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#40 資格の話 (6)

(前回までのあらすじ)
自信満々で臨んだ平成26年の試験、起伏のない勉強を淡々と進めて臨んだ平成27年の試験のいずれにも失敗した私は、いよいよ受験勉強のアプローチを変える必要性を痛感していた。

信じられないことだが、平成26年の試験で不合格だった私はその原因を特に分析することなく漫然と勉強していた。そうなると、どうしても得意分野は点が取れるので気分良く勉強するし、そうでない分野はあまり気分が乗らない。勉強の軽重をつけながら複数の科目を進めていかなければならないのに、ある程度完成されている科目にも時間を割いたので当然勉強に無駄が生まれていた。
27年の試験で不合格になった私はさすがにこれではまずいと考え、科目によって勉強量を変えることにした。自己採点の結果、労働系科目はそれほど時間をかけずとも大丈夫と見込んだ。反対に、国民年金法はかなりてこ入れが必要だったし、健康保険法は2年続けて選択式試験で大きく失点したので、この2科目を重点的にこなし、厚生年金保険法と社会保険一般常識は記憶の脱落を防ぐためのカバーを進めることにした。

具体的には、年金2法はとにかく問題に触れる機会を増やすために、毎日問題を解くことにした。問題集には過去問をそのまま掲載するものもあるが、過去問の選択肢をバラバラに独立させてその選択肢ごとに正誤を判断させる一問一答方式の問題集を選んだ。選択肢は1問当たり5つあるので、時間があればかなりボリュームをこなすことができる。また、実戦形式では読み飛ばすこともある誤りの選択肢も研究することができる。
そして、この問題集は1日1章を解くようにした。章によって問題数に大きなばらつきがあるが、それでも1日1章を堅持した。27年の年末に問題集を買い、試験前日までとにかく愚直に解き続けた。この問題集は9周回して、ひたすら年金2法の選択肢の「文法」を叩き込んだ。
また選択式試験は、その形式に沿った問題集を買い、直前期までは週に1回集中して解き、直前期は毎日全科目を1問ずつ解いて選択肢のグルーピングを叩き込んだ。

また、インプットは極力控えるようにした。もう丸2年詰め込んでいるので新しい知識を入れる必要はないと判断し、法改正の講座だけweb講義を申し込んだ。
その代わりにアウトプットに重点を置いた。過去問や問題集を繰り返し解くことに加えて、答練や模試も受けっぱなしにせず、その後も解くようにした。

その成果が出たのは試験直前の模試だった。前年の同じ時期は合格可能性が50%と実に五分五分だったが、そこから1年が経ち、合格可能性70%の診断が出た。もっとも2年前(平成26年)の試験前も高い確率が示されていたので油断はできないが、やはり低いよりは高い方がありがたい。
再び自信を取り戻して平成28年の本試験がやってきた。
やはり本試験なので模試ほどスムーズに解き進められるものではないが、それでもピタッと手が止まるところは少なく、選択式試験ではかなり余裕を持って時間を余らせた。
試験が終わった時の充実感は過去3回の受験とは比べものにならないほどだった。ひょっとしたら合格してるかも。そういう予感を持ったのも4回目の受験で初めてだった。

試験翌日、資格スクールのサイトで確認すると、合格点を獲得していた。
勉強を始めてから途中ブランクがあったが足かけ7年でようやく合格にたどり着いた。11月、正式に合格証書が届いた時はさすがに胸に込み上げるものがあった。

(続きます。次回で終わります)

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