ゴミ出しの朝の空気が冴えていてわたし自身を新しくした
胸に付いた髪の毛一本が
明け方にめくった文庫本のいちページが大きな音を立てた。
することのない休日よ幸せだ
冬空、鈍色の空 これも空なんだ
スマートフォン教えてくれるきょう新月
あかり消しポッドキャストの声冴える
すごいなあ すごいなあ ほかの人はすごいなあ
目覚めた朝 飲んだ水が ふっくらとしていた。
腹が減る。 友人の訃報の日にも腹が減る。
思いが募るほど 黙ってしまう
湯けむりをつかもうとするあなたは少女のようで
雪片をつかまえたいのに風が吹く
暗闇がざらりと顔をなでたってもう平気さ
20年め、その目に耐えられた。
夜の価値に気づいたの?