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年越しはゆかりある神社で。あと、新一くん。

明けましておめでとうございます、ぷるるです。

新年も7日をすぎましたが、皆様はどんな年越しをされましたか?
私は昔から、地元の氏神様で迎えるのが一番好きです。

来るのは近隣の人ばかりの、ごく普通の神社。
でも日々の生活に欠かせない、なじみ親しんだ神社で。

夜中の神社にわくわくしながら0時前後にお参りを済ませ、甘酒やらお汁粉なんぞを頂きつつ、お焚き上げの火をぼんやり眺めるのは最高です。

参拝の列ではにぎやかしいのに、炎の前だと誰もが無口になるのは本当に不思議。
そして火の粉で体が熱くなってきたら、帰宅のタイミングです。

帰路途中の激混みそば屋で、一杯すすれたら言うことないですね。
まあ私は蕎麦アレルギーなので、年越しうどんなんですけど。


ところが今年は、親を連れて温泉へ行くことになりました。
もちろん楽しみですが、関わり薄い地で年を越すのはちょっと残念。

旧年の感謝と新年の挨拶は、ゆかりのある神社でしたいなあ・・・。

すると夫が、「じゃあ妻木の神社による?」と言いました。
温泉へ行く途中に近くを通るから、というわけです。

正確には義母の在所の神社ですが、夫は幼い頃に毎年楽しい夏を過ごしたため、心の故郷となっているのです。

私も何度か訪れましたが、神社には行ったことがありませんでした。
縁もあるし、ぜひ寄りたい!

そんなわけで、私は岐阜県土岐市妻木町にある「妻木八幡神社」に行きました。


妻木は岐阜の山奥にある小さな町で、陶器で栄えた土地柄です。
本当は大晦日の夜中が良いのですが、道中のため昼にごあいさつ。

土岐市の山中風景。いい感じに鄙びていました。


私撮影の妻木八幡神社。

うーん・・・どうしてブルーシートで覆われた薪を、画面に写し込んだのか?
我ながら意図がよくわかりません。

そんなわけで、いつも通り公式HPのお写真に力を借りたいと思います。

やはりプロの撮った写真は、いい。

妻木八幡神社は鎌倉時代から続く古い神社。静謐で澄んだ空気が満ちる、趣深いところでした。

参道がとても広いのは、毎年10月に流鏑馬を行うためです。

馬に乗り矢を射る!かっこいいですよね。


この坂道はとてもなだらかで、70代の親たちも元気に歩いていました。
ところが・・・

本殿前に大きな困難が!!

本当にきつい傾斜で、ちょっと怖かったです。
裏手にゆるい山道もありましたが、私はこちらを登りました。

登るとすぐに本殿が。

この本殿は、徳川綱吉の時代に再建されたものです。結構歴史がありますよね。

300年もの間、妻木の人たちを、そして幼い夫を見つめてきたお社。そう考えると、胸に迫るものがあります。

年の瀬にごあいさつ出来て良かった・・・私は心からそう思ったのでした。


さて、参拝も終わり出発しようとした時、夫がとある立て看板を見つけました。

「流鏑馬の神馬に会える!」と書いてあります!

その名も「新一くん」

脳裏にネットで見た、流鏑馬での勇姿が浮かびました。

これね。

私たちは早速、看板の指示通り進みました。すると社務所の裏手から馬のいななきが聞こえます。全員の目が輝き、小走りになりました。

そして私たちが目にしたのは・・・

新一くんです。

新一くんは、一心不乱に藁を食べていました。
あれ?なんか写真と違うな。小さいしもっさりしている。

その姿、正直農耕馬っぽい。それも文明開花前のやつ。

ごく自然に、新一くんが農作業をしている姿が浮かんできます。
「おまえはよーう働く、ほんにええ馬じゃなあ・・・」
田吾作どん(飼い主の名)に背中を撫でられ、いななく新一くん。

いやあ、流鏑馬よりこっちでしょ。武将乗せるには可愛すぎるよ、その瞳。

違和感を覚え調べてみたところ、Wikipediaに詳しい説明がありました。

(前略)
1972年(昭和47年)からはサラブレッドの元競走馬が用いられたが、慣れない環境で暴れる場合があり、蹄鉄が飛んで観客がけがをする事故もあった[2]。そのため2018年(平成30年)からは本来の姿に近づけるため、神社が会場近くの厩舎で在来種を飼育して用いることになった[2]。
(後略)

Wikipedia「八幡神社 (土岐市妻木町)」より引用

新一くんは「木曽馬」だったのです!真の日本在来種。
そして妻木の流鏑馬は、小学4年〜6年の子どもたちが行うとのこと。

良かった!大人が乗ったら新一くん、つぶれてしまう。

私は心からほっとして早速皆にこの事実を報告しました。でも誰も興味がないようでした。家族とはいえ、好みは人それぞれなので仕方ないですよね。

実際の年越しは、旅館で「ゆく年くる年」をみながらのんびり過ごしました。

温泉旅行自体はしごく穏やかで、笑えるエピソードは特にありません。
よって、端折らせていただきます。

この記事で一番伝えたかったのは、新一くんのことですから。

こんな私ですが、本年もよろしくお願いいたします。
そして岐阜の妻木町にお立寄りの際は、新一くんにぜひ会ってみてください。



今年は年明けから、胸の痛いことが続いています。
被災された方々のご無事を心よりお祈り申し上げます。




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