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0048 聖ジャン=リュック・ゴダール監督『アワーミュージック』聖地巡礼

2004年5月1日(土)にボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボと5月2日(日)にボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルで聖ジャン=リュック・ゴダール監督『アワーミュージック』(Notre Musique)の聖地巡礼をしてきました。

聖ジャン=リュック・ゴダールは『アルファヴィル』のベルリン国際映画祭金熊賞と『カルメンという名の女』のヴェネツィア国際映画祭金獅子賞で列聖。

作品は、60年代後半からベトナム戦争、70年代に文化大革命に拘った聖ゴダールが、活動拠点のスイスやフランスからさほど離れていない旧ユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナで紛争が勃発した際、衝撃を受け、『JLG 自画像』で初言及し、『フォーエヴァー・モーツァルト』で戦火のサラエボで戯曲を上演しに行く3人組を描き(本篇では戦車も出てきてちゃんと戦闘シーンはあるものの現地ロケでは無くスイスロケ)、紛争終結後ようやくボスニア・ヘルツェゴビナ本国に辿り着いた念願の作品。

まずはサラエボのメインのバシュチャルシヤ Baščaršija 。
Baščaršija - Wikipedia
オスマン帝国支配の影響が強く残るヨーロッパ・イスラムの中心地です。

続いて紛争中にスルプスカ共和国軍(セルビア民兵勢力)に破壊された国立ボスニア・ヘルツェゴビナ大学図書館。
Nacionalna i univerzitetska biblioteka Bosne i Hercegovine - Wikipedia
2014年に修復再開しました。
映画本篇では壁しか残っていない館内で焼け落ちなかった本を司書が貸し出すというシーンがあるのですが、聖ゴダールが言わんとしているイミを鑑賞当時のシャンテシネ1で理解できたのは私しかいなかったでしょうね…他の人はなんじゃこりゃ?だった筈。

そして、モスタルのスタリ・モスト Stari most 。
Stari most - Wikipedia
こちらは紛争中にネレトヴァ川に架かる由緒ある石造りの橋をクロアチア防衛評議会(クロアチア民兵勢力)の砲撃によって完全破壊されました。

映画本篇画像よりも私の巡礼画像の方が橋の修復具合がちょっと進んでいるのは下記の時間軸の経緯によります。
1557年スタリ・モスト建設開始
1567年スタリ・モスト完成(1566年?)
1993年11月9日(火)スタリ・モストがクロアチア防衛評議会によって破壊。
ボスニア紛争終結後ゴダール現地ロケ←撮影時期データを探してみましたが見つけられませんでした
2004年5月2日(日)『アワーミュージック』聖地巡礼
2004年5月19日(水)『アワーミュージック』フランスにて世界初公開
2004年7月23日(金)スタリ・モスト再建・再開通
2005年10月15日(土)『アワーミュージック』日本公開
2005年10月21日(金)『アワーミュージック』本篇鑑賞@シャンテシネ1
2005年11月26日(土)ブルース・リー像除幕@モスタル
2005年11月27日(日)ブルース・リー像破壊ヌンチャクの一部行方不明@モスタル
なかなかバルカンな感じですね!

©2004 プッチー・ミンミン
©2004 Avventura Films - Peripheria - France 3 Cinéma - Véga Films

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