文献

近世大名は城下を迷路化なんてしなかった:第4章(5)江戸時代後期~明治

4.5. 江戸時代後期~昭和
――誤解と空想の防衛術が定説へ……

ここからは江戸時代後期(1790~)の文献と明治末から昭和の文献を見て行きます。

ん?明治末?い……維新の頃は……?

そうなのです。明治維新では日本の城が無用の長物として疎んじられました。

それと同様に日本の伝統兵法と和城の築城術は、学問の世界でも超不人気ジャンル化したようなのです。この時期の和流兵法・和流築城術の文献の少な

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近世大名は城下を迷路化なんてしなかった:第4章(4)それは盛岡砂子から始まった

## 4.4. それは『盛岡砂子』から始まった
――街路屈曲防衛術の論拠は江戸時代中期の巷説

### 4.4.1. 一次ソースの名は『盛岡砂子』

さて!さて!さてさてさて!やってきました桶狭間。ここが勝負の天王山。心しずめて賤ケ岳。天下分け目の関ケ原。ついに本丸天守閣。

天守閣って言い方は明治以降だ?うるせえやい、七五調にしたかったんじゃい。細けぇこたァいいんだよっ!

いよいよ、街路屈曲防

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近世大名は城下を迷路化なんてしなかった:第4章(3)江戸時代中期

## 4.3. 江戸時代中期(1690年~1779年) ついに出現する、防衛のための居住区街路屈曲という概念

ほとんどの都市で基本的な町割が終わってしまっている時代です。

すでに松坂古謡で見た通り、この時代に、ついに
「(城地ではない)居住区の街路を屈曲させて防衛用途とする」
という概念が出現します。

ともあれ、時系列順に文献を追っていきましょう。

### 4.3.1. 長沼流兵法:『兵要

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近世大名は城下を迷路化なんてしなかった:第4章(2)蒲生氏郷は町割下手ではなかった

## 4.3. 汚名返上!蒲生氏郷は町割下手ではなかった

### 4.3.1. 蒲生氏郷は町割下手だった?

さて。江戸時代中期に行く前に、宿題をひとつ片づけたいと思います。蒲生氏郷です。

天才武将にも弱点があった。それは町割が下手ということ――そんな巷説がすっかり定着してしまった蒲生氏郷の町割を検証します。

彼は、本当に町割が下手だったのでしょうか。

いま、ネットに広く流布している氏郷伝

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近世大名は城下を迷路化なんてしなかった:第4章(1)江戸時代前期

# 第4章 史料文献調査
防衛策として街路屈曲説が現れるのは江戸時代中期から

## 4.1. 文献調査の必要性について

仮に、
「大名は防衛のため城下を迷路化させた」
というのが真実で、全国的にどの大名も実践した定番の手法であるならば、その証拠は当然に当時の文献に見いだせなければなりません。

「いや、それは軍事上の秘伝だから、おいそれと文書に記されるわけはない」
と、あなたは反論するでしょう

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調べる。知る。さらに調べる。そして解釈する。

私はあることが知りたくて、国会図書館まで行った。
目星をつけていた文献に目を通し、複写の申請をした。

これだけで割と大仕事なのだが、この後の「知る」時間が楽しみで、まめまめしく手書きの申請書を10枚ほどしたためた。

帰りの電車ではその文献にかぶりつき、私が持っていなかった知見を頭に入れる。

なるほどと思ったり、これ根拠は何?なんて悪態をついたりしながら、とにかく読み進める。

私は「知る」こ

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目的の情報を得るための英語論文の検索の仕方を知ろう

「英語論文を調べたいけど、なかなか情報が見つからない」と感じることはありませんか?

英語論文を検索できるようになると、臨床だけでなく自身の生活にも最新の知見を活かせるようになりますが、そのハードルは意外と高いのではないのでしょうか。

そこで、英語論文を検索し目的の情報にたどり着くまでの基本的・発展的な方法をまとめてみました。

1. おすすめの検索サイトを知ろう

英語論文を検索できるサイトは

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学術的な研究を深めている方へおすすめの一冊♡

もはや文献集めが趣味であろう
Lila☆*:.。.ですが、

相変わらず読むことが
追いついていない状況です。。。

というのも、
専門分野になればなるほど
難解のため、
読み進めていくには
複数の文献と比較検討し、
理解を深めていくことが
大切になってきます。

しかも個人的には、
内容によって更にそこから
メモを取ったり、
仮説→検証といったようなことも
行っているので、
読むのに非常に時間が

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【文献】カオスに関連する研究文献をざっと読んだのでシェア1

今回は脳波とか生体とか関わらずカオスについてざっとあれやこれや読んだのでよかった文献やフレーズ等をまとめます.ではどうぞ〜

1.経済とカオス

久留米大学の原田康平さんの書いたものですね.1994年に書かれていますが実はすごい面白いのです.前回の記事で一度「循環的であるが,周期的ではない」の短いブログを書いたのですがこの論文で出会いました.

この「経済とカオス」の著者である原田さんも実は脳波信

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