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これからのYouTubeどうなるか?ガーシーやブレイキングダウンがウケる意味。

Voicy No.0237  2022年11月11日放送 
本文を音声で楽しみたい方はこちらからどうぞ!

動画チャンネルは刺激が強いと再生数は上がりますが、コンテンツ自体の評価は時代によって移ろうもの。ビジネスで必要な方にきちんと届けるには、どんな伝え方をすればいいのでしょうか。


大人気! ブレイキングダウンの格闘技イベント


世の中ではやっているもの、新しく出てきたもの全部を把握することはできません。でも、つまみ食いで目にするようにして、時代の需要や好みがどう流れているかを見るのもオレの仕事です。

YouTubeですごく再生回数があるものに、ブレイキングダウンという総合格闘技があります。その朝倉未来(みくる)選手は、YouTubeのチャンネル登録者が(22年現在で)290万人ぐらいいるといいます。

日本でもかなり上位に入るチャンネル登録数を得ている格闘家であり、有名YouTuberという立場です。

その人がやっている企画でオヤジも含めた街の不良というか、アウトローっぽい人を集めて、リングのようなケージに入れて1分間戦わせています。

ブレイキングダウンという格闘技のイベントで、一応その戦いにはルールもあり、そのオーディションでは、「中学のときからマジでけんかで負けたことない」とか、いろいろな人が来ます。

なぜみんなが1分間最強決定イベントに出たいかというと、朝倉未来チャンネルとかブレイキングダウンで、番組やオーディションシーンの再生数がすごいから。そこで一発名を上げてやろうという人が出てきて、悪自慢をしてけんかするのです。

それが、とにかくめちゃくちゃ見られています。
普通の格闘技では、なかなかそうは行きません。

コテツラジオを聴いている人に「那須川天心VS武尊(たける)のビッグマッチがありました」といっても、「誰ですか」という人がいると思う。

日本で一番メジャーなプロスポーツである野球でも、「この前、日本シリーズが終わって、どこが優勝したんですか」と言っても、興味ない人にはわからないでしょう。

いちばん知られている野球でも知っている選手があまりいなくて、サッカーはそれより落ちるから、もっといないはずです。

さらに格闘技はその何十分の1だから誰も知らないはずなのに、中高生がスポーツ関連の話題をスタバでしているという浸透度がすごい。ブレイキングダウンはYouTubeのコンテンツとして、再生数が本当にトップになりました。(2022年11月の記事です)

もう1個が暴露系のガーシー(東谷義和)です。

ガーシーは厳密に言うと、YouTubeのチャンネルは全部止められています。芸能人の暴露をやる中で乱暴な言葉遣いや名誉毀損に当たるところがあって、YouTube側がチャンネルを削除しました。

ですからガーシーは自分の媒体の動画で、芸能人とか政治家の暴露というか、ただの悪口を言っているだけ。それでも月額数千円を払って見ている方が、何万人もいる状況です。


刺激を求めるやり方をどう考えるか?


まずコンテンツとかメディアは、評価とか位置付けが時代の流れによってコロコロ変わっていきます。SNS媒体も、ネットメディアとかコンテンツアプリは、なくなったりもします。永遠ではないのです。

位置付けも変わっていく中で、YouTubeの雰囲気が変わったと本当に思っているわけ。

YouTubeとかガーシーも含めた動画コンテンツが完全に刺激中毒・インパクト重視になった流れが、22年の半年ぐらいで加速しているのね。

オレは教育者ではないので、世の中全員お上品にやったほうがいいとは思っていません。過激さ部分が良くないという話でもありません。

動画コンテンツを会社や人が使って話題にすることに対する「色の付き方」が変わったなと思っています。

理由は、刺激中毒とかインパクト重視で「バズれば何やってもいい」というムードになってきているから。

ブレイキングダウンのオーディションで、イスを振り上げて暴れた人がいます。

イスという武器を持って選手同士でけんかして血を流した人がいて、傷害事件じゃないかとなって警察も現場に入って行ったことがありました。でも再生回数が回るから、お金になっています。

そうすると、再生回数が回るか回らないかの尺度で、コンテンツの方向性を修正していく方が出るのです。

もちろん自分の考えに従っている方もいますが、商売だから再生数との間を取り持つ必要があるし、今の感じだと、人の欲とか汚い部分を出せば出すほどウケるという大きな流れができていると思います。

これは20年前の2ちゃんねるや、ここ数年のヤフーニュースのコメントと一緒です。


欲とか汚い部分に対する罵詈(ばり)雑言、誹謗中傷のような感じに、YouTubeで一部のウケているコンテンツに特化して勝負してきているわけ。

全部が全部ではありませんが、そういうものに気を付けて活動しないといけないムードになってきています。


「悪魔のささやき」に乗らないで。


それと商売全般がそうですが、商品にしてもコンテンツにしてもサービスにしても、ビジネス自体を考えるときに、ちゃんとした理解が必要なものをきちんと伝えようと思えば、パイは少なくなる。

人は自分の頭で考えたり調べたり工夫したり、労力を掛けて買う選択をきちんとしようとするのが面倒くさいのです。

できれば考えずに、印象的だったものを手にして買ってしまいたい人がいて、「お得です」とか「手っ取り早く良くなる」というのは、美容コンテンツでもすごく多くなっています。

「一瞬でしみが消える」というのははっきりウソだと思うし、オレのマーケティングの考え方からすると絶対に嫌。

でも、そのほうが一時的には売れるし、売れなくなったらやめてしまえばいいというビジネスのやり方だけど、そういうインパクトとか短期的に刺激するような売り方には乗らないほうがいい。

ただ、そういうものがYouTubeでブームになっているだけ、と捉えています。

「悪魔のささやき」でそのやり方に乗ってしまって、そう見られたりしかねないぐらい、ここ最近の暴露的で刺激物を見せるマーケティング、ブランディングのやり方には、とても引っかかっているという話でした。

以上、久々野智小哲津でした。

本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を
文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。
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久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
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