はじめての歌会ガイド

この記事は、短歌や歌会に興味を持ったけれど、どうやれば歌会ができるのかわからない人のために書かれたものです。

※ここに書かれたやり方は一例で、この方法が絶対に正しい、というものではありません。
場所やサークルによって様々な方式があるので、いろいろ試してみることをおすすめします。

0.歌会とは?

歌会とは、自作の短歌(57577)を持ち寄って遊ぶ会です。

・人数:2〜15人ぐらい
・時間:2〜3時間
・対象年齢:12歳ぐらいから

短歌だけ並べた紙(詠草)を手元に
作者を隠したまま、年齢や立場も関係なく思うがままに評をしあいます。

0.1 歌会はここが楽しい

「自分の作品を読んでもらえるだけで嬉しいのに、人がどう読んだかまで聞かせてもらえるのはもっと嬉しい」
(怪獣歌会・鳥居のコメント)

「難解だと思っていた他の人の歌も、評を聞いているうちに好きになってきたりするから面白い」
(怪獣歌会・鳥居のコメント)

「トップ票を狙う楽しみもあるし、いつもと違う作風のを持っていくと、いつも票をくれなかった人がくれるようになるというドキドキ感もあります」
(怪獣歌会・鳥居のコメント)

0.2歌会に必要なもの

・参加者
・自分の短歌
・紙と筆記用具(PCやスマホでも)

1.準備

・歌会の日と場所、司会を誰がやるかなどを決めましょう
・司会の人は、参加者の短歌を集めます。文面サンプルは以下のようになります。

こんにちは、◆です。◆歌会のお知らせです。
【日時】◆
【場所】◆に集合
【詠草】自由詠一首
(とくに題などの指定がない場合は自由詠と書きます)

詠草は前日深夜までに◆司会の名前◆(◆司会のメールアドレス◆)へお送りください。
みなさまの参加を心よりお待ちしています。

司会の人は、届いた短歌に自分の短歌を混ぜて、“詠草“を作ります。(wordなどのソフトを使う方法と、手書きで作る方法があります)
以下に置くのは詠草のサンプルです。

詠草作りのヒント:
・通し番号を振る
・参加者の名前を書く
・歌の作者はわからないようにする

詠草が完成したら、人数分コピーしておきます。

2. 当日にやること

今回紹介するのは、投票ありの歌会のやり方です。

投票があることの利点と欠点:
⭕ どの歌で当てられるのかわかるので初心者でもやりやすい
⭕ 選ぶことを通じて歌の読みを深められる
❌ 票数の多寡を勝ち負けと勘違いしてしまいやすい
投票をしないことの利点と欠点:
⭕ すべての歌を平等に読める
⭕ どの歌のときも緊張感を持って臨める
❌ しっかり時間配分して進行しないと、後ろのほうの歌を扱えなくなる

投票をしない場合は、2.2の投票タイムを飛ばして、1番の歌から評をはじめてください。

2.0 集合

会議室、カフェ、教室などに集合します。
詠草を配布し、参加者が見られるようにします。

2.1 詠草読みタイム(10分〜15分程度)

最初に詠草を読む時間を作り、どの歌に票を入れるかを決めます。
司会の人は、一人何票入れられるか、
先に宣言しておいてください。

2.2 投票タイム

司会の人は、「1首目に票を入れた人は手を挙げてください」と順番に聞いていきます。
手を上げた人には名乗ってもらい、歌の横に票を入れた人の名前を書いておきます(あとで使います)

全部の歌の票を確認したら、票数の多い歌から評を始めていきます。

ヒント:
・評の少ない歌から始める
・とりあえず頭から全部やる
・人数が多い場合は、票が入らなかった歌(無票)は扱わないでおく

など、様々な方法があります。
歌の数と時間配分を考えて、いろいろ試してみてください。

2.3 評タイム

票を入れた人に、その歌を読み上げてもらい、歌について喋ってもらいます。

歌会の話題の例:
・どういう情景の歌だと解釈したか
・どこが良いと思ったか
・どこがわからないと思ったか
・この言葉づかい/口に出した感触(韻律)が良いと思った
・さっきの人はこう読んでいたけど、私は違う読み方をした
注意:
・誰が作った歌かわかってしまっても、気づかないフリをして進める事が多いです。
・歌そのものの話をしましょう(「こんな表現をするのは、作者が〇〇だからだ」のように、人格を攻撃してはいけません)
・歌をけちょんけちょんにされても、それはあなたの人格がけちょんけちょんにされたのではありません
・自分の歌が評されてるときは、黙っている派と他の人に混じって評する派があります。好きな方を選びましょう

当てた人が喋り終えたら、司会は会を進行させます。

司会の行動のヒント:
・自分がしゃべる
・票を入れた別の人に話をふる
・なにか話したいことがある人はいますか?と聞く
・次の歌に進む

2.4 解題

扱う予定の歌すべてを扱い終えるか、定められた時間が近づいてきたら「解題」を行います。
解題の時間では、歌の作者を明かし、時間があれば少し作者に話してもらいます。

司会の人は、「1首目を作ったのはどなたですか」と順に聞いていきます。
作った人は○○です。と名乗り出てください。

すべての歌の作者が明らかになったら、解題は終わりです。

歌会が終わると詠草はこのような雰囲気になります。

歌の右上に小さく書いてあるのがが票を入れた人、歌の上に書いてあるのが解題で明らかになった作者です。
※ 参加者が一人増えたため手書きで歌を追加しました。本人の希望により名前を伏せている部分があります。

2.5 次の歌会のために

これで歌会は終わりです。
次の司会は最も票を多くとった人にする、など、
好きなルールを決めて次の歌会の予定を立てましょう。

3. いろんな歌会をしてみよう

・「花」や「鳥」など、題を決めて歌会をすること(題詠)ができます
この場合、「花」という文字を入れた短歌を持ってくるのか、「さくら」「パンジー」など花の概念が入っていればよいのか、先に決めておくとよいです。

・良い評ができるよう、短歌の本を参考にしてみましょう。短歌以外の本にも、ヒントが隠れているかもしれません。

・一人2首以上を出すルールにしたり、続き物の連作を出してもらうなど、歌の数を変えてみることもできます。

・贈歌と答歌をペアにして評する贈答歌会など、ほかにもいろいろな方式があります

・ネット上で歌会をやる方法もあります。
その場合、https://appear.in/ やSkype、Discordなどのオンライン通話ツールが使えるでしょう

4. もしつらい思いをしたら

歌会は人間関係の場でもあるので、トラブルが起こることもあるかもしれません。

たとえば以下のようなことがあった場合は、すぐに周りの人に相談してください。

・暴力、非難、威圧、侮辱
・発言を無視される
・執拗に個人情報を聞いたり、つきまとったりされる
・歌の範囲を逸脱して、無理やりな読み方をされる
・性別や生まれなど、自分ではどうしようもないことを理由に歌を非難される
・年齢や立場が上だからといって、高圧的に要求をされる
・その他ハラスメント行為

心は一度傷つけられると、よくなるためには年単位の長い時間がかかります。
逃げることも相談することも恥ずかしいことではありません。
おかしいなと思ったら、自分を守り、安全な場に逃げ込むことを最優先に行動してください。

また、気をつけていても自分が加害者になってしまうときがあるかもしれません。
その場合は傷つけられた人の意志を尊重し、適切な行動をとってください。

ハードルを上げるようなことを言ってしまいましたが、
よい場を作り上げるためにはまず誰にとっても安全な場であることが重要です。

5. おわりに

ぜひ自分たちで短歌を作って、歌会を開いてみてください。
怪獣歌会(の鳥居)は、はじめて短歌を作り、歌会に参加する人を応援しています。

わからないことや、書き足してほしいことがあれば、
怪獣歌会公式アドレス quaijiu.kakai★gmail.com (★を@に変えてください)
にご連絡ください。

文 とりい

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