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マネスキン、『RUSH!』リリース記念・全曲レビュー(長文)

今日は、昨年に初来日公演を行った話題のMåneskinのニューアルバム『RUSH!』について書きます。

1月20日発売された、Måneskinの待望のロックアルバム『RUSH!』ですが、既にMåneskinの公式YOUTUBEチャンネルには『RUSH!』から13本のLyric Videoと、先行リリースの新曲「GOSSIP」のMVが公開されています。

またSpotifyでも大々的にMåneskinRUSH!』大プッシュということで以下のようなお洒落なウエディングMVをSpotifyの公式YOUTUBEチャンネルで公開しています。

Måneskin got married in a RUSH! | Spotify

ええっと「マネスキンは『RUSH!』と結婚しました(直訳)』

大変おめでたいことなので、ご祝儀として『RUSH!』は購入しないといけないようですよ、皆さん。若い彼らの前途を祝福しないといけないです。

それにしても、演奏してブーケトスまでやっているの、参列したい人も多かったのではないでしょうか。私も過去、武勇伝の友人の結婚式に「ブーケトスをゲット(または、ジェイソンのドラムスティックをゲット)」がありますので、自信はあります。



残念ながら、流石に今日の投稿にレビューをするのは危険かなと思いつつも時間いっぱい使って書きます。間に合わないようであれば、文章最後にある「Rolling Stone(日本版)」のレビューもご参考におすすめします。では行きましょう!




Måneskin - OWN MY MIND (Lyric Video)

1曲目は非常にスタンダードにパワフルなロックサウンで、ドラムとギターでハードロックまでは行かないけれど、非常に泥臭いまとめ方をしてきた曲ですね。(イントロはThe White Stripes思い出します)

ダミアンのラップとパンキッシュなヴォーカルに、トーマスの疾走感のあるギターをイーサンのドラムの掛け合いと、ヴィクトリアのダンス系のベースが基本かなと。

2曲目は先行の「GOSSIP」ですが、Lyric Videoのレビュー最後にMVレビューがありますので、そちらをご参照ください。曲としては一番、今までのMåneskin調という安定曲という感じです。


Måneskin - TIMEZONE (Lyric Video)

アップテンポの「GOSSIP」の後に、ややミディアムなバラードで、なんとなく、80年代の米国ハードロックバンドにありがちな傷心を歌うダミアン。トーマスのギターソロも「はい、ここから弾きますよ」というお約束の登場がいいですね。みんな、イケてるロックスターじゃないですか!と思わず、親指を立てたくなる曲です。


Måneskin - BLA BLA BLA (Lyric Video)

この曲もライブでは非常にノリやすく、盛り上がりそうな曲です。「とべ!とべ!」という感じでしょうか。イーサンとヴィクトリアのリズムが非常に効いてます。パンクな暴動から、徐々に狂気な佳境に向かう。


Måneskin - BABY SAID (Lyric Video)

Lyric Videoですが、全編、ヴィクトリアしか登場しないMVです。シンプルなダンスのリズムの曲ですが、歌詞の内容はちょっと色々あるようです。綺麗なコーラスもありますが、厚みが出て、今までは外見などがクローズアップされていましたが、いろいろな側面の見え方かありそうな曲です。最後のシャウトとかロックな感じです。


Måneskin - GASOLINE (Lyric Video)

この曲はイントロからゴリゴリのベースで始まります。この曲も重く暗いトーンからの、ドラマチックな展開、コーラス。ダンス曲っぽいですが、後半のドラムとギターの掛け合いでのエンディングでギターソロのたたみかける演奏に引き込まれますね。

ウクライナの事を歌っているということです。


Måneskin - FEEL (Lyric Video)

この曲はなんとなく、The White Stripesの「Seven Nation Army」のリフを思い出してしまいましたが、彼らのルーツのバンドの1つかもしれないですね。確かにギターの音がそれっぽいのも納得。歌詞には「Rebel Rebels」と、以下のようなエピソードがあります。

テーブルの上のコカイン”という箇所は、ユーロヴィジョン・ソング・コンテストのファイナルで起きた、例の濡れ衣事件をネタにしているんだろう

https://rollingstonejapan.com/articles/detail/38961/2/1/1

重いグルーヴと疾走感のあるボーカルがいいですね。また、確かにボウイを意識している歌詞が多いと思います。


Måneskin - DON'T WANNA SLEEP (Lyric Video)

グルーヴ感と、単調なリズムの組み合わせでですが、ライブでウケそうな曲ですね。「踊れ!踊れ!踊れ!」です。ずっと踊っているのかと思ったら背中に背負っていたのですね、ギター。眠れないです。


Måneskin - KOOL KIDS (Lyric Video)

この曲もベースからですが、非常にタテノリのパンキッシュな曲で、個人的に気に入っています。N.Y.パンク・ラップバンドと言ってもいけそうです。
アップテンポな危険な香りがする曲です。


Måneskin - IF NOT FOR YOU (Lyric Video)

そして一転しての、バラードです。ギターのアルベジオに乗せて、ダミアンの歌がとても儚い。しっとり歌い上げます。後半、スキャットなコーラスという劇的な曲。


Måneskin - READ YOUR DIARY (Lyric Video)

この曲も結構、いいですね。少し、ロカビリー展開がありますが、ギターの音から転調して、コーラスです。曲の作りがバラエティーに富んできていて、アルバムとしての作品を意識しているという感じもします。

ただし、歌詞は「ストーカーソング」っぽいとのことです。

Alone, I've Been Waiting.  So Long, Its True.
Get Inside of You, You, You.
Forever and Ever, and Ever.

ああ、来てますね。
この曲を好きと公言しないでくださいね(HAHA)。


Måneskin - MARK CHAPMAN (Lyric Video)

マークチャプマンとは、レノン殺害犯である。イタリア語なのは英語圏の事件もあってフィルター的な役割になっているような気もしますが、どうなのでしょうか。

なんといっても、トーマス・ラッジの圧巻のギターソロが聴けるのが最強ですね。


Måneskin - LA FINE (Lyric Video)

「終わり」というイタリア語の表題で、英語では「The End」というと、多くのロックバンドが常々「終わり」という曲を作って来ましたが、Måneskinの「終わり」はこの曲ということです。

ビートルズって結構あっけからんとしているのに、なぜだか、最後のリンゴのドラムが延々と続く、あれです。ドラムソロはこれだけで、ギターソロはポール、ジョン、ジョージという。

上記の事を踏まえて、Måneskinの「The End」はトラック最後ではなく、1つ前に、今までの路線であるラップっぽいボーカルと、4人のバランスがよく取れた演奏の安定のアップテンポのダンス曲で締めくくりです。


Måneskin - IL DONO DELLA VITA (Lyric Video)

最後の曲もイタリア語ですが、非常に古臭いロックらしいブルージーな展開に切ないという感じでしょうか。90年代のオルタナ系のバンドでも、パールジャムというのはそうかもしれません。オールドテイスト満載な、ロックな曲という事ですね。


最後に先行リリースされている「GOSSIP」のレビューです。こちらは先行して書いていましたので、文章長いです。

Måneskin - GOSSIP ft. Tom Morello

今回はRage Against the MachineTom Morelloとのコラボという事ですが、なぜ、Tom Morelloとの共演になったのか、インタビューからわかります。

トム:マネスキンはお気に入りのバンドだ。自分のルーツもイタリア系なので、同胞として君たちを誇りに思ってるよ。正直、イタリア出身のロックンロールバンドがそんなに話題になってると聞いた時は、嘘だろ?って思ったけどね(笑)。君たちは、明らかに若い世代のロックンロールを代表するバンドだ。様々なバンドがロックンロールを語り継いできたが、今の若い世代にはマネスキンがいる。ハリウッドのスタジオで彼らとジャムセッションをした時には、本当に圧倒された。巷に溢れてる似通ったバンドとは一線を画しているんだ。作曲、作詞もそうだし、ヨーロッパのフェスの映像を見てごらん。90年代の有名なバンドがオーディエンスを沸かせていた光景を彷彿とさせたね。君たちが本物だってことを物語ってた。

https://rollingstonejapan.com/articles/detail/38957

「ベタ褒め」ですね。確かに「イタリアロックバンドが世界的に人気爆発」なんてあり得ないと半信半疑だったトムさんも一緒にセッションをするうちにゴキゲンな奴等に出会ったぜ!という感じでしょうか。

この「GOSSIP」のMVの印象としては、「レッチリの、あのMVに似ている」と、私は思いました。「Tell Me Baby」です。

Red Hot Chili Peppers - Tell Me Baby [Official Music Video]

Måneskinは演奏をしている空間と観客を分けていますが、これは逆に一緒にバンドのメンバーとして観客も一緒にどんどんステージに上がっていきます。

この曲は『Stadium Arcadium』(2006年)に収録されていましたが、この後に、John Fruscianteが脱退します。

イメージ的に思うだけですが、MVもロックで、90年代的なところを感じます。「Supermodel」からの流れと考えると、キーワードは「90年代ロック」かと。

Måneskinは、今までのように、GUCCIのスーツを身にまとい、(MåneskinGUCCIの関係はPUNK BANDで言う、Sex PistolsVivienne Westwoodのように今回のMVでもMåneskinの世界を作る重要なファクターとなっていますね。)「ちょっと不気味?で愉快な仲間たち」と、今ある様々な「GOSSIP」を歌とともに表現しています。

そこに今回謎のTom Morello超怪演で一段と楽しいお祭りになって、「裸族」で終了!という、Måneskinらしくていいじゃないですか!(裸族・いいのかな?)


アルバム『RUSH!』1月20日発売中です! 購入先&再生先


日本初回限定盤:2022年の初来日時の模様を収めたスペシャルフォトブック、初来日公演(8月18日:豊洲PIT)のライブ盤CDを付属の購入先

日本盤ー! 思い出のあの公演に涙するというとこでしょうか。


アナログレコードやカセットも発売されています。(各店舗で確認してください。)


最後に以下の記事が、最速レビューというか、先に出ていましたが、全曲レビューです。なんとか全曲なんとなく書けたのですが、こちら参考にしています。



最後にメンバーシップも始めています。


次回の予告ですが、今年の抱負「Black Metal元年」ということで今年にやってくるBlack Metalのバンドのことも書こうと思いつつ、、、、、

というか、来るのです!

Meyhemが来るのに、もう時間ないよおー!!という状況ですが、来日前に下手な事を書いたら、ちょっとどうなの?となってはマズイと思う次第です。以下、インフォです。

2023年1月31日(火)渋谷クラブクアトロ
OPEN 18:00 START 19:00
スタンディング 前売り:¥8,500
Guest:Begräbnis

2023年2月1日(水)梅田クラブクアトロ
OPEN 18:00 START 19:00
スタンディング 前売り:¥8,500
Guest:VMO



次回は、80年代や、90年代や、または別なバンドのニュースとか、もしくは、追悼の高橋幸宏さんか、David Crosbyかな〜。うーん。

どれかが濃厚という予告でした。


ご清聴ありがとうございました!

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