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【note版】目の保養〜ロンドンのアンティークと織物フェア〜

普段はもっぱらチャリティ・ショップ(リサイクル店)で掘り出し物探しに精を出していますが、たまにはホンモノを見て目の肥やしにするのもヨシ!いま写真を見返したらかわいい物がズラリとあり、アンティークなので少々お値段は張りますが、「買っときゃよかった!」と今頃後悔してもときすでに遅し。皆さんは古いもの、アンティークに少しでもご興味があれば、手の出しやすい小物1点から始めてみてはいかがでしょうか。

※以下は他媒体に掲載中の記事から転載(自著)した、過去のものです。noteには私の個人的な記録として一部割愛、再編集(くだけた文調や写真のキャプション、絵文字など)したものをお届けします。フルバージョンの原文はこちらをご参照ください(2020年1月25日執筆分)。

古い物にとりわけ価値を見出だすイギリスでは、ロンドンを始め全国各地でアンティーク街やマーケットが多数あります。観光地でない、そこら辺のちょっとした大通りにすらポツンと個人の商店があったりと、アンティークはイギリスの生活に溶け込んでいます。

2階は織物の展示場

今回はロンドンのテムズ川沿いにある公園、バタシー・パーク内の展示場で開かれていた「デコラティブ・アンティーク・アンド・テキスタイル・フェア / LARTA (Decorative Antiques & Textiles Fair / LARTA)」 に足を運びました。

アリスになりきってアンティークの世界へ

手荷物検査を済ませて入場すると、イギリスの有名な児童小説『不思議の国のアリス』をテーマにしたショーケースがお出迎え。今回のフェアは、主に17世期から1970年代にかけて収集された物の展示です。これから始まるであろう、来場者が「未知なるアンティークの世界」へ進む様子は、まるでアリスが「不思議の国」に迷い込むようでもあり、たしかにピッタリのテーマだと思いました。

それぞれの個性が光る出展者たち

明るく開放感のある吹き抜けの玄関ホールには絵やランプなどのブースがあり、それらを見ながら進むと、すぐに少し照明が落とされた、黒を基調とした大ホールが出現しました。

縦写真申し訳ないです🙇‍♀️

碁盤の目に規則正しく並んだブースには、家具店やインテリアショップで見かけるような大型のディスプレイから、マーケットや個人商店でよくあるこぢんまりとした展示まであり、その規模はさまざまです。小さな細々とした食器や置物があったかと思えば大きな柱時計があったり、なかには日本の藍染のような布まであり、見ていて飽きません。

並べるだけでかわいいビスケットと、皮付きとなしのピーナッツを2色使いしているところにすらセンスを感じる、イギリスらしいおもてなし

出展者のなかには携帯をいじって暇そうにしている人もいますが、たいていは来場者と積極的に話し込み、さすがはイギリス、山盛りのビスケットとナッツでもてなしている商売上手な人もいました。

本日の推しブース

やはりこういった接客に熱心なブースはよく賑わっており、活気があるので見る側であるこちらもウキウキします。売り上げ単価でいえば、大型家具などと比べて引けを取るはずですが、スプーンやナイフといった銀食器、皿やグラスといったものは実用的で値段も手頃なので、見学者がたくさんいました。この日、パッと見私が1番売れていそうだと感じたお店はこちら、Linda Jackson Antiques。

ゴチャっとしてる方が庶民にはありがたい

スペースを贅沢に使い、いかにも高級感が漂ったブースが多いなか、所狭しと無造作に重ねられた銀食器が気軽な印象を醸し出し、つい近寄って手に取ってみたくなります。気さくな店主を相手に、値切っているおじさん客も。

うぅ、緑好きの私、スプーンがいまさら気になってしょうがない😭

レストランで見かける、食器が下げられたあとのパン屑を取る道具もあり、その非日常的なツールに一瞬舞い上がりましたが、それにはテーブルに毎回クロスをかけなければ使えないという点や、£75もするのでグッと堪えました。

基本的に、プロ向けの催事場です

シャンデリアや食卓といった大型の家具を扱っているブースで、個人的にヒットだったのはMaison Artefact です。アンティーク・デザインの象徴ともいうべき「かすれた風合い」のペンキが特徴的で、会場の入り口すぐ近くというブースの場所からいっても、人気店なのは間違いなさそうです。

🌸お花とシャツがきちんとコーデされている🌸

商品だけでなく、ブース全体のデコレーションにもセンスが光ります。生花からキャンドル、スタッフのシャツまで淡いピンクと紫色を挿し色とし、テーマカラーがそれとなく、あくまでも控え目に示されています。桜の花にも見える繊細な造花も素敵で、乙女心に響くガーリーな装飾に目を奪われました。

ラグ、織物の展示 LARTA

2階は2011年よりアンティーク・フェアと同時開催している、アンティーク・ラグと織物アートのフェア (The London Antique Rug & Textile Art Fair/ LARTA) 会場です。

専門業者がペルシャ、インド、中国、中央アジア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ大陸といった世界中から選りすぐったカーペットやドレス、民族衣装などが壁一面に並んでいます。会場面積は1階のアンティーク展の10分の1程度と規模は小さいですが、その分じっくり見て回れ、休憩できるカフェは下のものより逆に数倍広いので、会場すべてを見終わったあとにホッと一息つけます。

パンフはウィリアム・モリスのプリント柄✨家に飾ってあります😁

ひと口に「アンティーク」といえど、その価値や種類はさまざまで、道端のマーケットなどで広げられているものには、一見単なるガラクタにしか見えないような物もあり、素人には真偽や価値の判断が難しいときもあります。その点こちらのフェアは、基本的にはイギリス国内外のインテリア・デザイナーや個人バイヤーといったプロ向けのものなので、置かれている物はすべて信頼でき、デザインも洗練された物が多いです。

クレジットカードの表示があったりと、一般人でも安心して気軽に購入できるようになっています。フェアは冬季、春、秋と年に3度あるので、タイミングよくロンドンにいらした際は、ホンモノのアンティークを見に、自分だけの1点モノを探しに出かけてみてはいかがでしょうか。次回は2022年10月4日〜9日です。

Decorative Antiques & Textiles Fair / LARTA
URL: www.decorativefair.com


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