【日記】果てしなき著作権保護

 昨日、4kのディスプレイを買って、映画をたんと楽しんだと書いた。
 しかしそれは、4kの映画そのものを再生できたわけではない。
 その時点では、まだUltraHD Blu-rayのディスクドライブがなかった。なので、ノートパソコンにディスプレイをつないだだけの状態で、netflixの映画を、高画質(HD、ブルーレイと同じ画質)に変更して、見て楽しんでいた。
 それはそれで画面も大きいし、今までの画面よりは解像度も高いので、相当満足していた。そして、酔っ払って久しくないことだが記憶をなくすまではしゃいで眠った。今日起きて、嫁に、記憶をなくしてからの行動を詳細に語られたので、これまた久しく覚えたことのない戦慄を覚えた。酒をそこまでたくさん飲んだわけではなく、また、多少飲みすぎたくらいでは、記憶をなくすことはない。いや、もしかしたら、一人で飲んでいたときには、どうでもいいことをしながら眠ってしまって、その時の記憶はなくしているけれども気付かなかっただけかもしれない。
 ともかくそんな風で起きて、今日そのUltraHD Blu-ray再生に対応しているディスクドライブと、UltraHD Blu-rayの映画が10本ほど、通販で届いたので、これで全て揃っただろう、さあ再生だ! と息巻いて帰ってきた。
 ところが、何か、いや、様々なものが足りないらしい。
 なにくそ、とりあえず、努力で何とか出来るものであるなら、絶対に解決してやる。そう、Googleという辞書を片手に、意志を固めて臨んだ。
 こういうことは、まず大まかには出来るだろうという見立てでやってみて、そこから生じたエラーを一つ一つ読み、障壁を一つ一つ取り除いていく。そうすれば、いずれは道が通じるはずだ。
 あるいは、今達せなくても、何か購入するとか揃えるとかして、いずれ達成できるはずである。
 しかし、久しくこういう類の努力はしてこなかったので、かなり苦労した。
 初めに必要だったのは、しかるべき再生ソフトだった。
 これに関しては、UltraHD Blu-rayを再生するには、現状ではほとんどただ一つ、CyberLinkという会社の、PowerDVDというソフトしか選択肢がないらしい。
 というわけで、それを購入した。
 しかし、再生できない。
 なぜ再生できないのか。UltraHD Blu-rayを再生できるかどうか、環境を調べるためのソフト、「チェックツール」というのをダウンロードして、起動した。
 ボタンを押すと、様々な機能のどこで引っかかったのか、わかるのである。
 果たしてボタンを押すと、まず最初にエラーが出たのは「SGX」という機能だった。
 これは、Intelのプロセッサに内蔵されているものらしい。中心的なプロセッサから独立して動いており、暗号化したデータを取り扱うためにそういう部分が必要で、おそらくそこを、高画質のデータが通り抜けるのだろう。
 これを有効化するにはどうしたらいいか。また調べた。IntelのWindowsアプリ、「Intel SGX Activation App」というアプリを入れ、有効にするらしい。
 名前、そのままやんけ。アプリを開くと、「Activate」というボタンがあるきりの画面が開かれた。それ以外には、何もなかった。こんな空虚なアプリがあるのか。そのボタンを押すと、「再起動すればSGXが有効になります。」と表示された。なので、再起動をした。
 本当に、子供の使いか、と思うくらい、振り回されている。
 再起動を行った。次に障壁となったのは、GPUとそのドライバだという。それも調べた。果たして、最新のものであったらしい。ここは問題なかった。
 次である。今度は、HDMIケーブルか、ディスプレイのどちらかが、HDCP 2.2というバージョン? か何かに対応しているかどうか、ということだった。
 この辺りで、このUltraHD Blu-rayという規格のものを再生するにあたって、障壁となるのは、何か性能とか、機械として何かが足りないというよりも、データが流れるうえで、それが著作権的に保護されているのかどうか、その為に作成した暗号化の過程であるらしい、ということがうっすら分かってきた。
 その、HDCP 2.2というものについて、色々調べた。この今回買ったディスプレイと、ケーブル自体は、そもそも4kの映像を再生するためのものなのだから、対応していたということがわかった。
 それでは、なぜ対応しているデバイス尽くしの今の状況で、再生がされないのか?
 その答えがついに分かった。鍵は、やはり著作権保護だった。
 最初に、私はノートパソコンにディスプレイをつないでいる、と書いた。
 しかし、この状態で、ノートパソコンの画面は、表示しておくこともできる。
 その際、ノートパソコンの画面とコンピュータをつないでいる部分、あるいはその画面は、著作権保護の機構を持っていない。
 あるいは、マルチ画面の状態でいると、もしかしたら著作権保護の機構を持っていない画面が繋がれている可能性があるから、かもしれない。
 とにかく、ノートパソコンから4k対応のディスプレイをつないで表示しているときには、UltraHD Blu-rayを再生する方法はない、ということがわかった。
 コンピュータは、ミニPCというのをすでに購入してこれも配送待ちなのだが、それにしても、本当に、性能としては完全に再生する能力は持っているはずなのだ。それなのに、著作権保護ができないばっかりに、ブロックを掛けるように、再生されないようにしている。この、最後の一手で止められているという感じを受けて、呆れるやら肩を落とすやらだった。
 まあでも、ここまでしないと、かすかなすき間を通じて、海賊版がどんどん産出されてしまうと思うと、やむを得ないのかとも言える。

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