某フリマアプリで詐欺にあった(3)

どうも、ひなたです。『×卵通信9回目』です。
連載モノの第三回目にして一ヶ月ぶりの更新です。手札はそろった!引導を渡してやる!!と張り切った先に思わぬ落とし穴。本当の敵は別にいた……。

【信じたツケがこうなった】

「商品到着次第送料と共に振り込みする」
この言葉を信じ、私は証拠用の画像として商品を数枚だけ撮影、それも自分の手と並べてこんなに違うんだよと友人に後から見せて笑い話にでもするか程度のノリで残しました。
なんか……あんまり触りたくないし。そう思いながらほぼ送付時と同じ梱包状態に戻し、クリックポストで返送しました。
追跡番号連絡時に、もう一度念押しして約束させ、私はXデーを待ちました。
次の日、別サイトで買った正規品が到着。当たり前ですが

「全然違うやんけ!!!」

気づいたら心の声が声帯を通り訛った日本語となって部屋に響いていました。


さて。通常クリックポストは翌日に到着することが多いのですが、私が回収を終えた時間にポスト投函したためか、はたまた単にイライラしていただけか、先方からの連絡が来たのは二日後の夕方でした。
長かった……これでようやく終わる……安心半分怒り35万くらいの勢いでメールを開きました。

【都合の不一致】

「本日無事に到着いたしました。早速返送していただき感謝しています」
急かせたのそっちでしょ。
「ところでお願いがあるのですが、先に受け取り報告をして評価をいれてください」
……はい?
「そうしないと、お金が入らなくて……返金できないんです!」

知らんがな

いや待て落ち着け、これは知らん顔できない!だって約束が違うっていうか返金するって連絡する時点でお金用意しておくものでしょ?それに取引自体数千円よ?

クーポン戻ってこないのよ!?

一瞬どころか、完全に10分はフリーズしていたと思います。
私は一度返信するのをやめ、運営会社へ通報する手段を探し始めました。

ないやん

うちは仲立ちをしているだけで、トラブルがあった場合はお互いに話をつけてね。
わかる、わかるよ。相談窓口とか設けたら、もうそりゃ365日24時間ただの愚痴みたいな連絡が来るって。だけど、ちょっとくらいヒントとか!ないの!?

皆無

どれだけグーグル先生に聞いてもわかりません。とにかく検索にあがってくるのが、結局泣き寝入りしたor逃げられた体験談のみ。これだけ巷で悩める子羊がいるというのに、なんで何も対策しないのかしらね!!
致し方なく、運営会社の規定を隅から隅まで読むことにしました。
それによると(恐らく)高額なものやブランド物に対する補償はあるようですが、世間的に安価なホビーカテゴリーに入る今回のケースはせいぜい年に一回『お見舞い』と称したお金がもらえる程度。
ところがこの制度、とにかく面倒くさい。

・まず申請締め切りが厳しい(購入後何日以内)
 →先方の受け取り後連絡が遅かったせいもあり、余裕はそれほどない
・なのに、審査には数ヶ月かかる可能性がある
 →わかるけどさ!わかるけど……

そしてここに来てようやく私は自分がどえらいミスをおかしていたことに気づきます。
・審査には必ず購入物の現物が必要になります

オワタ

ないですよ……もう……返しちゃったもん……
確かにQ&Aに「購入後のトラブル発生時には、商品を返さないでください」ってあったけど。
信じたんだよ……私は……相手の言葉を……
その後、2分ほどその場にうずくまっていました。
いつか何かの役に立つかも知れないと、アンガーマネンジメントの訓練を受けておいて良かったです。きっかり3分後にはすくっと立ち上がり、深呼吸しパソコンに向かいました。

「話が違います。あなたは模造品販売という法に触れた行為をしているうえにまだごねるのかコノヤロー!私の千円クーポンかえせええええ」

後半、理性のかけらもないような文面になっていますが大体こんな勢いの内容を送りつけました。
しかし、先方も一筋縄ではいきません、突然謎の計算式を送りつけてきました。当時はよくわからなかったのですが、フリマアプリは契約が成立すると運営会社に売り上げの中からいくらかの手数料を払わないといけないのです。そして、運営会社によっては指定の方法でしか送付できない場合もあります。そのための専用の梱包箱を別途買ったり、普通郵便よりもお高い送料を(その代わり匿名配送が利用できるなど個人情報は守られる)払ったりと、細かいルールがあるようでして。簡単にまとめると

「こっちは今回の売り上げがチャラになっている上に手数料をとられている。そしてお金がない」

知らんがな

「電子マネーならすぐに返せるけれどそれにチャージしていない。でも別の金融機関に残高はある。でもそこから振り込みすると手数料がまたかかるし……とにかくお金がない」

知らんがな

いいか、よく聞け。貴様が今一番にすることは金がないと私に訴えることではない。

返金だ

コンビニでお金下ろしてこい!それを電子マネーの口座にいれてこい!
なんなら明日まで待ってやる!臓器を売ってこいと言っているわけではないのだ。早くなんとかしろ!
しかし、こちらがいろんな提案をしてみても結局は「お金がない」
もういい、お前のことは以降ノーマネー氏と呼ぼう(せめてもの抵抗)

【持つべき物は経験値豊富な友人】

もう一度隅から隅まで『お見舞い金』制度について読みあさり……絶望しました。お見舞い、と謳っているのは補償が目的ではないため。なんとか突破口はないのか……!!
現物がないのは痛恨のやらかしですが、最悪数枚の画像と「先に物を返却してくれ」という先方からの文面はスクショしてあるのでなんとか交渉することはできるかもしれない。ダメ元で申請画面に進むことにしました。しかしそこで私は最大の壁にぶち当たりました。

受け取り報告を終了してからしかこの制度は利用できません

ん?んん??んんん???えーと、つまり私は……

つんだ

どっちにしろ一回出品者に金が渡る……
たとえ受け取り報告を無視し続けても一定期間アクションを起こさないと自動的に運営から出品者に金が渡る……

私は鳴きました。けたたましく鳴きました。
そして鳴き声をあげながら、友人ふたりに連絡を取りました。
ひとりは以前司法関係の方とあることで懇意にしたことがある人。
もうひとりは世間知らずの私に浮世の辛さをこんこんと説いてくれる人。
こうなったら、何が何でも今夜中に真っ正面から挑んで決着をつる!けど、怖いから何かあったら慰めてもらおう……。
冷静沈着なくせに天真爛漫、という相反する評価を普段から真摯に受け止めておいてよかった!と、強がりの鼻歌を歌い、先方には「少し時間をください」とだけ返事をしました。
返事といえばここに至るまでのやりとりで「私は今までどんな取引でも紳士におこなってきました!」というすごくわかりやすい誤字の内容のものもありましてね。『ノーマネージェントルマン(自称)』と一回だけ口に出して言ってみました。
思ったほど楽しくなかったです。

と、この時点で前回記事より1,000文字ほどオーバーしたので、当初予定を変更し全4回にします。もう1回だけこの話題にお付き合いください。


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