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マウントと潜在意識

虚言を吐く女


先日セッションが終わってある年下の女性とお茶をしました。
カフェの聖地である表参道にサロンがあるので、2分も歩くと女の子が好むカフェがいっぱいあります。

彼女が喜んでくれるだろう、いつも一人で淋しいだろう、と気を遣って誘うのですが、ここのところ話していると本当にムカムカしていることに気づきました。

話の内容は、やれ通っているエステの店長に渋谷駅でキスされた、しかもかなり濃厚なキスをこんな感じでこんなふうにした(常識的に考えると嘘がバレバレなのですが)、エロいと男性によく言われる、Facebookにたくさんの外人のリクエストが来る(それは恐らく全てアカウントのっとり目的なのだが…)と自慢のように話し出します。
そのときの彼女はとても活き活きと輝いていて、はつらつとしています。
知人のそういった姿を見ることはうれしいことなので、「そうなの、良かったね」「すごいね」と、Facebook以外はだいたい彼女の話に合わせてました。

次第に話はどんどんエスカレートして、今の株が儲かったらマクラーレンに乗る、六本木のタワマンに住みたい、若い才能のある男の子の教育のために付き合う、挙げ句の果てには「朋美さんにもシャネル買ってあげます」ときたもんだ。
都内で車を運転したこともない、しばらくパーパードライバーのとても小柄な彼女がマクラーレン??とさすがにそれを聞いてわたしは顔をしかめます。
「本当に乗るの?」
「はい、乗ります♪」
と誇らしげに語る彼女。
なんともその表情は、わたしすごいでしょう?という自慢気でいっぱいなのです。

カフェはガレットがとても美味しい洒落たお店で、一人でゆっくり時間を楽しんでいる女性が私達の席の両隣で静かにガレットを食べてます。
そういった会話が全く似つかわしくない場所なのです。
さらに彼女は、我慢ならないことにクチャクチャと音を立てて食べるのであります。
彼女がクチャクチャと音を立てるとき、人一倍うっとりと恍惚とした表情を浮かべ、この子は貪欲なのだなあ、とそれを見る度になんとも言えない人間の深淵を覗いたような気がして怯んでしまうのです。

彼女と別れた後もしばらくやり場のないムカムカした感じが残ってました。
その日は、なんて身の程知らずな人間なんだ、とすぐに忘れて寝ました。
そして翌日素敵な女性の方とお食事をして、なんて品があって知性的なのでしょう!こんな女性になりたい!と一昨日の女の子から受けた心の汚れが洗い流れたような気持ちがしました。


そして二日後の朝、鈍感なわたしはようやく気づいたのです。
彼女はわたしをマウントしていた、ということに。


マウントは無意識の行為

マウントされていたんだ…と気づいても、果たしてなぜそうするのかよくわかりません。
なぜ起きてもいないことや持ってもいない車や高級品でマウントできるのか。
そして、なぜわたしはあそこまでムカムカしたのか。

マウントは自分を強く見せようと無意識に相手にとる行為です。
動物が行うとても原始的な行為。

彼女はわたしに、自分がセレブのようにみんなが憧れるけど買えないシャネルやエルメスやマクラーレンといった最高級品を持てる人間なんだ、という主張を延々といつも繰り返します。
それは、わたしはあなたより特別で選ばれた人間なの、という意味です。
少なくともわたしにはそう感じられました。
そうやって彼女に比較されて劣等視されたことにムカムカしたのか?

いえ本当は、わたし自身は心の中で彼女のそのような発言を虚言癖だとバカにしていたのです。
実際はバカにしながら彼女とつきあっている

本当は、背が小さくて友だちも少なく周りに大切にされず可哀想と、たまに自分の時間を彼女に使っていたのです。
ということに気づきました。
自分がバカにしている人にマウントされて優越感を感じられたから、腹が立ったのでしょう。

マウントしていたのは、わたしの方かもしれない….


潜在意識はわかっている


彼女をバカにしてる態度は出していないつもりだけれど、潜在意識ではうっすら気づいているでしょう。
「朋美さんバカにしているよね」って。
なのでわたしにバカにされないように、自分の優位性をたくさん主張するのでしょう。
わたしすごいのよ、本当はもっとすごいの、いまにみてなさい、と。

そんな彼女の虚言とも言える話を延々と聞いているのは、なんとも不毛です。
なぜなら、そうさせているのはわたしの彼女に対する態度なのだから

40代の女性はまだまだ同性と闘う意識があります。
容姿で競い勝とうとする人、能力で競い優位に立とうとする人、おつきあいしている人や結婚している人や家柄など、いろいろな手段で自分を周りから差別化したがる人はたくさんいます。
無意識で行っている人もいる。
本来闘う必要もないのに闘ってしまうのは、そういった条件がないと自分を認めることができないからです。
無条件で自分を認めて赦すことができないから、人より勝とうと躍起になる。

競う人は、すでに負けているのです

一回自分はダメだと痛感した体験があるから、情けない自分の姿が耐えられず、人より優位になろうと競おうとしてしまうのです
そのためにはどんな手段も厭わない。
たとえいま持っていなくても、妄想をつくって勝とうとする。

社会が彼女をそうさせたのかもしれないけれど、わたしの彼女に対する態度も拍車をかけたのかもしれない。
でも、どんなに競って相手より優位に立っても、またすぐに自分より上位の人は現れる。
それは終わりのない無限地獄でしょう。

その苦しみから逃れるためには、その闘いをやめることしかありません。
〇〇であの人より優れている、〇〇だからわたしはすごい、という基準を捨てなければ苦しみは終わらないのです。

人がマウントするのは、マウントされた体験があるから。

たとえあなたがマウントしていなかっとしても、あなたにマウントされたと勘違いして、あなたをマウントする人もいる。
マウントする人は被害者意識の中にいるのです

だから、マウントする人を消したければ、
「大丈夫、わたしがあなたを認めるから」
という気持ちで思いっきり応援すると良いと思います。
そうすると、もうあなたにマウントする理由がなくなるのですから、マウントする人は去っていきます。

それは、これまでわたしがとっていた
「へえ、それはすごいね」「よかったね」
という内心小馬鹿にした意識ではありません。
傍観者のように相手を小馬鹿にした態度は、相手の競う意識を助長させるだけです。

それでも、応援したり認めることは到底できないし、したくない相手もいます。
会社や家族のように離れられない関係以外は、その人から去っていきましょう。
自分を競争ゲームから自由にすることを選択することが一番です。
その人から去ったとしても、またマウントする人は現れるかもしれない….

それは、まだ自分の中に優位になろうという強烈な劣等感や被害者意識があるからです。
しつこく潜在意識に根付いているそれを解放したい場合は、量子場調整®を受けることもお勧めします。


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