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超RIZIN2にヒロヤ選手参戦の導線と交渉巧者となるための準備(#63)

来る7月30日に「真夏の格闘技の祭典」と銘打って超RIZIN2が催される予定です。

そこに並んだカードは実力・人気を備えた選手たちがラインナップされています。

現在の格闘技熱の中心を担っていると言っても過言でもない朝倉兄弟も兄弟揃って出場予定です。
(※その後、朝倉海選手は怪我での欠場が発表されました)

そんな中、本番1ヶ月を切って発表された追加カードにヒロヤVS伊藤裕樹というものがありました。

ヒロヤ選手は朝倉未来一年チャレンジ一期生です。

こちらはヒロヤ選手のRIZIN初参戦決定から対戦カード決定まで登録者数300万人超えの朝倉未来YouTubeチャンネルにてアップロードされてあります。

ここに至った詳細は割愛しますが、「朝倉未来は交渉上手だな」という感想を抱きました。

理由を以下へ連ねます。

①朝倉兄弟が出る大会であること(※朝倉海選手は怪我で欠場となりました)

②朝倉兄弟を認知したRIZIN新規顧客に対し、BreakingDown参戦者としてのヒロヤ選手を推薦したこと

③(②に際し)BrekingDownとRIZINの顧客層の間にある“朝倉兄弟のファン”以外のファン層(=Breaking Downファン層)を引き込むために、単純な視聴者数が現時点でBreakingDownの方がRIZINを上回っているということ

キーワードは「BreakingDown」からの顧客の流入です。

YouTubeで登録者数を伸ばすためにはコラボ企画が最適だと、かつて朝倉未来選手はYouTube内で語っていました。

要するに“相互にシンクロするきっかけ作り”が重要なのかもしれません。
それを数多く行うことで、波状効果とさせること、それが一番新規のファン獲得に繋がる可能性が高いのだと私は理解しました。

かつて朝倉未来選手もファン層が被らなそうなYouTuberとのコラボをしていましたが、最近は「選択と集中」をし、「小さく、深く」とターゲットが明確に変わりつつあることに気付かされます。

つまり、焦点を当てているのは(自分たちの視聴者層との)シンクロしやすさです。

格闘家が格闘技という軸で考えたとき、単純な「強さ」だけでなく、いわゆるストーリー性が求められる傾向があります。

なぜでしょうか。

多くは他人の浮き沈みに共感・反感を示し、興味・関心を寄せるからです。

そして興味・関心とはお金の流れでもあります。

またその母数の多い興味・関心ならば、興味・関心が大きければ大きいほど、広告も打って出やすいですし、さらなるお金の流れを生みやすい土壌があるのです。

もちろん「強い」それだけで魅力なのですが、それは第三者から分かり難くもあります。

加えて今回ヒロヤ選手の対戦相手に元アウトサイダー王者という肩書を持つ伊藤裕樹選手をRIZINは選びました。

元アウトサイダー王者として有名な人物の筆頭は、そう朝倉未来選手です。

最終的に朝倉未来選手の提案から、RIZINは“師匠を超える”というストーリ性まで追加したかたちになります。

最終的にRIZINはこうした調整をしましたが、以上のやり取りから交渉において、大事なことは以下です。

①(自分が)交渉相手より上回っているものを探り、見つけること

②(①を)交渉相手に結びつけることで、交渉相手にメリットをもたらすこと(=共闘関係にすること)

③(②を実現するために)自分の要求が必要だと提案すること

多くの交渉において③ばかり主張しがちですが、それはエゴに近い要求です。

当然相手方から受け入れ難くなります。

しかし交渉相手の立場になって②から逆算していけば、自ずと何が必要か課題がみえてくるのではないでしょうか。

②の布石には①が必要であり、それがあれば説得力が増します。

この論法は金銭等に絡む多くの交渉において活かせるのではないでしょうか。

たとえば就職先がある場合、自分を雇用した企業側にどのような相乗効果が見込めるか、そのストーリー作りのためどのような実績が必要なのかを考えます。

もし経験がない場合、経験を補足する資格でもいいでしょうし、類似体験を積むことも有意義かもしれません。

企業において営業をする場合でも、②にまつわるストーリーとそのストーリーの根拠となる①を明確化すると課題を含めた様々な可能性がみえてきそうです。

勿論、企業内においてその実現が難しい場合も多々ありますが、その場合、本当にその企業が自身にとって最適かどうか、自分がどの企業と“コラボレーション”すべきかという視座に立つことで別の課題がみえてくるきっかけを与えてくれるかもしれません。

物事を自分の思い通りに動かしたいとき、如何に自分を交渉巧者となるべく準備するかは今回のカードが決まった流れから大いに学びがあるように思います。

金銭とは信用で、その流れは人と人の信頼関係です。

なるほど、結びつけたい相手を見つけ、自分の武器を知る、そこを見据えて自分の武器を磨いていくことこそが、自分を活かす道なのだと考えさせられたのでした。

カードが決定した今は、とにかく、両者へ期待したいです。

頂いたものは知識として還元したいので、アマゾンで書籍購入に費やすつもりです。😄