話したり)、写真やパンフとかを整理したり、経験を咀嚼するとこまでが旅だと想うし、旅は立派な体験としてのインプットになって今後の自分の心や行動の糧になりますよね。
空が飛べると想ってみる。の作品はそういった旅を物語の中で精神的に共有すること、体感することを目的にしたいです。
「僕からと君へと」について
昨年、入院してる時期があって、最悪自分がまた入院しても、自分が物語さえ残せば、演者だけでやれる企画になればいいなと想ったのが最初のアイディアだったと想います。
入院中に僕はネットや特にSNSが本当に見れなくなって、それは乱射される他人の自意識を受け取る体力がなかったこともあるし、根拠のない話に自分の時間を奪われるくらいなら本を読もうと心がすぐに切り替わったのが原因でした。
言葉による伝達のみが手段だった大昔、活版印刷の技術の発明で、直接じゃなくても一人から大勢への周知が可能になったし、伝達に関してはインターネットは活版印刷以来の大発明に違いない。
でもいくら同じ者からある話を聞いたって聞き手によって全く伝わり方は違うんですよね。
僕たちのコミュニケーションはきっと大部分は勘違いと想い込みで成り立っている。
何も誰も嘘をついてるわけじゃなくて、聞いた話を自分なりに話してるだけなのに、6人目まで行くと最初とまるっきり違ってしまう。
そうするとどこまでが本当でどこからが嘘だったんでしょうか?どこからが作りもので、どこからがなりすましの演技だったんでしょうか?
分かり合えないことを大前提にして、それでも僕たちは人と繋がりたがる。
わかりたいと想うしわかって欲しいと想う。
同じ物語りの中で、同じ夢の中で待ち合わせできたらいつでもどこにいてもも僕たちは会うことができる。
空だって飛べる。
物語にたくさんの驚きと疑問を持って、あなたの大切なひとにそれを伝えて欲しい。
虚実の境界線を探る実験企画の意図は汲んでもらえましたか?
僕が携わる芸術の媒体は「物語」です。
もしもこの僕の物語を皆さんが隣の方にお伝えいただいたらば、またこの芸術が起こす運動は続きます。遊び感覚で話してみて下さい。
鎌倉は大好きな街です。僕は脚本を書く時は毎週鎌倉に来ています。今回も鎌倉で知り合った香菜軒のマスターを初め、小町通りのカフェで知り合った詩人の方、イラストレーターの方、陶芸家の方、出演者が飲み屋で知り合ったという方、通りがかりでよってくれた写真家の方など、多くの出会いがありました。
また鎌倉でも絶対やりたい。横浜でもやりたい。岩手でもやりたい。北海道でももちろんやりたい。僕の大好きな場所へ物語を持っていけたらいいなと想う。持っていくのは僕じゃなくても良い。あなたでも良い。
「空が飛べると想ってみる。」
▶︎演劇集団Oi-SCALE(オイスケール)の劇作家・林灰二を中心に台詞に支配されない物語を体感する空間の構築を模索する。
2019年8月「WA」@渋谷宮益坂十間スタジオギャラリー
2020年8月「WAKKA(ワッカ)」アートにエールを!東京プロジェクト内にて配信 https://cheerforart.jp/detail/4776
2021年5月「WAKKAワッカ2021ver.道志川」@みの石滝渓流園
2022年12月「僕からと君へと」@日暮里元映画館、鎌倉KATACOTOギャラリー
Oi-SCALEの活動と共に“空が飛べると想ってみる。”では、セリフに囚われないパフォーマンスが生むドラマを空間構築の一つのピースとして体感と共有と想像を軸にした作品発表を続けていきたいと想っています。
空が飛べると想ってみる。
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