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ウッドベースを弾きながら歌う女性ミュージシャン

石川紅奈『Kurena』やマガリ・ダッチラ『Des de la cuina』など、ウッドベースを弾きながら歌う女性ベーシストの新作が話題を集めている。昔からベースを弾きながら歌うミュージシャンはいましたが、エスペランサ・スポルディングのデビュー(2006年)がトリガーになって、多くのベース弾き語りミュージシャンに注目が集まるようになったのだと思う。

ここでは、ウッドベースを弾きながら歌う女性ミュージシャンの曲を10曲ほど厳選してご紹介します。全て2000年代以降のエスペランサ・スポルディング以降のミュージシャンで、ジャズ系の曲が中心になります。

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01 Esperanza Spalding - Overjoyed
まずはやはりエスペランサ・スポルディングです。スティーヴィー・ワンダーの名曲「Overjoyed」をほのかなブラジリアンアレンジでカヴァー。2009年のホワイトハウスでのライヴ映像で、最前列にオバマ前大統領がいる。ベースを弾きながら歌う凛とした姿がとても素敵です。

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02 Esperanza Spalding y Gretchen Parlato - Inutil Paisagem
エスペランサ・スポルディングの曲をもう一曲。米国の女性ジャズシンガー、グレッチェン・パーラトとの共演で、アントニオ・カルロス・ジョビン「Inutil Paisagem」をカヴァーしている。二人の親密な雰囲気がよいですね。

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03 Nicki Parrott - I'm Hip
オーストラリアの女性ジャズシンガー/ベーシスト、ニッキ・パロット。たくさんの録音を残していますが、これはブロッサム・ディアリーの曲ばかりカヴァーしたアルバム『Dear Blossom』(2017年)。「I'm Hip」はボブ・ドローの作曲した曲です。

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04 Brandi Disterheft - Surfboard
カナダの女性歌手/ベーシスト、ブランディ・ディスターヘフト。ブラジル音楽に造詣が深くて、ジャズとブラジル音楽を横断するようなサウンドが特徴です。アルバム『Surfboard』(2020年)のタイトル曲で、これもアントニオ・カルロス・ジョビンの曲ですね。ちなみにこの曲では歌ってないです。

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05 石川紅奈 - Off The Wall
日本代表は石川紅奈さん。先日素晴らしいデビューミニアルバム『Kurena』をリリースしたばかりです。そのアルバムにも収められていますが、マイケル・ジャクソン「Off The Wall」のカヴァーが良いです。この映像は2021年のライヴ映像で、コメントを見てみると海外でも人気なのがよく分かる。

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06 Linda Oh - Circles
女性SSW/ベーシスト、リンダ・オー(Linda May Han Oh)は、中国系の両親のもとでマレーシアに生まれ、現在は米国NYを拠点に活動している。今春リリースされる新作『The Glass Hours』に収めれれる予定の「Circles」です。アグレッシヴで躍動感あふれる演奏に引き込まれる。

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07 Adi Meyerson - Prelude
アディ・マイヤーソンはイスラエル出身のベーシスト。二作目のアルバム『I Want To Sing My Heart Out in Praise of Life』(2021年)より、前奏曲(Prelude)にふさわしい幻想的でドリーミーなナンバー。映像も美しいですね。

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08 Mimi Jones and Camille Thurman - Take the "A" Train
米国NYで活動する女性ジャズベーシスト、ミミ・ジョーンズとサックス奏者Camille Thurmanの共演です。スタンダードナンバー「A列車で行こう」をベースとサックスで演奏している。ミミ・ジョーンズは『A New Day』 (2009年)、『Balance』(2014年)とリリースを続けています。

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09 Daria Shorr - Jazz waltz
ロシアのモスクワで活動する女性ジャズべーシスト、ダリア・ショア。ベースとアコーディオンの共演で、ジャズというよりはシャンソン~ミュゼットという感じで、フランスのエスプリの香りが立ち込める演奏です。でも他の曲を聴いてみると、ジャズからファンキーまで多彩な演奏を確認できる。

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10 Magali Datzira - Des de la cuina
最後はこちら。スペインの女性SSW/ベーシストのマガリ・ダッチラです。先日リリースされたファーストソロアルバム『Des de la cuina』より、アルバムのタイトルトラックが素敵です。ベース、ギター、ヴォーカルとほとんど全ての楽器を彼女自身が手掛けている。

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マガリ・ダッチラについては、先日(3/25)に『デス・デ・ラ・クイナ』の日本盤CDがリリースされて、わたくし解説を書いております。下の特集記事もぜひご覧ください。

おしまい

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