エポキシパテは私が最も愛するパテなのだが、その中でも高密度タイプは30年以上使い続けている。

メタルフィギュア界隈では、アメリカやイギリスのメーカーの原型師がかつてはグリーンスタッフというメーカーのエポキシパテ使わされてたんだけど、こいつが切削すると表面が毛羽立つという特性があり、彼の国では「盛り付けだけで人形を作る」という超絶技巧が発展した。タミヤのエポキシパテは別に毛羽立ったりせんので、私はフィギュア作りで「盛って切って削る」を多用した作り方をしてる。

タミヤ様のおかげじゃー。

最初に使ったエポキシパテは、クレオスと改名する前のグンゼ産業のエポキシパテだった様な記憶がある。チョロQ改造時に使ってたのだが、なーんかねちょねちょして使いづらいなぁ……って感じだったと思う。ていうか、グン産のパテは全般的にネッチョリ気味の様な(もう40年近く昔の話なんで今は違うかもだけど)

で、この間タミヤエポキシ切れた(というか、無くした)のでJoshinに補給に行ったら速硬化タイプしか無かったので試しにこーてみた訳だ。

今日はそのファーストインプレッションを。

1.エポキシパテとは？

主材と硬化剤を混ぜ合わせて化学反応で固まるすごい奴さ。化学反応だから温度が高いと反応が早まり、低いと固まらない。よってエポキシモデリングは春と秋が季節的に宜しく、夏場はさっさと形を作らないといかんし、冬場は壊滅的に造形に向いてない。一応ヘアドライヤーなどで加熱すると硬化促進出来るんだけど、硬化前の粘土状の形態時では加熱により軟化して変形する恐れがある。細かい造形するには向かないね。
エポキシパテの特性として溶剤揮発による硬化ではないから「ヒケが出ない」という特性があり、精緻な造形に向くんだけど……ヤワヤワだと細かい工作に向かないんだなぁ。(私の様に、横3mm縦4mmの顔に目玉作ったり鼻や口作る場合、ある程度のコシが無いと加工し難いんだ)

エポキシパテは完全硬化までに
1.粘土状
2.ゴムみたいな硬さ
3.がっちりプラスチック状
という三態を取る。柔らかな曲面作る際には1.の状態でエポキシ自体の粘度を活かした加工を行い、大きな服のシワなどは2.の状態で、ガチっとした直線は完全硬化後に切削するといい感じになる。

硬化時間が長い=硬化中間状態も長いであり、何でもかんでも早い方が良いという訳ではないのだ。もし貴方がエポキシパテを使い始めるなら「私は」タミヤの高密度タイプを推奨する。

つーか、速硬化タイプネチョネチョしスギィっ！！！

エポキシパテっつーか、エポキシとポリパテの中間つーか……引っ付き過ぎでしょこれ！

通常エポキシパテは完全硬化するとかなり硬い樹脂なので、完全硬化前…出来たら盛り始め段階で作業時間短縮の為に「完成時の形」に近付けてやる必要があるのだが、タミヤさんはこれを隙間埋めにでも使わせる気なのか、「練り段階でめっちゃ柔い」のである。

仕方なしに少し多めに盛り付けて硬化途中での切削性も試す事に。Joshinさんも「接着剤と同じで速硬化の方が宜しかろう」などと考えず、高密度タイプも在庫してくれ。同じエポキシでも各社各種で使い勝手違うんですよ。(練ってから20度条件下で1時間ぐらい経過すると形が出しやすくなる……？　めんどくせぇな速硬化)

まぁ、これも経験という事でデザインナイフの刃をひっくり返してコテとし、鍛え上げたテクと経験で何とかしてるが、初手でこれ使うとエポキシパテのイメージが変にならないかしら、どうかしら？　Waveやセメダインのも経験してる私としては、この速硬化タイプ、かなりユニーク(過ぎる)特性であるよーな……？

2.エポキシパテのTips

主材と硬化剤の混合比が肝なんで、余りに少な過ぎる量だと固まらない時がある。少し多めに練って余ったらフィギュア作成時の芯に使える棒状にするとか、手慰みになんか小物をネリネリして「粘土細工の練習」すると良い。

芯材入れないで比較的デカいもん作ると硬化前に垂れて来ちゃう。

その場合、先ず概形を大雑把に盛り付けて、「硬化中間でナイフなどで整形」した後に

表層部を盛って成形

ドヤァぁぁっ！　尚、ドラゴン頭の芯(頭蓋骨？)の参考にしたのは

ミニチュアダックスのジンくんさんである。ドラゴンの顔の横のもしゃもしゃはジンくんさんの耳が元モチーフだ。

モデルと同じくもしゃもしゃの端は色が変わっている。

エポキシパテどれくらい必要か分からない時は、先ず練り消し盛り付けて形を作り、その後取り外して丸めて分量の目安にする。それなりに高いからな、無駄なく行きたいね！