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石を見て人を見る

石積みをしているせいで、普段沢山の石ころを眺めている。
こんなに沢山あるのに同じものは一つもない。
人間と同じ。

一目で独特で目立つ形状の石もあれば、これといった特徴を表現しにくい一見凡庸な石もある。
目立つ形状の石は少なく、凡庸に見える石は沢山ある。
人間と同じ。

目立つ石も寝かせていたら個性が活かせない。目立つ個性を活かすためにはその石を立たせないとならない。
ただし、立たせるのは周囲の協力と工夫がいる。
人間と同じ。

特異性がある石を立たせるためにはその下の土台となる石が肝心。その石を立たせることができる石は限られる。
下の石は凡庸に見えることもあるけど、目立つ石を立たせる能力を持っている実は凡庸ではない石。
立たせると魅力的な石とそれを立たせることができる石を組合せることで良い作品になる。
人間と同じ。

際立って目立ってはいないけれども存在感はあり、どんな石ともだいたいそつなく組み合わせられる優秀な石もある。
人間と同じ。

大きな石はどっしりとして、その周囲にさまざまな石を絡ませやすい。
人間と同じ。

小さくても配置次第で目立つ石もある。
「山椒は小粒でピリリと辛い」。
人間と同じ。

石は思い通りの位置に簡単に収まってはくれないので、丁寧に調整しながら収めていかないとならない。まれにすぐピタッと収まる石に巡り合うこともある。
人間と同じ。

いろんな石がそれぞれの特性を活かして積み上がると素晴らしい集合体になる。
人間社会と同じ。

それぞれを調整し合って全体の形が成立しているものの一部を強引に変えようとすると全体が壊れかねない。
人間社会と同じ。

 #創作大賞2023 #オールカテゴリ部門  #ロックバランシング #石積み #rockbalancing

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