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【映画感想】アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜


本日はRichard Curtis監督の『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』を紹介します。以前からビジュアルデザインをよく目にしていて、素敵な男女の笑顔が気になっていたので今回字幕で観てみました。

↓以下、ネタバレありです↓

【あらすじ】

イギリス南西部に住む青年ティムは、両親と妹、そして伯父の5人家族。どんな天気でも、海辺でピクニックを、週末は野外映画上映を楽しむ。風変りだけど仲良し家族。しかし、自分に自信のないティムは年頃になっても彼女ができずにいた。そして迎えた21歳の誕生日、一家に生まれた男たちにはタイムトラベル能力があることを父から知らされる。そんな能力に驚きつつも恋人ゲットのためにタイムトラベルを繰り返すようになるティム。弁護士を目指してロンドンへ移り住んでからは、チャーミングな女の子メアリーと出会い、恋に落ちる。ところが、タイムトラベルが引き起こす不運によって、二人の出会いはなかったことに!なんとか彼女の愛を勝ち取り、その後もタイムトラベルを続けて人とは違う人生を送るティムだったが、やがて重大なことに気がついていく。どんな家族にも起こる不幸や波風は、あらゆる能力を使っても回避することは不可能なのだと……。そして、本当の愛とは、幸せとは何なのかを知る。同時に、ティムと時間の旅をともにする私たちも、愛と幸せの本質を実感することになる。

引用:https://filmarks.com/movies/56354

【キャスト】

※括弧内は日本語吹替
ティム - ドーナル・グリーソン(亀田佳明)
一族の遺伝によりタイムトラベル能力を持つ青年[6]。
メアリー - レイチェル・マクアダムス(渋谷はるか)
ティムの父 - ビル・ナイ(伊藤和晃)
キットカット - リディア・ウィルソン(英語版)(堀井千砂)
ティムの妹。
ティムの母 - リンゼイ・ダンカン(高島雅羅)
デズモンド叔父 - リチャード・コーデリー(英語版)(金子由之)
ローリー - ジョシュア・マクガイア(英語版)
ティムの親友。
ハリー - トム・ホランダー(丸山壮史)
ティムの父の知り合いでティムの家主、脚本家。
シャーロット - マーゴット・ロビー(甲斐田裕子)
キット・カットの友人。
ジェイ - ウィル・メリック(英語版)
ティムの友人。
ジョアンナ - ヴァネッサ・カービー
メアリーの友人。
ジミー - トム・ヒューズ(英語版)
キット・カットのボーイフレンド。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜

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冒頭の家族の紹介シーンは、穏やかで愛に満ち溢れていてまさにキラキラとした幸せな家庭を描いています。ほっこりする愛の話ではありますが、タイムトラベルなんてSF要素も持ち合わせていてクスッと笑えるコミカルな部分もあります。タイムトラベルを駆使して何度も恋にチャレンジする主人公ティムの姿は少し滑稽でした。笑

終盤のシーンになりますが、個人的にこの映画で印象に残っているのが、主人公ティムの父親の病気が分かった時、ティムとメアリーが2人でティムの実家へ向かい、ティムが母親に気分を伺った時に母親が答えたこの言葉。

「パパのいない人生にはまったく興味ないの。」

何気ない一言ですが、私はこの言葉にものすごく共感しました。これは愛する人物に対してではなくても、仕事・趣味・環境など自分の愛するものであれば何に対してでも替えて言えることかと思います。

どれだけ自分の人生に彩りを与えてくれる存在で、どれだけ自分が愛した存在なのか。この短い一言に量り知れない2人の時間と愛情が詰まっているなと感じました。

また、このシーンのすぐ後にティムと叔父(母親の弟)のデズモンドはティムの結婚式で父親が「人生で愛した3人の男家族」の話をしたことを会話します。愛した1人として自分の名前を挙げたことを誇らしく思うデズモンドは、「あれが人生最良の日だった」と言います。

愛する人から愛の言葉を受け取った日を「人生最良の日」と呼べるのは、デズモンド自身が愛情深いからなんだろうと思います。

映画の冒頭のティムの家族を紹介するシーンで、デズモンドは「チャーミングで天然。彼の心は誰にも読めない。」と紹介されます。たまに登場するシーンでは、いつも天然を発揮しているキャラクターでした。笑

そんなシーンも多くあったからか、笑

この一言にデズモンドの魅力が充分なくらいに表現されていたと思います。


また、ティムからメアリーへのプロポーズのシーンにもキュンとしましたね。

国立劇場に芝居を見に行った帰りに初恋のシャーロットと再会するティム。シャーロットとそのままディナーに行くと「告白を断ったことを後悔している。」と言われ、部屋の前まで誘われますが、ティムは誘いに乗らず「今から大事な用があるんだ」と言い何かを決断したように走って帰宅します。そして、寝ているメアリーに跪いてプロポーズするのです。

初恋の美女に誘われたらそのまま部屋に入ってしまうのでは?とハラハラしたところ、部屋に入るどころか「大事な用がある」と突然プロポーズしに行く姿はロマンチックでたまりませんでした。


タイムトラベルを使うことで過去を調整することができても、いつかは愛する人やものとの別れが来たり、調整しても別の不幸が訪れたり、必ず通らなければならないつらい道があります。

この世界でタイムトラベルは使えませんが、生きていると必ず不運や不幸だと感じる出来事に遭遇することは事実です。その出来事に遭遇した時に、自分がどう解釈して次に何を選択してその道を歩くのか。それを丁寧に考えて感じて生きて行くことが幸福でいることの秘訣だということを教えてくれた気がします。


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