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#37 資格の話 (3)

(前回までのあらすじ)
社会保険労務士試験を目指した私は独学の限界を感じて、DVDが送られてくる通信講座に切り替えたが、「積ん読」状態に陥りかけて学習が停滞。平成23年の本試験は合格点にはるか遠く及ばなかった。

転勤で関東に戻ってきた私は初受験のダメージが思いのほか大きく、すぐに次の受験に向かうことができなかった。平成24年はまるまる勉強することなく、ようやく腰を上げたのは翌年の夏、つまり初受験の次の次の試験が終わる頃だった。平成25年の試験問題を見た私は、やはり社会保険労務士試験に挑戦したいと願うようになると同時に、これまでの学習スタイルを変えないと無理だろうとも思っていた。
そこで私は平成26年の合格を目標に、大手資格スクールの通学クラスに申し込んだ。それなりに費用がかかるが、合否に関わらず雇用保険から給付金が出ることもあり、再挑戦に向けて踏み出すことにした。

クラスは15人ほどの受講者がいて、私は年齢層でいえばちょうど真ん中くらいだった。大学を出たばかりの若者がいれば、シニア層の女性もいる、実に幅広いメンバーだった。
結果から言えば、通学クラスにしたのは私にとって良い選択肢だった。なかなかの費用を払っているから安易にサボろうとは思わないし、周りに同じ目標の受験生がいるのは久しぶりの感覚。年の違う仲間ができたのはいい経験だった。ちなみにこの時の一部のメンバーや講師の先生とは今でも付き合いがある。
それと時代の流れか、この時には大手の資格スクールでは通信講座をweb配信するようになっており、通学の講座を欠席してもwebで補講してもらえるようになっていたのも大きい(もっとも私はクラスが毎週末に開かれていたこともあって、一度も講義を欠席することがなかったが)。

さて肝心の講義だが、分からないことをその日のうちに解決させられるのはとても大きかった。これまで苦労していた年金もそれなりに学習が進んだ。ただ、2年以上のブランクは思いのほか大きかった。もともと記憶力に自信はなかったが、せっかく覚えていたことも法改正などで覚え直しを余儀なくされ、また加齢による記憶力の低下は隠せなかった。

教訓:学生のノリで記憶に頼る学習には限界がある
教訓:社会保険労務士試験は辞めるか受かるかのどちらかしかない

社会保険労務士試験の学習範囲は広く、前年から何一つ改正がないということはあり得ない。そのため資格スクールでは改正点の講義をわざわざ開くくらいだ。なので、学習するなら(受験しないとしても)とにかく続けておくべき。私のように中途半端な状態でブランクがあると、改正のフォローアップをするのに手間取ることになる。

学習は順調に進み、6月末と7月末に行われた模擬試験は合格点を上回っていた。これまでかけてきた時間もあって、まあ特に問題はないだろうと思い込んでいた。

(社会保険労務士試験の合格点)
択一式試験は1科目10問(10点)×7科目で満点は70点。
難易度によって変わるが、例年42点前後が合格ラインに設定される。
選択式試験は1科目5問(5点)×8科目で満点は40点。
こちらも難易度によって変わるが、合格ラインは例年24~25点。
ただし、択一式では各科目4点、選択式では各科目3点が最低点とされており、どれか一つでも最低点を下回っていると他の科目で高得点を取っていても不合格(全体的に出来が良くない場合は科目によって最低点が引き下げられることがあり、「救済」と呼ばれる)。

模擬試験の成績に満足していた私は、意気揚々と平成26年の本試験に臨んだ。広い会場に気圧されることもなく、非常にリラックスして試験開始の合図を待っていたのを今でも覚えている(タイトル画像はその時の会場)。
しかし、試験は予想通りに進むものではない。この時の私は数時間後の姿を想像することもなかった。

(続きます)

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