【まとめ】 2022/12/18 3:06 日向灘を震源とする地震について(第3報)
※画像をクリックすると出典のウェブサイトに移動できます。誤りなどの指摘がございましたらコメントやTwitterのリプライ、DMにてお願い致します。
1.地震の概要
2022年12月18日3:06(日本時間)頃、日向灘(北緯31°47.3'、東経131°38')を震源とする最大震度4のやや強い地震が発生しました。この地震による津波はありませんでした。
震央は日向灘で、震源の深さは約34km、地震の規模はMj5.4と推定されています(気象庁暫定値)。最大震度4を観測したのは宮崎県日南市と宮崎市でした。
2.地震動について
気象庁によると、この地震では宮崎県日南市吾田東(防災科研設置)、日南市南郷町南町(地方公共団体設置)、宮崎県宮崎市松橋(防災科研設置)、宮崎市橘通東(地方公共団体設置)、宮崎市霧島(気象庁設置)で震度4を観測しました。
防災科学技術研究所のK-net強震観測網によると、宮崎県宮崎市町村の宮崎観測点(宮崎市松橋)で震度4(計測震度3.9)、三成分合成最大加速度77.39galを観測しています。
防災科研のJ-RISQ地震速報によると、この地震で宮崎県日南市、宮崎市、都城市、串間市、高鍋町、国富町、西都市の一部の地域では震度4相当のやや強い揺れがあったものと見られています。※注1,2
(注1)これらの推計震度は必ずしも実際の震度と一致しないことに注意してください。
(注2)推定に用いられている震源要素等はすべて速報値段階のもの(気象庁速報値)です。
気象庁によると、この地震で長周期地震動階級1以上は観測されていません。
3.地震のメカニズ厶
気象庁のCMT解では、南東ー北西方向に圧力軸、北北東-南南西走向のやや高角で北西側上昇の逆断層の型、あるいは北北東-南南西走向のやや低角で南東側上昇の逆断層の型となっています。
Mw5.6で、セントロイドの位置(緯度,経度,深さ)は(31°40.3'N,131°38.3'E,43km)です。
この地震はフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界で発生した地震です。
南海トラフ巨大地震の想定震源域内で発生した中規模地震ですが、プレート間の固着状態に特段の変化を示すものではないと考えられます。
4.緊急地震速報
気象庁は3時06分9.9秒に地震波を検知し、地震波検知から3.5秒後の3時06分13.4秒に緊急地震速報(予報)を発表しています。緊急地震速報第一報提供の段階でS波が到達していた地点は宮崎県宮崎市と日南市の一部でした。一般向け緊急地震速報(地震動警報/特別警報)は発表されていません。
5.過去の地震活動(M≧6.0)
1987年3月18日12時36分頃、今回の地震の震源から東北東方向へ約30kmの地点でM6.6の地震が発生しています。震源の深さは48kmです。
今回の地震との関連性は不明です。
1996年10月19日23時44分頃、今回の地震の震源から東方向へ約30kmの地点でM6.9の地震が発生しています。震源の深さは34kmです。
気象庁のCMT解では、画像5.3に示す通り、南東-北西方向に圧力軸を持つ、北東ー南西に走る北西側上昇・傾斜でやや高角の逆断層、あるいは南東側上昇・傾斜の低角逆断層の型となっています。
1996年12月03日7時17分頃、今回の地震の震央付近でM6.7の地震が発生しています。震源の深さは38kmです。
気象庁のCMT解では、画像5.5に示す通り、東南東-西北西方向に圧力軸を持つ、北東ー南西に走る南東側上昇・傾斜で高角の逆断層、あるいは南北に走る西側上昇・傾斜の低角逆断層(若干の左横ずれ成分を含む)の型となっています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?