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1230「貴闘力こそが日本の希望」

今日は旅行の最終日で、再びディズニーワールドで4つのテーマパークのうち、アニマルキングダムだ。なぜ、4つのうちエプコットだけ行かないのかというと、テーマパークのテーマが枯れてしまっていて辛いからだ。エプコットというのは、1980年代とかに、未来都市的なテーマでつくられた場所なので、わりととっくに現実がテーマを凌駕してしまっていて、未来都市というよりは、いなたいパラレルワールドになってしまっているので、コンテンツ的に水族館的なものを突っ込んだりいろいろ努力しつつもなかなか辛いものがある。
それに対して今日来ているアニマルキングダムは、自然とか動物とかをテーマにしていて、その中にアバターとか恐竜とかの緑豊かっぽいモチーフを入れている。自然というのは別に何年経っても自然なので、枯れにくいし、実際全く枯れていない。

昨日のユニバーサルスタジオは、各アトラクションはデジタルエンターテイメント的にかなり洗練されているが、テーマパーク全体としてのテーマは希薄なので、わりと待ち時間が疲れるし、何にも乗れないと腹が立つ構造になっている。
対して、アニマルキングダムのようにテーマパークとしてのテーマが太くて枯れない感じになっていると、待っている時間や、何にも乗れない時間もわりと環境を楽しめるので、ストレスレベルが上がらない。
実際、とても楽しみにしていた、新しいアトラクションであるアバターのFlight of Passageは、210分待ちでドゥーンとなったが、炎天下心を決めて並んでも、そこまでストレスなく時間が過ぎた(アトラクションもいろんな組み合わせ技術だが、コンテンツの展開が素晴らしかった)。

新設のアバターのエリアには、宙に浮いているような奇岩がどでーんと置かれていて、奇岩・奇石を全国から集めて民を苦しめた宋の徽宗皇帝が鼻血を出して喜びそうな景観になっている。

とはいえ、夢の世界だからといって、テーマパークの敷地内から一切外界を感じさせないように徹底的に外の世界のものを見えないようにしたり、ゴミ掃除のキャストも徹底して見られていることを意識して、絶対に客に嫌な思いをさせることが無いようにする、などというホスピタリティはアメリカのディズニーワールドにはない。あれは、日本特有のものだ。

案内の人は、「早く進め早く進めや」的に、基本的に客を早くさばくことしか考えていないし、相当不親切だ。子供の背の高さが足りない、とかそういう条件を行列の入口で確認せずに、並び終わってから言い出して乗るのを拒否して子供が泣く、とか平気で起こるし、掃除の人は「どいてどいてー」的に客がいるところに掃除しにきたりする。
挙げ句の果てに、敷地内のそこかしこから、建設用の黄色い重機が見えたりする。そこには「KOMATSU」と書いてある。

つまり、日本でオリエンタルランドがやっている、というか日本人が実現しえているあの過剰なまでの徹底したホスピタリティは、良し悪しは別として(ともすれば人間として気持ち悪い説もある)、日本人の国民性由来のような気もする。そこから何を思うかというと、意外にオリンピックの後にやってくる日本のカジノ・IR施設は成功しうるのではないかということだ。

この記事で、現世の人物の中でもとても良いなあと思っている人の一人である、大王製紙の井川元会長(マカオとかシンガポールのカジノで会社の金を使い込んで106億円スッて捕まって服役した人)は、日本のカジノはハイローラー(たくさん賭ける人)向けのホスピタリティと取り立てのノウハウがないから成功しないだろうと言っているが、ディズニーランドの成功事例を考えると、意外と日本人は、徹底したホスピタリティを実現する力はあるように思えるので、カジノ運営できてしまうのではないか。

カジノは、国にもよるが、テーマパーク的な側面があって、例えば、ラスベガスのベラージオのホテルのでかい噴水とか、シルク・ド・ソレイユが常設されてたりするのはまあそういうことで、夢の世界を構築して、お客さんを乗せて乗せて、その最後にブラックジャックのテーブルがあってお金を落としてもらう仕組みだ。そういうのは日本人得意なのではないか。

井川さんの言う通り、中国人からの取り立ての問題はすごくわかる。が、結局日本の大阪とか横浜とかのカジノを運営するだろう運営母体はサンズとかMGMとかウィンとかのラスベガス系とか、メルコとかギャラクシーのマカオ系なので、そこのノウハウは持ち込むのだろう。逆に、普通に国産のカジノ運営会社が出てくる気は全くしないから、そこは大丈夫なのではないか。

何はともあれ、日本のカジノは、人件費だがなんだかの問題か、ディーラーを廃止して全部マシンカジノにしようみたいのがあるらしいが、そういうことを言っている人たちは何もわかっちゃいない。カジノっていうのは人と人、肉と肉とのぶつかり合いなのだ。そうでなくては、バカラみたいなただの丁半博打がそんなに面白いわけがない。人がカードに触っているから謎の緊張感を生んで流れが生まれるわけで、政府は100億円を溶かしてしまった中毒者である井川さんとか貴闘力とかをカジノ法案施行のアドバイザーにすべきだと私は本気で思う。

そのへんの機微もわからない政治家の人たちでは話にならない。「カジノの有識者」なんて、みんなダメな人に決まっているのだから、開き直ってそういう人に聞くべきだ。

カジノ・IR系の話は、高城剛さんのこの本がすごく勉強になった。

高城さんって、普通に生きていると得られない人とは少しだけズレた引き出しが多くて、すごいと思う。少しだけズレているというのが重要で、それはあんまりズレていないがゆえに人が共感できる未知の情報を引っ張ってくるのがうまい、ということなのだと思う。


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