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メランコリリッククソ野郎

世界ってのはあまりにも精密に作り込まれたグロいクソゲーだよな。焼畑農業みたいに遠くの国を燃やして経済をまわす人たち。「ひどい噂は聞いてたけど、自分のことに精一杯で」って見て見ぬふりして踊り続ける人たち。だけどじぶんだってインターネットで吠えるしかできなくて今日もなにかの死体を咀嚼して代謝してトイレに流して生き延びる。ログインボーナスなんてなくて殺し合って奪い合って騙しあって憎みあって会って逢って遭って有って。産んでほしいなんて言ってないとか着床しといて甘えたことぬかしてんじゃねーぞ!このメランコリリッククソ野郎!ちゃっちゃと幸せになりやがれ!!

辛かった。寂しかった。迷ったり間違ったりもした。脳内物質を絞り出して自分も他人も騙して踏み躙ってまたそれをひろいあげて愛しんで頬ズリをして、だけどやっぱりこれ臭いね雑巾みたいだね、こんなはずじゃなかったなんて放り投げて。永遠に思われた情熱が魚みたいに身を捩って手の中をすり抜けていく。感情なんて当てにならないよな。道を振り向けばいくつかの幸福な記憶が優しく切なく光ってて。不運も不遇もオセロみたいにパタパタひっくり返って豊穣で幸福な人生にため息なんかついちゃったりして。だけどクシャミひとつでまた不幸のどん底に逆戻り。冬が来るのが怖い。死ぬのが怖い。死ぬのが怖いって思うことがもっと怖い。死ぬのが怖いって思わないことはもっともっと怖い

国会議事堂を占拠してコンドーム被せたいっておまえが言ったことを覚えてる。冗談の中に、正義でも力でも自己犠牲でも辿り着けない場所に行く方法を探してたんだろ?孤高ぶるのは楽しいか?誰だって頭蓋骨の中でひとりぼっちだ。完全にわかりあうことなんか性器をこすりあわせても脳味噌をこすりあわせてもできるわけない。それでもわかってほしいから、汲め汲めいうんだろ。お互いの幸福を願いあうとき、お前の幸福はお前の愛した誰かの幸福になるはずだ。量子もつれの相棒。しょーもないことでイキリたおして辛そうにするな。みてて痛々しいんだよバカ

イケメンで高身長で高収入で喋り方が優しくて元ヤンとか、そんな小学生がかんがえたさいきょうのキャラクターみたいな薄っぺらいものは捨ててしまえ。私は共産主義者じゃないけど拝金主義者でもないから高収入が偉いとか何者かになるとかならないとかはよくわからない。ただお前の強さのなかの弱さ、弱さの中の強さ、優しさのなかの残酷、残酷のなかの優しさ、美しさの中の醜さ、醜さの中の美しさが好きだよ。自分の中の嫌な部分に男とか女とか名付けて切り分けたことにしなくても、両義的なほうがおもしろいだろ

いつか自分が解けてばらばらに流転していくまで、束の間の自我やら肉体を痛々しく抱きしめて怖いとか寂しいとか思っても思わなくてもいい。食ったり食われたりしながらアミノ酸の鎖を解いては編み直しつづけてみんな38億歳の同い年だ。永遠でも一瞬でも大した違いはない。無数の今が連なっているだけ。今日死んでも永遠に生きてもいいように、問い続け変わり続けていたい

夜になって空の蓋が開いてお前の住んでる団地のベランダからも宇宙がみえるだろ。その暗闇に落ちることを夢見て少しゾッとして、光る画面に視線を落とすその爪先のつめたさ。大丈夫。ちゃんと生きてるし、いつでも死ねるよ。わかるだろ?お前なら。ちゃんと汲めよな?

えっいいんですか!?お菓子とか買います!!