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壊れた電気ポットの裏の世界

我が家で使っている電気ポットが壊れた。

買った日を確認してみるとまだ半年。いくらインドネシア製でもちょっと早過ぎね?と思いながら購入したお店に問い合わせてもらうと保証期間内でサービスセンターに持って行けという。

それで夫と次男で家から車で20~30分ぐらいのところにある市内のサービスセンターに持って行くと修理に大体4日ぐらいかかると言われたらしい。

でもまあ、インドネシアあるあるで4日経っても、1週間経っても音沙汰無し。電話しても繋がらない。

それで用事のついでにまた様子を見に行くと案の定まだ修理されていなかったということ。夫の話だと上の部分と下の部分も壊れていて部品があるかどうか問い合わせ中、とかそんなことを言われたと。

他にも放置されている(ような)製品がたくさんあったというので、「本当に直してくれんのかな?」と夫に聞くと「わからん」と投げやりな返事。仕方ないのでもう少し待ってみることにしたんだけど、サービスセンターのGooleレビュー見たら星が一つしかついてなくて、ちょっと期待はしないほうがいいかな、なんて思っていた。

電気ポットを修理に出している間はガスでお湯を沸かし、家にあった携帯用の保温ボトル2本で代用していたけど、容量が小さいので一日に何度もお湯を沸かすことに。私を含めてうちの家族、結構お茶やらコーヒーを飲むのですぐに無くなってしまう。

あれからそろそろ一か月、サービスセンターからの音沙汰もなく、修理に出した電気ポットのことは半分諦め気味になっていた。お湯を沸かし続けるのにちょっと疲れてしまっていた私は新しい電気ポットを買ってしまおうかと考え始めてて。

ネットでリサーチしてみると電気ポットは今修理に出しているメーカーのものか日本製のものしかヒットせず。また買うにしても半年で壊れるかもしれない物買う気しないし、やっぱり高品質な日本製!と思ってもお値段がインドネシア製の10倍近くするものにもちょっと手が出せないなあという感じで…。

そんなこんなでつい先日まで悩んでいたのだけど悩んでたの無駄になった。そう、来たの、ついに連絡が。電気ポット修理できましたとーーーー。

早速連絡があった次の日の朝、仕事が休みだった長男に取りに行ってもらい約一か月半ぶりに電気ポット様と感動の再会を果たしたのでした。

長男によると、壊れていた部品の他にポットの内側が漏れていてその内側の内筒をジャカルタから取り寄せていたため時間がかかってしまっていたとのこと。

それを聞いて私はなんだか自分が恥ずかしくなってしまった。サービスセンターの人たちは誠心誠意直そうとしてくれていたのだ。それなのに私ったら「修理する気あんのかよー!!」とか文句言ってて。ごめんなさい。

で、思った。これは私だけではなくほとんどの人に当てはまると思うんだけど、人間って本当に想像力に乏しい生き物で見たいようにしか世界をみていないんだなと。その自分の見ている世界の裏がどんなに愛に溢れているのかなんて想像すらしていない。

最近聴いた話があるんだけど、30代遡ると私たちには10億人以上のご先祖様がいるらしい。私たちは10億人以上の命の上に成り立って生まれてきている。その10億人のご先祖様がいなかったら今私は生まれて来ることができなかったの。

だから先祖供養しましょう、って話だったんだけど、その話に私はかなりの衝撃を受けてご先祖様には本当に感謝の気持ちが湧いてきてね。それからは毎晩寝る前と朝起きた時に心の中でご先祖様に感謝の言葉を言うようにしてる。

でもこれを聴いた時、感謝の気持ちを向けるのはご先祖様に限った話ではないなとも思いまして。普段私たちが何気なく使っているモノ。口にしているモノ。

最初に地球の恵みがあり、それを取り出したり加工したり、組み合わせて製品化して販売ルートに乗せ、私たちがお店で買えるようになるまでに一体何人の手がかかわっているのか。

蛇口をひねれば水は出てくるけど、その水はどこから来て誰にどんな処理をされて運ばれてくるのか。水道管を整備して管理してくれる人たちが大勢いるからこそ水に困ることなく生活できている。

家の中を見回してみると、普段使っているコーヒーカップや文房具などの日用品、それのどれをとっても自分で作ったものなんてひとつもないことに氣がつくはず。カップは自分の手作りだって?でもその材料はどこから?

携帯やパソコン、電化製品に至ってはその細部の部品のことを考えると、一体何百人、何千人、あるいはそれ以上かもしれない人の手がかかわっていることが伺える。

我が家の庭で収穫したスターフルーツだって土と水とお日様がなければ実をつけることすらできず、私が口にすることだってなかった。

そうゆうことを人は忘れがちで自分ひとりで生きているような気になっている。もし私が家族もなく友人もいない天涯孤独の身であったとしても、必ず誰か、または何かの支えがあって生かされているってことを忘れてる。

今回うちの電気ポットを修理するために一体何人の人がかかわってくれたのだろう。それを考えると目頭が熱くなるくらい、感謝の気持ちでいっぱいになってしまって。

この世界はそこら中に愛が溢れている。でも想像力を働かせなければその愛は見ることも感じることもできない。そんなことを氣づかせてくれた一件でした。

さて、元気になって我が家に戻って来てくれた電気ポット君。湯沸かしに大活躍してくれている。ちょっと反応が遅くなってしまったところがあるが、一度負傷した身だから致し方ない。

物にも意識があるって言うよね。大事にすると長持ちするとか。

ごめんね、もうインドネシア製だから、とか言わないよ。君はたくさんの人の愛の結晶なんだって知ることができた。だから長生きしてほしいな。これからも私たちのために美味しいお湯を沸かし続けてくれるよね。

ありがとう~電気ポット君。

主役の電気ポット君。
デンプーじゃなくてデンポーだかんね。
我が家のスターフルーツ。輪切りにすると星形に。
朝作る人参ジュースに入れます。
黒いボツボツは何でかな?


最後までお読みいただきありがとうございます。


見出し画像:KWON JUNHOさんの写真




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