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なんやて?!

ちょっとびっくりする記事みた。

……嘘やろ……
私は役20年前にIWCのパチモン買ってから、ケンテックス(自衛隊に腕時計納入してるメーカー)を経て、40代前半に自動巻き時計が欲しくなりオリエントに手を出した。選択の理由は「オリエントがアキバの会社だったから」である。アキバ歩いてた人間なら黄緑の地に白抜きでOrientと書かれた看板見た事がある奴も居るだろう。お茶の水からアキバに向かうとアキバ来たやで感をオリエントの看板が醸し出してたなぁ。
長年アキバ界隈で食ってた人間として親近感あったし、オリエントは機械式の割に安いのである。5万以下で機械式買える。またデザインが特徴的というか、人によってはゲテモノという感じなのがまた良い。私の感覚ではSEIKOほどメジャーではなく、知ってる人は悪評含めて少なく、メカメカしい雰囲気がギークには向く……そんな時計メーカーだ。

それが若者にウケてると言う。

え? マジで? といくつか検索したら……

そも、機械式でスケルトンってそんなに沢山出てたかな?という疑問点も無くはないが、かなり狭い市場ではあるが確かにオリエントが覇権取ってた。私がオリエント付けてて唯一それに気が付き反応してくれたの刑事さんだけやったぞ(大体の人は超高額腕時計かスイスの有名ブランドしか気にしない。IWCのパチモン付けてた頃も、だーれもIWCか!と反応してくれんかった)
刑事さんはこーゆー細かいところから相手の身分や収入類推するんだね。銀座の女性が靴見るのと同じかな?

尚、パチモンだからRolexでも行っとくか!と手を伸ばしたら、同行してた台湾人同僚に「お前の腕にあると言うその一点でパチモンとバレるからやめておけ」と言われたのであったー

まぁ、今はみんなスマホ持ってるし、スーツ着てる奴も驚くほど減った。腕時計趣味者も激減している事であろう。結果として趣味性が高い「メカメカしく実際クォーツ式では無く機械式で、面白みのある時計が流行りつつある」という事なのかもしれない。そして問題はその次よ。

若い世代がオリエントスター買ってる。


私のはオリエントでも安価なノーマルモデルだ。オリエントスターは一応オリエントの中でもハイエンドモデル……

ロゴが違うので速攻安いとバレるのである。(いや、オリエントスターも5万台から買えるから然程値段差無いのだが!)

負けてらんねー

と言う事で、Amazonで電ドラボール買うついでに(安い)オリエントスター買いました。

RK-AT0002Lサン

日常使いはメタルバンドにして、あと喪服用に黒の革バンド買うだ。

おじさん豆知識
時計のバンドは革バンドがフォーマルで、メタルバンドは「フォーマルではない」
そも、オリエントの時計は1番安価なバンビーノとか以外大体チラッと(たまにガバっと)ムーブメント見せてるから露出過剰気味でビミョーにフォーマルに向かんからメタルバンドは合ってるんだけど、場に合わせてバンド交換したらえーんじゃ。オリエント純正だと1〜2万取られるが、Amazonで本革ベルト1000円以下から買えるやで。

で、オリエントだが……昭和の昔はゲテモノ扱いされてたのはマジ。メカメカしいの露出させるのはエレガントではないの。基本的にスーツに合わせるなら「でかい腕時計」ではなくシャツやスーツの袖口に引っかからないモデル選ぶもんなんやで。だから昭和基準だとクソデカダイバーズウォッチとかゴツい腕時計は「エレガントではない」と忌避されたの。
そんな社会通念があった時代に機械式で「機械式でーっす! みてみてー☆」な時計出したら、そらまぁゲテモノ過ぎて嫌がられる。

初期のオリエントスター見ると薄型で革バンドじゃろ? これが当時のスタンダードだったんだよ。機械式で薄型ってのがテクの見せ所なの。

それからダイバーズウォッチなんかやり始めて……

1971年から1996年まで何故か記録が途絶える。この時期は機械式ではなく狂いが少ないクォーツが流行ったからだ。

とまぁ、この辺がオリエントがイマイチ扱いされてた所以だ。シチズンやSEIKOが居たから隙間狙わざるを得ないと言うか、何というか……

で、1996年から自動巻き機械式を復活させたんだが……

上場廃止を喰らったのである。で、逆にEPSONに買われて「まともになった?」と言うか……盛り返した。

1.時計周りの文化の変化
クソデカ存在感マシマシ腕時計がバブル以降許容された。基本腕時計は薄型小型が普通で、クォーツ式はその「基本」に合致しやすかったんだよね。時計に求められる正確性も段違いだし。機械式だと400万クラスの奴でも日に1秒くらいは狂っちゃう。

2.機械式への憧憬が生まれた
多分レトロ流行り。歯車とか振り子とかそーゆーのがギークやナードにウケたんだと思う。尚、価格帯を考えるとオリエントは普通に「優秀な時計屋さん」だし、マニュファクチャチュール(自社一貫生産)歴がかなり長い老舗でもある(日本の時計屋さんは自社一貫生産が多いのではあるが)

3.コスパ
若い子大好きコスパが高い。高くても100万はしないし、5万切る値段で機械式ってのは確かに珍しい。中国製でさらに安いのもあるにはあるが……

腕時計がめっちゃ安くなったのは、日本製クォーツが世界中で流行った(1970年代)からなんよ。アメリカなんかタイメックス以外全滅したし、スイスでも独自にムーブメント作るの断念してマニュファクチャチュールは激減した。
スイスでは結局エタ社って会社がムーブメント供給してたのだが、安いムーブメントに法外な値段付けて販売するやり方にエタ社が反発、自社が属するスウォッチ系統以外にムーブメント売らない!と宣言して大問題になってたりする。

総じて、今は別にオリエントの機械式腕時計は「悪くはない」むしろ中身そんなに高く無く精度もそれなりでアホほど高額な時計よりは質実剛健で良いのではないかと思う。特に「ウチはムーブメント作れるもんね!」はオリエントも些か過剰気味に誇っている部分だし、スケルトンに対する拘りも「自社の魂」的に大切にしてるのは良くわかる。

ウチの子を見てくれアピールが強過ぎる裏面

まぁ、なんだ。
オリエントの社員も職人もオタなんだと思う。良い意味で。

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!