住友優子「イギリスひとり旅⑧」
「サンライズも素敵よー」ママさんに言われ早起きして部屋のカーテンを開けてみると外は、、、真っ暗闇。
やはり、怖くなって、日の出を待って、もう一度グラストンベリートーへ向かった。
5:30。空にうっすらと浮かぶ月は、まだ微睡む街を見下ろしている。
鳥の声も、信号の光も、通りの隅のゴミ箱も、耳に目に馴染みつつある、、、
一昨日、犬の糞だと思って避けていた黒いものの正体は、カタツムリだった。
そうだと解ると、踏んではいけないという緊張感に、よろめきながら、歩く。
時々、家のない子も。
それにしても、どうして、カタツムリの足跡は、ずるずる進んでいるように見えて、点々と、残るのだろう。
人で言うなら、おならを、ぷっぷ、ぷっぷと放ちながら、その勢いで進んでいるような感じなのだろうか、、。
静かな早朝は、丘には誰の姿もない。数メートル先には、グレーの野うさぎが見える。私の気配に気づくとぴょんぴょんと遠ざかる。
朝の光に包まれるトー、名残惜しくて、何度も何度も振り返った。
すでに懐かしい味になりつつある、ママさんの朝ごはんをたくさん食べて、いよいよ、ロンドン!
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