少女 湊かなえ

どんな話?


人が死ぬ瞬間を見たい、由紀と敦子という2人の女子高生。それぞれがお互いに黙ってボランティアに参加し、その願いを叶えようとします。由紀は小児病棟の読み聞かせに、敦子は老人ホームの手伝いに行きます。2人はそれぞれの場所で、どうやって人が死ぬ瞬間を見るのか?果たして本当にその瞬間を見られるのか?人の死ぬ瞬間を見たとして、その先に何があるのか?という話です。

感想

全然予想外の展開、結末で面白かったです。最初は、女子高生が死ぬ瞬間を見たいって言い出すので厨二病かよと思いましたけど、由紀と敦子はそれぞれ悩みだったり、葛藤だったりを抱えていて、そこを乗り越えるための何かに人の死ぬ瞬間を求めているように感じました。
どっちにしろ、ボランティアでそんな瞬間そうそう見られないだろうな…とか思いながら読み進めていくと、後半から少しずつ事態が動き出していきます。人間関係とか、過去のつながりが明らかになって来たりして、どうなるのかワクワクしました。
終盤には大きな裏切り(いい意味で)もあって、ラストに向けて一気に読める感じでした。
そして、解説に書かれているこの本のある「しかけ」にびっくり。何も考えずに読んでた私は全く気づいてなかったので、改めてその「しかけ」を確認して、またびっくり。いやぁ、すごかった。面白かった。こんな厨二病的な始まりから、こういう結末に持ってくなんて、と。あらすじのヤバそうなイメージとは全く異なる、いい結末だったなと思います。


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