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4歳息子の処世術

じゃんけん。
息子はグー、チョキ、パーは出せるが、勝敗の判断がまだおぼつかない。

あいこはわかっている。
グーとチョキ、チョキとパーの勝ち負けも理解できた。
石とはさみ、はさみと紙。どちらが勝つか感覚的にわかりやすい。
パーとグーの勝ち負けがむずかしい。
紙で石を包むという状況がイメージしにくいようだ。
石の方が強そうだ。
平手と拳も、拳の方が強そうだ。
パーでグーを包めるでしょうと手でやってみせると、
「どっちもグーの手になっちゃうから、よくわからない」と。
なるほど。たしかにそうだ。
説明は手詰まりだ。そういうものだと思ってもらうしかない。
何度もじゃんけんするうちに、慣れてくるだろう。

そんな中、通っているスポーツ教室であるゲームをすることになった。
3つのチームにわかれて、自分のチーム以外の人とじゃんけんをする。
勝ったら、中央に置かれた箱に入っているボールを1つとって、自分のチームの箱へ持って行き、入れる。
次々にじゃんけんする相手を見つけて、繰り返す。
タイムアップしたら、チームの箱に入っている箱の数を競う。

じゃんけん…だいじょうぶかな。
その教室は、4歳~6歳のこどもが対象。
じゃんけんを完璧に理解できている子もいれば、息子のようにうまくできない子もいるだろう。
どうなるのだろうと思いつつ見ていると、意外にうまくいっている。
自分が勝ったことがわからずにいる子がいたら、わかっている相手がボールを取りに行くよう促す。
わかっていない同士では、なんとなくアイコンタクトしてどちらかが取りに行く(負けた子が取りに行く時もあったけど)。
じゃんけんを出すタイミングが合わず、相手が後出しで勝っても、すんなり結果を受け入れる。
特にトラブルにもならず、スムーズに進んでいる。
すごい!こどもたち。

息子はどうだろう。
すべてチョキを出している。
かしこいやり方だ。
自分がチョキを出せば、相手が何を出しても勝ち負けがわかる。
グー、チョキ、パーの中では、一番手の形を作りにくいと思われるチョキを出し続けているので、たぶんわかってやっている。
すごい!4歳の知恵。
運よく、じゃんけんの勝率は6割を超えていた。

ゲームが終わって休憩に戻ってきた息子に声をかける。
「じゃんけん できたね。いっぱいボール持って行けたね。」
得意そうにニコリと笑う息子。
自分の状況を理解して、無理せず最善の策を取る。
見習いたい。

ただ、チョキだけで渡っていけるほど、世の中はあまくない。
あなたとじゃんけんするとき、私はグーを出すよ。


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