【1日1文献】18トリソミーへの心臓手術#18トリソミー#心臓手術#染色体異常

参考文献:18トリソミーへの心臓手術
筆者:太田 教隆
発行日:2019年
掲載元:日本小児循環器学会雑誌 35 巻 (2019) 4 号
検索方法:インターネット

メモ
・18トリソミーの出生頻度は,出生児 3,500~8,500 人に 1 人の割合であり,その 85%以上に先天性心疾患を合併する.
・またその合併は致命的であり,多くの症例は 1 年以内に死亡,それ以上生存する症例は少ないと考えられてきた 2, 3).
・その多くの死因は中枢性無呼吸,多臓器不全に関連し,さらに未熟児死亡例に関しては,心疾患に起 因することが多くはない

・近年本邦からも 18 トリソミーと診断された 106 例中(2005~2018 年)68 例(64.1%)に心臓手術を行い, 追跡調査(65 例)を行った結果,肺動脈絞扼術だけを行った症例群(n=50)の 9 年生存率が約 20%であることに対して肺動脈絞扼術を経て心内修復術まで到達した症例群(n=15)のそれが約 60%であることを報告,
・今後の 心内修復術によるさらなる成績向上の可能性について言及している 11).
・このように将来,本邦でも心内修復症例 の増加が予想される.
・しかしながら,多くの他疾患(房室中隔欠損症,総動脈幹症,左心低形成症候群など)で, 姑息術を先行させた主要術式戦略が本邦では多く選択されているように 12),本疾患群に対しても姑息術をまず先 行させ,その後心内修復術を検討実施する段階的治療が多く選択されていくものと思われる.

・18 トリソミーへの心臓手術の死亡危険因子として術前の人工呼吸器管理(p<0.0001)が指摘されている が,その一方成績向上因子として術前の胃瘻造設(p=0.027),先行させた心臓手術(p=0.024)も挙げられてい る 10).
・このように各種準備手術による栄養・循環動態の改善が次の治療成績向上につながっていくことがわかってきた.
・今回柘植らが報告している心臓手術対象例には未熟児,早産児も含まれており,まず姑息術にて呼吸循環 状態の改善を目指してから在宅管理につなげられたことは適切であったと思われる

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspccs/35/4/35_EC2019-0008/_pdf/-char/ja

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