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場所と時間に捉われないワークスタイルの実践

※こちらは2015年5月26日にATARAサイトにてCEOブログに掲載されたものの転載となります。

アメリカ西海岸、オレゴン州ポートランドから、このエントリーを書いています。

5月24日に出発し、6月26日まで1ヶ月間、現地で生活します。

当時商社で鉄鋼貿易に携わっていた父の仕事の関係で、家族でオレゴンに一時的に移住したのは1977年のことでした。自分は小学生。大阪の新興住宅地で育った自分は、オレゴンの自然いっぱいの環境、西海岸の気候、人懐っこい人たち、多様な国の人たちが集まるこの国の自由さに一気に惚れてしまいました。

最近では日本でもポートランドがとても人気のようで。嬉しい限りです。数年前まではフジテレビのドラマ「オレゴンから愛」で辛うじて知っている人がチラホラいるという感じでしたので。

“米国一住みたい街”に日本人も注目する理由
http://toyokeizai.net/articles/-/70758

結果、6年の間、一度も日本に帰ることなく過ごしました。

多感な小学生・中学生の時分を過ごしたわけですから、その影響度についてはご理解いただける部分もあるかと思います。

日本に帰国し、高校、大学に進み、大学2年生の夏に帰国以来初めて戻りました。その後は社会人になって出張時に立ち寄ったり、親しい友人の結婚式に参列するなど、機会を見つけては戻っていました。

ここ数年、故郷というものについて考えるようになりました。恐らく自分の中では東日本大震災の影響もあるのかもしれません。どんなことがあっても愛する地に戻る人、戻りたくても戻れない人、いろいろな人の状況を垣間見て、「自分はどこに一番いたいのか?」を考えるようになりました。東京の生活はもう長いですし、家族・兄弟、友人や仕事仲間もいます。東京はいろいろな面で世界一魅力のある都市だと思いますしビジネスにもいい場所です。離れたくはありません。でも、生まれ故郷ではないけど、そして、ややクサい表現になりますが「心の故郷」でもあるオレゴンにも、可能な限りの時間身を置くのが自分にとって一番幸せなのだ、と気付きました。特に何がしたいというわけでもなく、そこにいるだけで幸せを感じるんです。そういう場所なのです。

そこで東京での生活を中心に、どの位のバランスでオレゴンにいれるのかを、ここ数年間実践・実験しています。
どの位長くいれるのか。
仕事は問題なくできるのか。
住まいはどうするのか。
もちろん生活費の面も。

今のところは特に大きな問題もなく実践できているかと思います。数年後の目標は年前半に1ヶ月、年後半に1ヶ月、こちらで過ごすことに決めています。

このワークスタイルはもちろん自分だけではなく、希望するアタラの社員全員に実践してほしいと思っています。以前からもそのことについては書いてきました。37シグナルスという会社の働き方に影響を受けたのが大きいですが、Googleなどでも裁量で自宅から仕事ができるWork from Home制度はあり、その効果は感じていました。場所と時間に制約されない仕事の仕方は生産性も高いし、自分の守備範囲とそれに充てる時間に対する一種の責任感も生まれます。いろいろなバランスが必要とされる現代社会において、柔軟性を発揮できる方法の一つかと思います。そういう中でアタラは売上も伸びていますし、健全な利益率でのビジネスを推進しています。社員も緩やかにビジネスの伸びに比例して増え、働いた分は個々人への報酬にも反映されていると思います

社員には入社時に、そういうワークスタイルであることは繰り返し話しています。なかなかそうは言っても実践できなかったり、気後れしたりもします。ただ、今回の自分の件は2ヶ月前ほどに伝えたのですが、「出産した妻の実家にちょっといますね」とか「一週間位実家から仕事してみようかな」という人が出てきて嬉しく思っています。

何でアタラに入ったの?
https://www.atara.co.jp/recruit/interview2

さて、とは言いつつも1ヶ月は今までの実践でも最長。始まったばかりですので、途中経過についてはまた報告しようかと思います。ではこの辺で。

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