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見る時間と触る時間を増やそう!

あくまで #ガンプラ粘流 では、と断っておく。ワイは実例出して具体的に論述するのが好きな辻説法マンだから「主張を通す力」がかなり強く、そのパワーにより異なる主張する人を完膚なきまでに論破しちゃう悲劇を沢山発生させてきた。
意図的に他者の異なる主張を許容する隙間作っとかないと大惨事になるワケよ。

さて、前に皆のガンプラがイマイチなのは「見」が弱いからだって話に触れたりした。

別に改造するのが偉い訳でもなく、エアブラシ使っただけでモノのデキが良くなる訳でもないのだが、ガンプラ粘流では積極的に技法習得の為「特に初学者に対して」改造や塗装を勧めている。ネタで作った古流ガンプラ流派であるが、一応造形や絵画をちょっとだけ齧った私が納得し得るだけの段階的造形能力向上法は盛り込んでいるのだ。

そのガンプラ粘流を歩み始める人に対して、私はまず「ブンドドせぇ」ってのと「風呂場に持ち込んで洗え」と教えよう。

昨今のガンプラマニアは何故か早組したがる傾向がある。ゴッドハンドの戯けたニッパーでゲート処理もお手軽にとか、スミ入れとトップコートでお手軽フィニッシュだ!とか。

ガンプラの市場在庫が枯渇して、転売ヤーが暴利を貪る令和の世で──なんで毎週の様にガンプラ消費するよーな作り方をしてしまうのか?

ちょっと考えて欲しい。アホアホムーブでない?

買えないなら入手したキットを時間かけて丁寧に作ったらいーんじゃない? 決してバンダイはそんな事を推奨しないし「ご商売の都合により」なんなら毎日でもガンプラを消費して欲しいと願い、その「高速消費に向く」組み立て方を推奨するんだけれどもね……川口名人の問題発言?もモデラーとしての立場とバンダイの中の人の立場が混乱して出てきたモノだと愚考してます。

当流における「ブンドドせぇ」ってのと「風呂場で洗え」というのは、ぱち組とか改造とかした後に「時間を掛けてじっくりプラモデルを観察しろ」って事で、「良く見て粗を探せ」って話なんだよ。なんか知らんがガンプラの出来はかなり良いって話になってる。確かに昔のガンプラに比べりゃ格段の進歩してるけど、手を入れるべきポイントが皆無というモデルは極めて少ない。ガンプラ設計部署の人らは設定画やデザインから「デザイン意図」を掴むのが下手っぴで、意図を設計に落とし込むという部分が極めて弱い(ボークスやコトブキヤ、同じバンダイ内の魂ネイションなんかは上手いのにな!)
今回のガンダムエアリアルに関しても、仔細に見たら難点はある。

腕周り肩以外にもう1箇所弄った

ゴッドハンド使ったり、お手軽フィニッシュで簡単に仕上げたり……これはある意味でガンプラに触れて、仔細に眺める時間を奪うやり方だ。一度組んでからゆっくり1箇所づつゲート処理して面出ししてまた組んで……とやると、多分2度切りぱち組の数倍の時間ガンプラ眺めることになるだろう。ボケーっと眺めてるだけだと意味は無いが、その度にポーズ取らせてズゴックにライダーキック決めたり鉄山靠喰らわせてたら……違和感を感じる事がある筈だ。その違和感を探るとガンプラの難点や改造すべき点が見える様になってくる。
この違和感の言語化には様々な美術的、解剖学的な知識が役に立つ。

たかがガンプラ、されどガンプラ。バンスピの設計部署の皆さんがもう少し真面目に学校で図工や美術の授業に向き合ってくれてたら良かったのだが、見た感じ美術の授業は課題をテキトーに出して3とか4貰って満足する人だったのであろう。私みたいに「おし、これは人生を豊かにする学びじゃ、全力じゃ!」と下手だし美術系に進むつもりもないのに美術教師と楽しく美術談義する様な人だったら良かったのに。

ある程度までは、塑像・彫刻・絵画の各分野においても「知識ブースト」はかかる。才能だのセンスだのはその先の洒落にならぬ「美の領域」を歩む際に必要なもので、知識ブーストでの仕上がり向上は誰にでも出来る。いわゆるノウハウは修行もトレーニングも要らん。

で、モノの形を作る時に一番大切なのが「見」なのだ。

何気ない木更津辺りの風景

上記の写真を絵にする際、皆はどんな風に描き始めるだろう? なんとなーく水平線引いて、なんとなーく山や丘をモリモリっと描き始めるのではないか。
てけとーに生きてきた人ならそんなもんだ。失望する事はない。
しかしガチの人らは水平線が構図の中で上下の半分辺りにあり、山は比率的にどこから始まりどの辺が頂点で……とグリッド描いてパーツ配置を厳密にやる。精密な風景画描くやつはそもそも対象の見方や配置の仕方から違うのだ。これは人体とかでも同じで、絵描きが腕をまっすぐ伸ばして筆を凝視すること「あのポーズ」は描く対象の比率を測っているポーズなんよ。

ネットで上記のイラスト探したら案外みんなテキトーで草生えた。腕まっすぐ伸ばして視線に対して直角に筆伸ばさないと比率測れんww イラスト描きなのに絵描きの動作の意味知らんのかww

(俺は大変お辛くなった)

モノを作ったり絵を描く時には「この様な見方」をする。ほんとーにアホほど単純でバカでも出来るやり方だ。なんなら私は幼稚園の時に通わされたお子様お絵描き教室(級友のかーちゃんが美大受験の絵画教室のついででやってた)で教えられた記憶がある。

おじさんは新米ママンだった実母のトンチキ教育により幼稚園に入るまで「絵を描く」という概念そのものを知らず、幼稚園で画用紙とクレヨン渡されて「好きな絵を描きましょう!」と言われて悩みに悩み、自宅周辺の地図を茶色のクレヨン一本で描いた「お絵描きという概念をそもそも知らなかった君」であり、かなり初手から「絵画」をやらされてもーた残念なお子ちゃまだったのである。

マジな話、3分割法って構図の取り方知れば写真も絵も決まった構図作れる様になるし、比率の測り方や画面への反映の仕方学ぶと写生とか静物画の画力上がる。人体の基本的な関節間距離や関節の可動の仕方、構造を理解したら人物画は上手くなる。ロジックを知ってから見ると「見え方が変わる」──クリエイターの眼を獲得できる。

先ずは眼だ

見る力を養う為に、可能であるなら四六時中対象を「見よう」
ぼんやりではなく脳内に鮮明な像を結び、脳内CADでぐりんぐりん動かせる程度に対象を観察しよう。見るから「観る」に意識シフトするとガンプラ作りや立体物作りだけではなく、絵画や塑像、彫刻なんかも上達する。立体物作るの上手いのに絵がド下手くそというのは「あり得ない」
モノの見方のコツ掴めば、あらゆる創作でその眼が効く様になる。

気付かなければ修正できない。大変意識高い高〜い系な話に見えて恐縮だが、

気付きが無ければ
進歩はない

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!