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0729「実家」

昨日は、ずっと運営している日めくり占いサービスであるSolarita(https://solarita.me/)のチームでめしを食った。Twitterアカウントを連携させて誕生日を入れておくと、自分にカスタマイズされた占いが生成される。スタート以来、ユーザー数はずっと伸び続けている。すごい。今日はこんな感じで、分かり合えるパートナーの出現に気づかないらしい。結構大事なミーティングに行かなくてはいけないので、望み通りの結果はやってこないかもしれないというのはまあまあ困る。

なんとなく、BASSDRUMとして発信している実績が格好良さげで派手なものばかりになっているが、Solaritaのようなスクリーンベースのものも含め、結構泥臭くて変わった仕事もやっているので、しっかり発信しなければ、というような話をした。

今日は妻と長男が用があって出かけている関係で、実家で下の子2人を見ながら自宅作業をしなくてはならなくて、実家で仕事をしている。実家は、1992年くらいに、母の実家跡に建て直されたヘーベルハウスだ。それまでの私はその近所のアパート・マンション暮らしだったので、高校1年のときに突然一軒家ができて、非常に嬉しかった。それまでは家にエアコンというものがなく、夏はくそ暑かったが、新しい家にはエアコンがある。

家が建つやいなや、引越し前から勝手に1人で移住して、CDラジカセとかを持ち込んで1人暮らしを始めてしまったほど、快適な新居だった。最近のことのように思えるが、あれはもう27年前のことだ。今は、父の書斎的な場所でこれを打っている。

私の実家は、私も父母も全員喫煙者だったので、壁紙が全部茶色い。あの新しかった新居も、いつの間にか茶色くてシミのある、匂いを感じさせる家になってしまった。ある時期から、父はインターネット用のサーバを自作することにハマり始め、そこかしこにサーバが置いてある。というか、久しぶりに来たらまたサーバが増えている。父のデスクのマウスをクリックすると、ディスプレイに「debian 9」という表示が現れる。うちの実家では、macもwindowsもなく、debianだ。もう1つのPCを立ち上げてみると、ディスプレイに「debian 9」という表示が現れた。うちの実家には少なくともdebian機が2台ある。

debianというのはこれだ。Linux系のOSだ。機械学習とかで使われがちなUbuntuなんかは、debianの派生なのだという。なんでうちの父はdebian好きになってしまったのかよくわからないが、この書斎的なスペースには恐らくdebianが4台くらいあって、冷却ファンの音がすごい。

この家にやってきた頃は、この真新しいヘーベルハウスが将来「実家」になるだなんて、ちょっと信じられなかった。実家というのは、いろんな過去の痕跡が染み付いていて、いろんな匂いがして、いろんな営みが刻まれたものであるはずだから、真新しいヘーベルハウスは、実家になどなりえない。田舎の実家に帰ると、子供の頃のせいくらべの跡が柱に刻まれている、とかそういうのだ。

ところが、27年経って、真新しいヘーベルハウスは完全に「実家」になった。私の実家にはdebianが4台くらいある。窓から差し込む西日に至るまで、すべてが実家だなと思う。 心配しなくても、恐らく、実家は実家になってしまうのだ。


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