見出し画像

0319「強くてニューゲーム」

本当に自分は面倒くさい性格だなと思うのだが、私は基本的に仕事というか働くのは嫌いなのであって、なるべく家でゴロゴロしながらWikipediaでも見ていたほうが好きなタイプだ。ところが子供も3人いるし、行きがかり上めちゃくちゃ物価が高い場所に住んでいるので、仕事しないと生きていけない。ゆえに仕事をする。せっかく仕事をするわけなのでなるべく楽しんで良い仕事をしたい、ということで、どちらかというと好きなことを生業にしていて、やっている仕事は「仕事」という枠の中ではとても楽しい。

しかし、基本的にやらなくてよいのならやらないわけで、どうせやらなくちゃいけないのならちゃんとやらなくちゃいけないので、必死こいてちゃんとやっているような部分がある。「好きなことを仕事にする」ということと「仕事が好き」ということはイコールではない。で、面倒くさいのは、嫌は嫌でも仕事をするとなったら中途半端にやると楽しくないので忙しくないと文句を言い始めたりするところで、要するに最近は良い感じに忙しくなってきたので、だんだん盛り上がってきた気もする。やるならやるでやりたいことは多いので、時間が足りない。

そんな中、この日記と、1月のCES後からやっている1日20分勉強、あとダイエットは依然として続いている。前も言及したが、比嘉了さんの「映像音響処理概論」を全部終わってしまったのでとても寂しい。これにより、TouchDesignerの基本的な使い方は覚えたのだと思うが、問題はクリエイティビティで、私は別に何か表現したい抽象的な何かがあるわけではないので、目的が無いと何もつくる気がしない受注型人間で、じゃあTouchDesignerで何かつくろうかといっても別につくりたいものがあんまりない。結局学んだことを実際に生かさないとうまくならないので困る。誰かニューヨークでVJとかをやらせてくれるような場所とか知らないだろうか。英語でも聞いてみようか。

で、「映像音響処理概論」が終わったので、他の終わってないやつの習得と並行して、今度はReactNativeのオンライン講座をやり始めた。iOSのネイティブもAndroidのネイティブも、仕事でやったことがあるしそこそこできるのだが、BASSDRUMはスタートアップ向けの開発支援をやることがあるので、その場合のReactNativeの登場率がやたら多いからだ。iOSとAndroidのどちらかではなくて、スピーディに両方リリースしたいというのがスタートアップ側の要請にはなるので、その場合にやはりReactNativeはちょうど良い選択肢になっている感じがする。

しかしそんなことより私が海の向こうから一番熱い視線を送っている人物がいる。この数日、全く目を離せない。それは誰かというと、照ノ富士春雄だ。元大関照ノ富士だ。最近引っ越してテレビジャパンがつながっていないので、日本のニュースでどれだけ話題になっているのか知らないが、元大関として初めて幕下以下に陥落し、相撲を取っている。幕下以下どころかその下の三段目のその下の序二段だ。序二段って言ったら一番下の序ノ口の1つ上の一番人数が多い階級だ。序ノ口の力士は、何枚目でも勝ち越したら即序二段に上がるので、もうかなり一番下に近い地位だ。

今日の時点で照ノ富士は5連勝。5戦全勝だ。幕下以下は1場所に7番しか相撲を取らないので、あと2番勝てば7戦全勝で、序二段優勝か優勝決定戦になる。まだ体調が全然悪いというのに、相撲勘を取り戻すために出場しているらしい。本調子ではないが、さすがに一時期は強い大関として君臨した照ノ富士なので、ここでは負けない。これは、実はすっごい良いことなのではないか。力士であったことはないが、中学2年のときに霧島と小錦と北勝海が三つ巴で優勝決定戦をやった場所(久島海が敢闘賞だった。あれも大阪場所だった。)から大相撲というものにやられてしまってそれ以来、どんなにつらいときも、どんなに忙しいときも、海外に移住しても、相撲だけはちゃんと追ってきた。高校に上がるとき、一瞬入門しようと思ったが、やめといた。

もう30年相撲を見ている人間として、「いくら体調が悪かろうが、本場所で勝って調子を上げていく力士」というのは散々見てきた。力士にとっては、何であれ勝つことが薬なのだ。

それにしても、今の照ノ富士は、もはや「強くてニューゲーム」状態だ。下記の映像は、昨日の照ノ富士の一番だが、タイトルに「ピンチ」と書いてあるが、これは完全に受けの練習をしているだけだ。幕内ではこんな相撲はありえない。何の危なげもないし、相手の大雄翔にとっては、昨日の照ノ富士は前に立ちはだかる絶望的な壁だったのではないか。

膝が動いていないという声もあるが、そんなことなくって、7日目の寺尾翔戦では調子悪いなりに前に出ているので、昨日のこれは間違いなくテストだろうし、余裕ができているということだろう。

横綱に上がってしまったがゆえにきちんと休み続けることを許されず、続くラスボス戦で消耗して引退となってしまった稀勢の里とは対象的に、「強くてニューゲーム」で勝ちながら調子を上げていくチャンスを得た照ノ富士は、これはもしかしてもしかするのではないかと思う。照ノ富士は27歳で、まだ全然余力があるところでこの状態になっていて、正直底が見えていない力士だ。

今の照ノ富士を見ていると、琴別府を思い出す。十両まで上がって関取になったが、病を得て序ノ口まで落ちてしまう。しかしその後序ノ口から勝ち越しを重ねて2年で十両に復帰、最終的に前頭筆頭までつとめた。当時相撲少年だった私にとって、「世の中にはこんなことがあるのか」という、初めての「不屈」との出会いだった。

琴別府さんは今は地元の大分でラーメン屋をやっているが、その前は千葉でラーメン屋をやっていた。私はどうしても会ってみたくて、大学のときラーメン屋に行った。琴別府はラーメン屋の親父だったが、緊張してしまって味がわからなかった。

もしかしたら私たちは相撲史上初めての究極の「強くてニューゲーム」からのドラマを目にすることになるかもしれない。どうせなら最初から見たほうが良いので、AbemaTVとかでリアルタイムで見ると良いと思う。

書くとどんどん細かい話になるので書くまいと思っていたが、ついに相撲のことを書いてしまった。たぶん明日から相撲のことしか書けなくなる気がする。

ちなみに、最近、長男に「出不精」という言葉の意味を教えていたときに、長男はそれを「デブSHOW」だと認識して相撲のことだと思っていた。順調に育っている。

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!