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連れションに行くな!

いいですか息子よ。一緒にトイレに行くために友達を作ろうとしてはいけません。友達は君のアクセサリーではなく、ひとりひとり人格を持った人間です。自分はぼっちじゃないというアピールをするために人のたいせつな時間を奪ってはいけません。

ぼっちは恥ずべきことではありません。ぼっちであることは君の人間としての尊厳を1ミリも損なうことはありません。

もし君が孤独を感じていて、そして誰かに話しかける勇気がないのなら、本を開きなさい。インクの中から古今東西の人々が語りかけてくる声が聞こえるでしょう。その言葉に耳を傾けることで、君の内面世界は無限に広がっていく。いつか生身の人間のよろこびや苦しみにむきあう時がきたとき、本と向き合った時間が君に優しい力をあたえてくれることでしょう。

それにアンニュイな顔をして教室の隅で文庫本の頁をめくる男子(女子も、それ以外も)って素敵じゃないですか。「消しゴム貸して」とか言いやすいし!(←利用する気まんまんやないかい!)

また、トイレいに限らず、人が人を誘うときには単に一緒にいたいからとか、ぼっちは心細いからとか、消しゴム貸してほしいからとかのレベルじゃないもっととんでもなく邪悪な企てがある場合もあるのです。ネットワークビジネスとか、宗教とか、政治組織の勧誘とかです。ブラックな企業やDVパートナーが情に訴えるかたちで人を縛ろうとする例はよくあります。

なので息子よ。人にトイレに誘われても「さっき他の子と行ってん」とか「今どうしてもこの本読みたいねん」みたいなときもあるだろうし、毎回義務みたいに付き合わなくても断る練習もしといたほうがいいと思いますよ。「ごめーん!またこんど」ってカドがたたないようにサラッと断る能力は大切です。

「オカンこの前言ってたこととちゃうやんけ」ですって!?まぁ大人ってそんなもんです。あんまり軽々しく信用するもんじゃありません。なので大人にに連れションに行けとか行くなとか言われたからって真面目に聞かなくてよろしい。

君の考えが母と違ってもいいし、君がやりたいことのために母を置いて遠いところにいってもいい。親なんて捨てていいんです。母の愛っていうのはそんなぐらいじゃ断ち切れないオソロシイものなのです。ま、信じるか信じないかは君次第です。


 

えっいいんですか!?お菓子とか買います!!