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すべての石はかならず立つ

この作品は2年前のものです。いままで立たせた石の中で一番難しかった石でした。これを見せるとみんな驚いてくれるので楽しくなります。
「本当に立たせたのか!」「なんで立っているんだ?」という反応の他に「よくこれを立たせようと思ったね」っていうのがあります。
この石を見た時、そのトンガリ具合に「こんな形に割れることもあるんだなあ」と驚いたのですが、すぐさま「立てられるかどうか試してみよう」と思いました。それは、無風であるならば、理論上はどんな石でも必ず立てられるはず、ということを知っていたからです。この時はたまたま無風でした。

立てられないとすれば、その石が立たない石なのではなく、立てようとする人の技術と根気が足りないだけなのです。自分の技術がどのくらいなのか、確かめる腕試しの気分で挑戦しました。ここなら立ちそうだというポイントを探し、動かしているのかどうかわからないくらい微妙に石を動かして15分くらい格闘して、ようやっと立たせることができました。10分くらい立っていてくれたのですが、かすかな風が吹いて倒れました。それだけ微妙なバランスで自立していたのです。なお、この突起部分はその後まもなく折れました。

この写真「すべての石はかならず立つ」ことを説明するときに使っています。私にだって立てられない石はあります。それもやはり立たない石なのではなく、私の立たせる技量がまだ足りないということです。ということで、精進するために尖った石を見つけると立たせられるか試しています。




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