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eスポーツと地方 #3 - 急に訪れた"コロナ環境"

こんにちは。
急に世界が変わりましたね。そう、新型コロナウイルス(COVID-19)の急速な拡大の影響によって。

さて、eスポーツと地方#3 今回のテーマは「急に訪れた"コロナ環境"」です。

前回の記事(eスポーツと地方 #2 - 地域と向き合う)からかなり期間が空いてしまい、当初の予定では後編として掘り下げた内容を考えておりましたが、この数か月間で状況は大きく変わりました。ですので、仕切り直しのカタチとなってしまいますが、現状の整理から行いたいと思います。


圧倒的に強いコロナ

私自身、地方(富山県)を拠点にこれまで約4年間活動を進めて来ましたが、いずれの活動も実際にどこかにヒトが集まって実施する「オフラインイベント」を中心とした取り組みでした。

オンラインでの取り組みは、これまで殆ど行って来ておらず、せいぜい行って来ていたこととするならばTwitterでの集客などを目的とした情報発信や、ToyamaGamersDayなどの特定のイベントのみでのインターネット配信程度です。

そもそも、「地方活性化にeスポーツが活用できるのでは?」と言われ始めたり、実際にメディアなどでもそういった話題が取り上げられている核にもなっている部分は、

・ヒトが集まる(特に高齢化が進む地方で若い人が中心に)

この部分であると思います。
(その他にも、地域産業の新たな発展など様々な要素もありますが。)

地方に不足している"ヒトが集まる"という仕掛けや仕組み、場所に対しての期待も大きかったeスポーツですが、まずこの核にもなっていた部分が事実上破綻してしまった現状にあると感じています。

実際に、私たちも富山県高岡市の中心市街地の活性化も考えて、昨年撤退した百貨店(高岡大和)の跡地でもある御旅屋セリオ内に県内初の常設のゲーミングパソコンなどを設置したeスポーツ施設「Takaoka ePark」の整備を進めてきました。

4月末にオープニングイベントを計画して、その後はこの施設にて定期的な大会など、いくつも計画しておりました。まさに「ヒトが集まる」場になることも目的として考えていた施設ですが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防のため、当面の間は施設を閉鎖しております。

計画していた様々な取り組みが出来なくなってしまった現状ですが、"eスポーツ × 地方"の本質は「地域の課題をeスポーツ解決すること」でもあります。その一つが「ヒトが集まる」というだけであります。

状況は大きく数ヵ月間で変わりましたが、「地域に対して、いま自分たちに出来ること」という視点はこれまでと同じであると思ってます。

そうは言えども、先ほども言いましたがオフラインイベントを中心にオンラインイベントを実施してこなかった自分たちにとって、アイディアの引き出しや技術も少ないのも現状であります。しかし、早かれ遅かれ向き合うべき課題であったことは確かです。

現状も日々大きく変化していますが、そんな中で今何をしているのか現状を共有します。


木の盾を装備して、オンラインに適応する

「ゲームはいまどき殆どオンラインだろ!」と、ゲームを楽しむことはそれでも良いですが、地域課題ともなるとやはりオフの側面も重要になってくる訳で、オンライン化を進めることでコロナが明けたあとの展開も大きく異なります。どうせなら、明けたあともバリューのある取り組みをしたいものです。

とは言えども...!

オンラインでの取り組みに対しての引き出しが圧倒的に少ないので、経験値を稼ぐ必要があります。(自分は基本的には、主体的に実施してみて感じてみてから「そういうことか!」「どうしよう」と考えるので。)
駆け出し冒険者の気持ちで、まずは手始めに実施してみたことがあります。

【① バーチャルネオ作戦】

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4月29日に先ほど紹介した「Takaoka ePark」のオープニングイベントを予定しておりましたが、それが実施出来なくなったためインターネット配信での完成報告会を行うこととなりました。
バーチャルネオ作戦とは配信をするだけではなく、バーチャル空間にTakaoka eParkを模した空間 ”ネオ Takaoka ePark” を構築して、そこで発表会を行うというもの。(社内での作戦名:オペレーション ネオ)

ただの配信ですらも、自分たちにとっては初体験に近いレベルでしたが...。ちなみに、完全に「VR RAGE」で観戦して "すげえ!" と感じて、得た興味から計画した取り組みです。

実際に自分たちも、「バーチャルSNS cluster」で実施したのですが、全くの無知な自分たちをサポートしてくれたのは、以前より「eスポーツ科学」をテーマに共同で研究している富山県立大学の研究室でした。

学生にリモート環境下で、開発に協力してもらい「Takaoka ePark」を模したワールドを構築することが出来ました。

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実際に、アバターを着てクラスター上で発表をする際には、HTC Vive を装着したり。(ヘッドマウントディスプレイを付けての発表はどことなく緊張感が増しました...!)

自分たちにとっては初めてのことばかりな試みとなりましたが、それとなく実施出来て、新しい可能性も肌で感じることが出来ました。この取り組みをベースに、eスポーツではない側面が強いですが新たな計画の話も自治体などと進めております。


【② StayHome推進イベント】

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富山県内の5つのプロスポーツチームの代表選手が在宅で"StayHome 推進イベント"として「eスポーツ富山スペシャルマッチ」を計画。ゲームをするだけではなく、それぞれのチームからおすすめのテイクアウト飯を出して頂いて、飲食店のPRなどの施策も取り入れてみてます。

参加チームは、
・富山グラウジーズ(バスケットボール)
・富山GRNサンダーバーズ(野球)
・カターレ富山(サッカー)
・アランマーレ(ハンドボール)
・小矢部RED OX(ホッケー)

実行委員会は、富山県、富山県eスポーツ連合、チューリップテレビ、各スポーツチーム。ゲームタイトルは、ぷよぷよeスポーツにて。

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計画から実施まで1ヵ月未満でしたが、各球団はじめ、様々な方達の協力もあり良いスピード感で実施まで取り付けました。

初日は開幕配信トラブルもありましたが...。
3日後のBブロック予選時には、トラブルなく現場もゆとりを持ってこなすことが出来ました。成長の機会にも感謝です。

こちらにつきましては、別途記事にして詳細を終了後にまとめたいと考えていますが、選手とゲスト(監督など)全員で10名が遠隔地からの参加となっており、それぞれのプレイ環境も考慮してゲーミングノートパソコンを各自にお渡ししたり、ぷよぷよeスポーツは観戦モードが無いため、ゲーム画面情報を取得したりと、なかなかに初めてづくしで経験値が得られる取り組みとなってます。

現在進行形の取り組みですので、是非とも5月9日14:00からの決勝戦は見て下さい!


地域にコミットする

今まで実施してこなかった部分が突然として必須となった現環境。そんなコロナ環境下で「いま、eスポーツで地域に何が出来るのか?」これまでとは異なる視点で、日々そんなことを考えるばかりです。

(本音は「はやくコロナ明けてくれ!」。せっかく、日本全国各地でeスポーツな取り組みが表面化されてきて、まさに「これから!」なタイミングであると感じていただけに、残念でしかないですが。)

まだまだ、自分たちもこの現状で地域に対して何が出来るのか、試行錯誤している状況ではありますが、少しでも得られた新たな価値観や成果をnoteなどで共有していきたいと思っています。これまでの熱い流れをコロナに潰されないためにも。

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