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新型コロナの日本製造業へのインパクト3 ‐‐新型コロナの最悪シナリオって?

日々、状況は悪化しています。

報道もコロナ関連ニュースばかり、

仕事もコロナなしでは考えられない状況の人が大多数なのではないでしょうか。

特に都内では、感染者数が一気に増えた印象があり、「都市封鎖目前」のフェーズ、という状況ということです。

一方で、各種報道は目先の話が多いように感じます。

実際、感染者数は今後どのように推移していく可能性があり、どういうシナリオを狙うべきなのでしょうか?

最悪ケースをベースに想定していきたいと思います。

■現在のフェーズ

日本は世界一の単位人口あたりの病床数を誇っているが、現在の感染者数で都内でのやりくりはすでにギリギリのようです。

もともとの病床の稼働率もそれなりに高い、というのもありますが

感染症指定医療機関のキャパがそれほどない、ということだと思います。

■次のフェーズ

キャパが足りなくなれば、近隣の感染症指定医療機関に行くか

非感染症指定医療機関で対応することになるかと思います。

もしくは、オリンピックの選手村を使う案も出ています。

さらに、それでも対応できなくなれば、国際展示場や幕張メッセなどで対応することになるのでしょう。

そして遺体はスケートリンクで管理されるのかもしれません。

人材確保も厳しくなるので、自衛隊等の出動で対応することになるのでしょう。

最終手段といわれるECMOの台数はわずか1,400台とのこと、そしてそれを取り扱える医者はもっと少ないようです。(さらに技術が必要なのだそうで、慣れている医者が使っても後遺症は免れないとのこと。)

要するに、治療環境は今を境にどんどん悪化していくことになります。

■海外との状況の比較

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本日発表の外務省のデータによると、日本の感染者数は1,866人となっていて、世界で29番目。

米国、イタリア、スペイン、など欧米の感染者数が一気に拡大しているのが分かります。

アメリカはここのところ、毎日2万人ほど感染者が報告されており、「オーバーシュート」の様相です。


下の図は、同じく本日外務省より発表された人口あたりの感染者数です。

Mar30外務省

これでみると、日本は1万人あたり0.15人に過ぎません。

米国が30倍程度でしょうか。

イタリアやスペインは100倍以上となります。

そして、実はアイスランドやルクセンブルクになると、日本の200倍となっています。

日本の感染者数が約2,000人とすると、40万人規模です。

ちなみに、イタリアの病床数は1,000人あたり3.2床、スペインは3.0床、アメリカ2.8床です。

■感染者数(最悪ケース)

感染力は、「季節性インフルエンザと同程度から少し強いくらい」とされています。

季節性インフルエンザを考えると、ひどくて10人に1人程度が感染します。

そして、横浜クルーズ船では、5人に1人程度が感染しました。

なので、横浜クルーズ船の(5人に1人感染)と仮定して、(暑さにも強いため)年中収束せず、免疫が半年で切れるとすれば、最大で2,500万人×2回、感染することになります。

なので、

最悪シナリオだと、年間5,000万人が感染して、1,000万人が入院が必要、という事態になります。

致死率が1%としても50万人

イタリアやスペインのような事態になると致死率10%となり、500万人が亡くなることになります。(実際には院内感染によってもともと重病だった方が亡くなるケースが多い、という側面もあるようですが)

もちろん、ワクチンや特効薬の開発等で変わるかもしれませんし、

ウイルスの突然変異で逆に悪化するかもしれません。

すでに、新型コロナも2種類存在する、という報告が出ています。

そして、スペイン風邪は第二流行期に致死率が上がったようです。

■中国と韓国をどうみるか?

中国と韓国をみると、一旦収まっているように見えます。

ただし、特に中国では、実際にはWHOの報告よりも感染者数が多いことが取り沙汰されていますし、今も感染者は出続けているようです。

実態が掴めない以上、評価はできませんが、少なくともイタリアやスペインのように死屍累々、というわけではなさそうですし、一定程度には落ち着いたようにみえます。

少なくとも、現在両国ともかなり対策を取っているので、それが奏功しているのでしょう。

■これから目指すこととは?

以上を踏まえると、今から目指すことは、

①共存する覚悟が必要

(中国・韓国の見方次第だが)根絶は厳しそうです。仮に自国内で根絶しても、海外からの流入リスクが常にあり、気を抜けない日々が続く可能性があります。

②自宅療養を高度化する仕組みが必要

最大、年間1,000万人、半年で500万人程度の入院すべき患者が生まれる可能性があります。

これは、病院や医者では到底対応できるものではありません。

極論すると、素人にも取り扱える人口呼吸器が必要になるときが来るかもしれない、ということです。

③隔離・消毒社会へのシフト

「撲滅が無理」とすれば、最小限の行動で最大限の効果が出る対策を打ちながら、経済を動かすことになります。

冬のインフルエンザのピーク、職場や至る所でインフルエンザが蔓延している状況をイメージすると良いかもしれません。

今から、本当にテレワーク主体の生活がこのままずっと続くのかもしれません。

飲みにも行けないし、ジムにも行けない。外食も基本厳しい。(間隔を極端に空けるなどの対策が必要かもしれません。)

たまに会議に出て、全員マスク。

買い物はインターネット中心。

ホテルや公共施設は、プールや病院のような次亜塩素酸の匂い。

④期待されること

まずはワクチンの開発が待たれます。

そして、治療薬の開発も待たれます。

ただし、薬については、「一気に病状が悪化する」との報道があり、悪化してからの投与で間に合うような即効性の薬は難しいのでは、という心配があります。

集団抗体ができれば良い、とされています。ただし、かなりの比率の人数がかかる必要があり、その時には人口に影響するレベルでの死者が出る可能性があります。

弱毒化に期待されます。ウイルスは、自身が生き残るために、基本的には弱毒化するもののようです。

■まとめ

以上、新型コロナウイルスの最悪シナリオを考えてみました。

いかがでしょうか?

想像以上に厳しい世界が待っているかもしれません。。

「最悪ケース」として想定しましたが、季節性インフルエンザが1,000万人強感染しているので、インフル対策程度であれば、「最悪ケース」をたどる可能性が十分あります。

今、我々が一番期待したいのは、(「撲滅」が難しいとすれば)「コロナウイルスの弱毒化」ではないでしょうか?

そのために、感染爆発させず、少しずつコロナの世代を伸ばし、弱毒化に期待する。

日本はそういう戦略をとっているのでしょう。

なるべく経済を止めないようにしながら感染爆発をさせないために、我々も「まわりの人はみな悪質なインフルエンザ」と思って行動することになるのかもしれません。

1年か2年か、コロナが世代を重ねて弱毒化するのを待ちながら、、、

なので、1‐2年間は産業構造も一気に代わる可能性があります。

・観光、交通、外食産業、フィットネスジム、夜の店等は、どれほど公費をつぎ込んでも救いきれないかもしれません。(2‐3年後に反動がくる時には、相当数減っていることが予測されます。)

・百貨店等も厳しいと思います。

・鎖国も年単位で続く可能性が十分にあります。

・オリンピックは来年7月でも開催が危ういかもしれません。

・良い産業は、通信インフラ関連は堅調に進む可能性があります。あとはテレワーク向けシステム・セキュリティシステム、ノートPC等。あとは、Amazon等通販系、ネット配信、ゲーム、etc.

・ロジスティックが混乱していることもあり、輸入品が減って、国内回帰が進む産業があるかもしれません。 少なくとも空輸のキャパは劇的に減ります。


本来はコロナと産業のグランドデザインを政府が開示して、国民に対応を進めるべきところですが、

ここまで刺激が強いと、仮に持っていたとしてもなかなか開示ができないと思います。

それぞれ情報を精査して、自分なりの予測を立てて、それを逐次修正しながら進めるしかないのではないでしょうか。

P.S.

先ほど、都では最大毎日700人の重症例を見据えて、4,000床を目指す、と発表しましたね。

当面は、感染者数がキャパを超えないようにコントロールする、ということでしょう。

重傷者を2割とすると、感染者数が3,500人/日まで対応できるよう準備する、ということになりますが

ニューヨークをみると、1-2週間で簡単に超えかねない数字です。

日本医師会は緊急事態宣言を出すよう提言しましたね。

とにかく、予断を許さない状況は続きそうです。

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