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日本最大規模のNFTカンファレンス"仕掛け"人に聞く!カンファレンスの意義と日本のWeb3市場

Mintoは2018年からWeb3事業を手掛けていますが、Web3部として事業部門がスタートしたのは2021年から。2022年からMintoの社員でもあり、個人活動としては、2018年から日本で開催されているクリプト関連カンファレンス「Non Fungible Tokyo」や、複数のカンファレンスイベントを束ねた「JAPAN BLOCKCHAIN WEEK」の開催・運営に携わっている箭内実

今回はMinto代表取締役の水野と箭内の対談記事です。
コロナ禍が収束のきざしを見せつつあり、Web3領域のカンファレンスイベントにはどのような変化が起こると予測されるのか、トレンドは何なのか。カンファレンスのオーガナイザーとしての見通しを箭内に聞きました。

モバイル領域での幅広い活躍を経てクリプトNFTの世界へ

水野:箭内さんとの出会いは十年あまり前にさかのぼりますが、クリプト界隈へ飛び込むのも早かった印象です。まずは箭内さんの経歴について改めて自己紹介してもらえますか?

箭内:もともとは会社員として、2000年のはじめごろからWebでの漫画サービスの立ち上げなんかをやっていました。現在でも続いているサービスだと「まんが王国」などですね。立ち上げからマーケティング、配信やグロース開発など幅広く関わってきていて、業務として事業開発なんかも行うようになっていて、スマートフォンの普及もあって市場環境が大きく変化してきて…。水野さんと初めて会ったのはのは2012年ごろでしたっけ?iPhoneやAndroid向けのアプリを国内外向けに作ったり、自分でも会社を立ち上げてビジネスをしたり、幅広くカバーしながらモバイルコンテンツやセキュリティの領域で仕事をしていて。

水野:クリプトやWeb3の世界へはいつごろ関心を持ったのですか? 

箭内:2017年ごろだったと思います。モバイル領域の事業開発をやっていて、当時いた企業では海外パートナーシップを担当していて、イスラエルへ行くことが多くて。ICO(「Initial Coin Offering」の略。新規暗号資産公開のこと)バブルのころで、徐々に仮想通貨や、現在Web3と呼ばれているような領域に興味がわいてきて。2018年からは小規模ですがカンファレンスを行うようになりました。現在の「Non Fungible Tokyo」につながるものですね。そのうちNFTプロジェクトなんかにも関わるようになり、いつしかいろいろなところに顔を出すようになっていた感じです(笑)。

水野:僕らの出会いもカンファレンスでしたもんね。

箭内:そうですね。初めて会ったのは、2011年か2012年、スタートアップが集まっていたスマホアプリイベントでしたね。

水野:そこからちょくちょくコミュニケーションはしていましたが、僕と同時期か少し早いくらいのタイミングでNFTの領域に入っていった印象です。それからカンファレンスの場でやりとりする機会も増えて、2022年にはMintoのメンバーにもなったと(笑)

箭内:2022年、カンファレンスが盛り上がった年でしたね。僕は個人での活動も続けつつ、国内外でのカンファレンス活動でMintoのメンバーとしてビジネスの種を見つけてきたり、ネットワーキングしたり…という感じですね。去年はマイアミやニューヨーク、台北、ロンドンにフィリピン…と飛び回っていましたね。

2023年で第6回となるNFTカンファレンスを主催

水野:もともと、「Non Fungible Tokyo」はどのような経緯で始まったものだったんですか?

箭内:2018年当時は「Tokyo Blockchain Game Conference」というイベント名でした。NFT界隈がどんどん盛り上がってきているけど、まだまだ浸透していないなと感じていて。でも「CryptoKitties」のようなコレクティブNFTサービスが出てきて、金融の領域からアプリケーションレベル、さらにエンターテインメントの分野でも面白いことができる可能性を感じたんですよね。そこでメンバーとともにカンファレンス実施に向けて動き始めました。ところが、主要メンバー二人から直前で「やはり降りたい」と言われてしまって。残ったのが「ミス・ビットコイン」としても知られる藤本真衣さんと僕の二人。既にゲストスピーカーのブッキングを進めていたこともあり、なんとか開催せねばと奔走しました(笑)。第2回からはアーティストとしても知名度のある絢斗優さんもメンバーに加わってくれたりもして、現在のフォーマットに近づいた感じですね。

2022年開催の様子

水野:そんなことがあったんですね(笑)。僕も初回に登壇させてもらいましたが、当時の会場入場者のキャパシティも今ほどは大きくなかったように思います。回を重ねるごとに順調に参加者を増やしていったんですか?

箭内:2021年あたりまではずっと収益としてはゼロに近い状態でしたよ。特に2020年からはコロナ禍によるオンライン開催も経験しましたし、苦しいことも多かったです(笑)。ただその経験によってYouTubeでの同時配信なんかのノウハウが蓄積されたのは、結果としてプラスになったかもしれません。

水野:ブッキングされるゲストの顔ぶれも豪華ですが、どうやって選定しているんですか。

箭内:セッションのテーマを決めて、そこにフィットする人をはめ込んでいくことが多いです。ただやっぱり「この人が来てくれたら熱いよね!」という方はたくさんいて、そこも考えながらですね。そこから、藤本さんと絢斗さん、そして僕とでそれぞれの得意分野でお声がけをしていきます。それから意識しているのは、いわゆるネットワーキングの質。BtoCと比較するとBtoBのカラーを少し強めにしていて、スタートアップ×大企業とか、ファウンダー×スポンサーというようなビジネスにつながるコミュニケーションの場づくりを意識しています。

水野:カンファレンスは収益ありきという主催者もいると思うのですが、「Non Fungible Tokyo」を6回目まで続けてきている背景にはどんな思いがあるんでしょう?

箭内:やっぱり初期の頃の熱量を大事にして、「盛り上げたい」という気持ちの強さとか、NFTやクリプトの面白さそのものじゃないでしょうか。それから、これは今振り返って思うことなのですが、ネットワーキングの力ってすごくて。ここから生まれるつながりやビジネスの“仕掛け人”であることで、「サポートしてほしい」「相談に乗ってほしい」と声がかかることも多いんですよ。そこから個人やMintoのビジネスにつながることもありますし、遠回りだけど利益につながるというか。

水野:なるほど。NFT関連イベントを束ねた「Japan Blockchain Week」についても教えてもらってもいいですか?

箭内:ブロックチェーン領域のカンファレンスについていうと、イベント自体もどんどん増えてきていて、大企業がWeb3に対して新たな産業としての可能性を感じ、参入してきているのが現状だと思います。そういった流れのなかであえて、よりベーシックな「クリプトネイティブ」のカンファレンスをやりたいなと思ったんですよ。クリプトアートやテクノロジーの“見本市”のようなイメージで、“あのころ”からクリプトを愛している人たちのための、あの“ノリ”みたいなものを感じられる場があったらなって。そこに閉じこもるつもりはないけれども、大企業が参入しているようなWeb3コンテンツの界隈とは違った切り口でやれることがあるのでは、と感じています。そういった感覚に共感してくれるカンファレンスやイベントを束ねて、「Japan Block Chain Week」と称しています。 

「点と点をつなぐ」。リアルの場でのカンファレンスにできること

水野:箭内さん個人としては、ここからWeb3のイベントやカンファレンスに関連してどんな動きをしていきたいというような思いはありますか。

箭内:個人としては「Jointing The Dots(点を繋ぐ)」というコンセプトがあって。「Non Fungible Tokyo」のネットワーキングのトピックとも関連するかもしれませんが、イベントでいろいろな人と話すんですよ。アーリー段階の起業家と話すこともありますし、その時点ではビジネスにつながるかどうかなんて全くわからなくて。でもそこからつながる可能性もあるし、何がビジネスになるかわからない。そういう“点”をたくさん作っていって、ある日突然つながっていくことがある。その機能としてカンファレンスやコミュニケーションを大切にしています。Mintoではこういう働き方を受容してもらえているので、すごく働きやすいです(笑)。

水野:よかった(笑)。日本のプロジェクトが海外で成功していくために必要だなと感じることってありますか?

箭内:ローカライズをきちんとしておくことだと思います。「グローバル」ってすごく便利な言葉だけど、どの国を狙うのかをしっかり定めておかないと難しいと思いますね。日本の会社なら東~東南アジアが文化的にも理解しやすいし、親和性が高いのではないでしょうか。法整備が進んでいる国もありますし、リスクのあるところを避けながらね。中国もリスクはありますが、クリプトフレンドリーな国民性は魅力的ですよね。香港なんかは法規制的にクリアになっていく可能性が高いとされているので、そこを起点にして中国への進出を考えてもよいかもしれません。米国などは市場もある程度成熟してきていますが、アジアはまだまだここからで、国民の認知度や関心も高いので、大きく成長する可能性は十分にあります。

水野:なるほど。ちなみに日本という国は市場としてはどうでしょうか?

箭内:Web3領域ではネガティブにとらえられることも多いですが、僕は日本は魅力的な市場だと思いますよ。クリプトに対しては元々先進国といえるくらいの国でしたし、規制は厳しいですがクリプト許容度も外国に比べると高い。トレードボリュームやユーザー数も多いし、不況や人口減少といっても経済規模は大きいんですよね。今後5年くらいの日本にフォーカスしてきちんとプロジェクトを展開すれば、ユニコーンとはいわないまでもビジネスは成立させられるはずです。海外企業からの人気も高いですしね。そこは、悲観しすぎなくてもいい気がします。

水野:ありがとうございました。Web3、クリプト市場が日本でもっと盛り上がる為に、一緒に様々な取り組みを行なっていきましょう。



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