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コミュニケーション力ってめっちゃ大切

めちゃくちゃお客さんのことを考えてサービスしているのに全然喜んでもらえない。
いくらオススメしても話すら聞いてもらえない。

そんな経験ありませんか?

それ、コミュニケーションを意識すれば一瞬で解決するんです。



こんにちわ、サービスマンの小野です。

夢は『”心の底からいいなと思えるお店” を増やすこと』

今回は「コミュニケーション力」についてお話します。


前回は、ホスピタリティーについてお話しました。


ホスピタリティーとは、気持ちを込めること。もし実践しているとすれば、こんな疑問にぶつかったりはしませんでしたか?

「お客さんの為を想ってめちゃくちゃ気持ち込めてるのに、全然喜んでもらえない」
「むしろ何か迷惑そうにされる」

恐らく、接客業なら誰しもが経験したことがあると思います。

気持ちを込めれば伝わると言いましたが、すみません、
実は気持ちを込めるだけでは伝わりません。

第3回目では、ホスピタリティーを相手に伝える為に必要な「コミュニケーション力」についてお話ししていきます。


気持ちを伝えるのに必要なこと


QSCのSとは『気の利くサービス』でした。

では気の利くサービスとは?
それは、『お客様の期待に沿ったサービス』です。

これこそが、気持ちを伝えるのに必要なことです。

実際によくあるシチュエーションで、それぞれの視点から考えてみましょう。
みなさんも一緒に想像してみて下さい。

まずは、店員側から見てみましょう。

あなたの働くお店はワインバルで、売りはワインに合わせた肉料理です。
シェフのこだわりが詰まった本当に美味しい料理で、あなたは少しでも多くのお客さんにこの良さを伝えたいと、心から思っています。


1:店員の視点

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お客さん「赤ワインふたつください」

自分「ありがとうございます。
うちの店は肉料理がオススメで赤ワインにぴったりですが、ご一緒にいかがですか?」
(赤ワインならこの肉料理が合うんだよな。合わせて頼んで欲しいな。)

お客さん「んー、つまみだけでいいかな。」

自分「そうなんですね。よければハーフサイズでもお持ち出来ますが。」
(ちょっとだけでも食べてもらえれば良さが分かるはず。ハーフサイズなら食べられるかもしれない。)

お客さん「いや、結構です。。。」

自分「かしこまりました。」
(めちゃくちゃ気持ちを込めたのに何で伝わらないんだろう。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

よくあるシチュエーションですね。

では次に、お客さん側からの視点で見てみましょう。

あなたは一軒目で恋人とお腹いっぱい焼き肉を食べました。
お酒も入り、ゆっくりと二人の時間を楽しみたい。
そんな気持ちでワインバルに入店したとしたら...

2:お客さんの視点

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
自分「赤ワインふたつください」

店員「ありがとうございます。
うちの店は肉料理がオススメで赤ワインにぴったりですが、ご一緒にいかがですか?」

自分「んー、つまみだけでいいかな。」
(お腹いっぱいだしな)

店員「そうなんですね。よければハーフサイズでもお持ち出来ますが。」

自分「いや、結構です。。。」
(だからお腹いっぱいなんだって)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

いかがでしょうか。
もうお分かりですよね。

お客さんの来店動機は様々です。
お客さんの数だけそれぞれの理由があり、それぞれお店に対し求めているものが違うんです。

いくら気持ちを込めたところで、それを相手が求めていなければ、それはただの

『余計なお世話』

に成り下がってしまうんです。

気の利くサービスなのか。
余計なお世話なのか。

その差は、

◎お客さんの期待に沿ったサービスを提供できているかどうか。

そして、感動してもらえるかどうかは、

◎その期待を上回るレベルで提供できているかどうか。

これにつきます。

お客さんが何を求めて来店されたのかを理解しましょう。


コミュニケーション力

「お客さんの期待に沿ったサービスが大事なのは分かったけど、お客さんの期待していることってどうすれば分かるの?」
「初めて会う人が何を考えているかなんて分からないよ」

みなさんは、どうすれば相手の求めていることが分かると思いますか?

先に答えを言いますと、それは

『コミュニケーション力』

です。

みなさんは、友達が室内で上着を着て寒そうにしていたらどうしますか?
きっと、「寒い?温度上げよっか?」と聞くはずです。

寒ければ寒いと言うでしょうし、実は
「いや、そろそろ帰ろうと思って」と、上着を着ただけかもしれません。

恋人が元気なさそうにしていたらどうしますか?
「なんかあった?体調悪い?」と聞きませんか?

「ちょっと熱があって、、、やっぱ今日帰ってもいい?」
「足が痛くて。どこかお店でゆっくりしていい?」
「来る時に嫌なことがあって、ちょっと聞いてよ❗」

僕らは相手の様子を見て想像することまでしか出来ませんが、
僕はこう思ってるけどどうして欲しい?と聞けば、
ほとんどの相手はどうして欲しいのかを教えてくれます。

自分の気持ちを伝えて相手の気持ちを理解する。
コミュニケーションの基本です。
お客さんも同じです。
友人や恋人と同じように、分からないことがあれば聞いてみればいいのです。

セールス→質問と提案

みなさんは、セールスとサービスの違いが分かりますか?

お店に行くと、残念ながらよくセールスを見かけます。

セールスとは、
「商品を売ること」です。

一方でサービスとは、
「質問と提案」です。

◎売ろうとすると売れない

商品を売ろうとすると、どうしても相手の都合よりも自分の都合を優先してしまいます。

・この食材だめになりそうだから今日中に売りたいな
・来週あの商品を仕入れたいから今週中にこれを売り切ってしまおう
etc..

もちろんお店を経営する以上、上記のような考え方は必要不可欠です。
ですが、そういう気持ちは必ずお客さんに伝わります。

例えばアパレル等で必死でオススメされた時に、
「あー、きっとノルマがあるんだろうな」
って思ったこと、みなさんも経験ありませんか?

そうなると逆に買いたくなくなるのが人の本能です。
お店側の事情を汲みつつ、お客さんと接するときは忘れましょう。

◎出来るサービスマンは質問と提案しかしない

保険の営業で日本一の営業マンの方とお話しする機会があったので、どのように売っているんですか?と質問したことがあるんですが、営業マンの答えはこうでした。

「僕がしているのは、質問と提案です。
お客さんが何を求めているのかを知る為に質問して、
それに合った商品を提案しているだけです。
僕は商品を売ったことはありません。」

1:お客さんが何を求めている為に質問をする。
(コミュニケーション力)
2:それに合った商品を提案する。
(商品知識)

これだけで日本一に上り詰めたそうです。
かっこよくないですか?(笑)

今回のテーマとは話がそれますのであまり掘り下げはしませんが、とても大切なところなので
『テーブルコーディネート』
の講座の時に改めてお話ししていきます。
『テーブルコーディネート』 ラストオーダーをとらずに2時間制を守れるスキル|小野達也/サービスマンのつぶやき|note

目と耳を使って仕事をする

さて、ここまでコミュニケーション力は大切だと言うお話をしてきました。その為には、質問をすればいいとお伝えしました。ですが、実際に質問するとなると何をどう聞いていいものか難しいものです。

この項では、質問をする上で必要なことをお話ししていきます。

そもそもですが、質問をする為には、
「寒いのかな?」
「しんどそうだな」
ということに気づかなければいけません。

この気づきを増やすことこそが、ホスピタリティーへの第一歩なのです。

では気づきを増やす為にどうすればいいのか?

それは、『目と耳を使うこと』です。

お客さんが来店されてからテーブルに着くまでの間だけをとっても、情報の宝庫です。
お客さんはたくさんの情報を僕達に与えてくれており、その情報だけで大体の来店動機は分かります。

その情報に気づく為には、お客さんの
・仕草
・会話
に注意を払うことが大切です。

そしてその気づきを確実なものにする為に、お客さんへ質問するのです。

では、
・コミュニケーション力
・セールス→質問と提案
・目と耳を使って仕事をする
これらを使って、①で上げた例を元に、入店から席に着くまでをもう一度それぞれの視点で見てみましょう。


自分「いらっしゃませ」
(お、炭火の匂いがするな。なんか食べてきたのかな。顔も赤いけどお酒弱いのかな?)

お客さん「二人です」

自分「ご案内いたします。」

お客さん「お腹いっぱいだね~」
「さっきのお店おいしかったな!」

自分「もうけっこう食べて来られたんですか?」
(食べてきたのか)

お客さん「焼肉食べてきたんです。」
(お腹いっぱい)

自分「そうなんですか。いいですね~。うち肉料理がオススメなんですけど、今日は食べられないですね。
つまみとかもあるのでまたご案内しますね。お酒も結構飲まれたんですか?」
(焼肉ならさっぱり系のおつまみの方がいいのかな。後で聞いてみよ。
お水出したいけど顔が赤くなるだけかもしれないから一応確認しとこう)

お客さん「じゃあ何かつまみだけでも頼もうかな。
全然普通に飲めるんですけど、すぐに顔赤くなるんですよ。。」

自分「そうなんですか。ならお水とかお持ちしなくて大丈夫ですか?」」
(聞いといてよかった!)

お客さん「ありがとうございます、でもお酒以外はいらないです。」
(気が利くな~)

自分「ちょっと狭いですけど、ゆっくりできる奥まったお席を用意しようかと思いますが、いかがでしょうか。
もうちょっと広い方がよければおっしゃってください。」
(この二人、ずっと腕汲んでるしめちゃくちゃ仲いいからこの席の方がよさそうな気がする。
2件目だしお酒も入ってるから、狭い席だけど大丈夫だろう。でも一応確認だけしておこう。)

お客さん「ここがいいです。」
(いい感じの席でよかった)

自分「ではごゆっくりお過ごしください」


いかがでしょう。

席に着くまでの間だけで、これだけの情報がえられます。

お客さんは、席についてから退店されるまでで考えると本当にいろいろなサインを出しています。

是非、目と耳を使って仕事をして下さいね。

今日から実践できること

今日のまとめです。

相手へ自分の気持ちを込めたホスピタリティーを伝える為には、以下の流れが重要です。

1:目と耳を使って相手のニーズを想像する
2:想像したものを確実にする為に、質問する
3:質問して得た確実な情報を元に、気持ちを込めて提案する

こうして文にしてみると、やる事はとてもシンプルですよね。

サービスは、実はとてもシンプルな物なんです。

冷め切った旦那からの高価なプレゼントよりも、子供が一生懸命に描いてくれた似顔絵の方が嬉しいものです。

「お客さんと接点をとらなきゃ」
「名前呼ばなきゃ」

とか、変なことを考えず、

大切な人をもてなすように、

おもてなしの気持ちを込めてコミュニケーションをとる方が確実に感動を感じてもらえます。

今日から、

・目と耳を使って仕事をする
・気になったことを質問する
・質問で得た情報を元に、提案する

この流れを意識して実践して下さいね。


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