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「ポジティブな人こわいね」

ドラマ「いちばんすきな花」の深雪夜々ちゃんのセリフを借りて言う。

このドラマを長々と語るのは苦手なので割愛して、このセリフをお借りしたかった。

ポジティブな人が悪いというのではない。
むしろポジティブな人がうらやましい。
ネガティブに考える方が辛いし苦しい。
だからポジティブになりたいとは思う。
思う・・・けれどもできないのだ。
昔よりは少し(本当に少し)ポジティブに考えられる事がちょっと増えた今、ポジティブは楽だということがわかった。
楽だし楽しいし、たしかに色んな事に時間が使えるようになったと思う。
だから「がんばって」の意味でポジティブになろうよ!という気持ちもわかる。
ポジティブは今の若い子(?だけじゃない?)からよく聞く「タイパが良い」のだろう。

でもそのポジティブな意見があたかも正しいように言われるのが苦しい。
ポジティブに引き上げさせてくれようとする。
そうだ、それが「こわい」のだ。
がんばってポジティブになろうとする、そのがんばりがしんどい。
だから私は「ポジティブになるための~」的なものが苦手。
取り入れようとして、取り入れられる物は取り入れさせてもらうけれども、それが全てになってしまうと、出来ない自分はよけいにネガティブになってしまう。
自分でもめんどくさい。
めんどくさいから、そういうネガティブな自分を否定したくなるし、押し殺しがちになる。
ネガティブは考え方というのもあるかもしれないけれど、感じ方な気もするからもうどうしようもない部分があるのだ。

「考えすぎだよ」そのとおり。わかってる。
「もっと明るくいこうよ」そのとおり。わかってる。
わかっててできないからまた凹んだり。


「いちばんすきな花」のワンシーン。

「聞くだけでちょっと熱出るやつある」

「他人は変えられないけど、自分は変えられる」(佐藤紅葉)
「死ぬ気でがんばれ」(潮ゆくえ)
「生まれ変わったら夜々ちゃんになりたい」(深雪夜々)
「失敗は成功の元」(春木椿)
「やまない雨とか、明けない夜とかないらしいけど、咲かない花はあるしね。咲いてもみんな枯れるし」(春木椿)
「置かれた場所で咲きなさいとかね、いい言葉だよね。できれば最初から咲ける場所に置いて欲しいけどね」(春木椿)

春木椿さんが次々と発する言葉に対して、夜々ちゃんが
「ポジティブな人こわいね」と言うのです。


ポジティブな言葉っていい言葉。
きれいで優しくて、ついついそちらが正しいのではないかと錯覚してしまう。
でも私はきれいで優しい言葉をそのまま受け取るより、もやっとしてしまうひねくれものだ。
優しさだってそのまま受けいれられない事もある。

最近言われた言葉「ポジティブな人はポジティブな人が集まるから、ネガティブな人とは一緒にいない方がいいんだよ」
ネガティブは悪なんだろうか・・・
世の中は明るいだけじゃなくて、暗くもあるし、白があれば黒もある。

私は無駄に悩んだ時間が何年もある。
タイパなんて悪すぎる。
人生のその何年は無駄だったのだろうか。
こうやってネガティブに考えているこの時間だって無駄なんだろうか。
私にとっては無駄ではない。
無駄な時間から得られるものは多い。

恋愛もそう。
最近よく「その人の事ばかり考えるのは無駄」
「嫉妬とかする時間が無駄」
「無駄な恋愛してる時間はない」というSNSを見かける。
そのとおり。わかってる。
でもその恋愛の無駄な時間って、人生の中でそうそう味わえるものではないから、そんな無駄な時間をまったく味合わないのはもったいない気がする。
みんながみんなその無駄を省いて恋愛できるなら、世の中にこんなに恋愛ソングや恋愛物語は生まれてない。

ネガティブを完全に否定されるのは辛いと思う事が最近多くて、そんな時タイトルの「ポジティブな人こわいね」というセリフに出会って書いてみました。
ネガティブな私のひねくれた考え方の一つ、として読んでいただけるとうれしいです。



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