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連れションに行け!

いいですか息子よ。連れションには行っておきなさい。母も若いころは「幼稚園児じゃああるまいし、トイレぐらい一人で行けよ」と思っていましたし、実際そのようなことを言って嫌われたりもしました。

しかし息子よ。お前も母と同じで教室移動がよくわからなくて迷子になるクチですよね?「テスト範囲どこまで?課題あるの?やっべ写させてって気楽に聞ける友達は大切にしなさい。一匹狼ごっこはやめてトイレに付き合ってあげなさい」

同性であれ異性であれ誰かと行動を共にするときはもよおしてなくても同じタイミングでトイレに行っとけば次行きたくなるタイミングも揃いやすくなります。時間のロスもはぐれるリスクも減ります。これは学外の旅行やおてかけのときは特に役立ちますが、学校ではその必要をあまりかんじないかもしれません。でも、学校は友達の作り方を学ぶ場でもあります。単純に接触時間を長くするのは大切なことです。

君がどうしても忘れ物をなくせないとおなじように、世の中にはひとりでトイレに行くことがものすごく寂しいひともいるのです。俺は人に依存なんかしないっていうのは精神的には成立しえますが、物理的に他者に依存しなくて大丈夫な人はほぼいません。

とくに君はたぶんADHDとASD併発型だから、ASD特性でぼっちがあんまり苦痛じゃないのはよくわかるけど、ADHD特性のおっちょこちょいが災いして1人で生きていこうとすると大学で単位計算をミスったり、職場で困っても相談ができなかったりして詰みます。

幼稚園や小学校ではうんことちんこの話をしていたらよかったけど、中学生になると共通の話題がない?そんなものは親と教師の悪口を言っとけばOKです。大人に不満持ってない子供なぞいません。どの親から生まれるかは選べませんが友達は選べます。いい友達に選んでもらうにはいい人間になることです。

いい人間ってどんなのかは母にもよくわかりませんし、母も別段いい人間ではないですけども、いい人間でなくてもいい人間の真似はできるし、いい人間っぽく振る舞ってたらだんだんいい人間に近づけるかもしれないって思うんですよね。きみがいい人間だと思う人の、素敵なところを真似してみてください。

親としては君になるべく辛い思いをせずに要領よく生きてほしいなって思っていて、私がこれまでの経験で得たライフハックはなるべく伝えたいと思っています。しかしもちろんそのライフハックに生存バイアスがかかっていますし、社会の変化によって通用しなくなっていることもあるでしょう。

何より君は私とは違う個体なので、私の定義する幸福と君の思い描くそれが異なっていることはあり得ます。だからね、母の話は「そういう言い伝えもある」という程度に聞いておいて、君は君の旅をしてください。ねがわくばいい旅を。それでもし、甘えたくなったら、いつでも帰ってきたらいいよ。


えっいいんですか!?お菓子とか買います!!