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アベ晋三さんというひと

 彼はおそらく回りの人間にとっては、いいひとだったんだろうと思います。あまり知られていませんが、ヒットラーもそうでした。
 ただ彼はヒットラーほどの社会経験も能力もなかった。
 でも、回りの人間はオジイサマの七光で、あれこれ彼のために尽くしてくれたから、彼も安泰だったのでしょう。
 周りのひとといえば、彼はまちがいなく愛妻家でしたね。2017年2月17日の国会で、私や妻が関わっていたら、国会議員をやめますなんて言ったのも、妻を守りたい一心からでしょうが、浅慮に大見得を切ったのは、なんでも周りがなんとかしてくれると思っていたから。そのために、末端の良心的な官吏が自殺に追い込まれたのだから、罪な愛妻家です。
 こういうとき、他の国なら官吏は自殺しません。職を辞して、政府批判の先頭に立ちます。それがないところに、ニッポンを感じます。
 ただし、アベ氏は、愛妻家ではあるが男尊女卑は抜きがたいですね。山口県がそういう県だし、彼にとっては、夫人は世界で唯一の存在だから、女性一般のなかに置いて見つめる視点は持てなかったはずですから。同様にして、偉大なるオジイサマの孫である自分は特別な存在だと思っていた。
 夫人によれば、彼は家では大きな声でお祈りを唱えているようなひとでした。さすがに、すがりつくもの、しがみつくものが必要だったのです。無理をしすぎたのです。だから大腸炎にもなった。ならば、一生真の己に向き合うことのなかった、夢遊病の様な一生ということになり、その点は哀れだとは思います。世の中には、人に多大の害悪を及ぼす哀れな人間がいくらでもいるのです。そんなことは、ちょっと社会学と心理学を囓ればわかることなんだけど、彼に教養が欠けていると思われるのは、その点です。代わりに怪しい宗教にのめり込んで、自己、エゴを抱きしめて守り続けた。彼自身が統一教会にのめり込むひとたちと変わらないメンタリティをもっていて、その点で昭恵夫人と通じるものがあったのではないかと思います。

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