2019年3月の記事一覧
ピーナッツバター戦争
ピーナッツバター戦争というのは、僕が小学五年生の時の体験である。当時カッちゃんが持っていた物が印象的だったので、そう呼んでいる。
カッちゃんと言うのは幼稚園からの付き合いで、親友である。
「シンちゃん、カブトムシ取りに行こ」
と、言われれば一緒に林の中に入ったし、
「シンちゃん、一緒に釣りに行こ」
と、言われれば一緒に釣竿を持って出かけた。後ろについてくるカッちゃんは、当時一人っ子だった僕
バナナ熱には向かない季節
市内の街路樹はもう桜が咲いているというのにこの森ときたらまだ雪景色のままだった。木々は感情も風情もなしにそこらに立っている。昼間なのに薄暗く、空気中の水分は肌を刺すような冷たさ。今の私にとってはうってつけなのかもしれない。
この森は「死に方がわかる森」で有名な場所である。もう楽になりたかった。電車に乗って三時間、歩いて一時間、女一人で来るには辛い道のりを、死ぬためにやってきたのだ。
それにし