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さまざまな思いがうずまく おやつの時間

ある日、家族そろって おやつの時間。
いただきものの 焼き菓子詰め合わせ。
かごに、いろいろなお菓子が並ぶ。
こどもがふたりとも、フィナンシェを食べたいと言い出す。
でも、フィナンシェはひとつだけ。

食べたいものが かぶったときの わが家のルール。
分けられるものは、はんぶんこする。
半分に分けた人とちがう人が先に選ぶ。

仕切りたい娘(10歳)、負けじと自分でやりたがる息子(4歳)。
はじめ、娘が「私がはんぶんこする」と言う。
すぐに、息子も「僕がはんぶんこしたい」と言い出す。
そこで、娘は、はっと気づいた様子で、
「いいよ。」とゆずる。

娘の頭の中を想像すると…
はんぶんこするのをゆずれば、私が先に選べる。
弟は、きっとうまく はんぶんこできない。
私は大きい方を選べる!

そんな娘の意図を感じ取った夫と私は、
大丈夫か?息子が大泣きする結果になるのでは、と顔を見合わせる。

そんな期待と心配をよそに、息子はうれしそうに、
「はんぶんこ、はんぶんこ」と言いながら、
フィナンシェを両手で持つ。
「うまくいってくれー。」と祈るような気持ちで見守る。

ふたつに割った結果、なんと、きれいに はんぶんこ。
完全にあてがはずれた娘。
「えー、どっちが大きい?」と迷う。
それくらい、見事な はんぶんこ。
思わず夫と大笑いしてしまう。

はんぶんこ なんだけど、ちょっと不満げな娘。
会心のはんぶんこ に、得意げな息子。
そんな ふたりの様子を見て、どちらもかわいいなぁと、
満ち足りた気分になった私。


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