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「不惑の四十」について

※こちらは2014年6月8日にATARAサイトにてCEOブログに掲載されたものの転載となります。

40歳になることについて書こう書こうと思ったら、糸井重里さんが書いてました。少し先を越された気分に勝手になっているわけですがw いいきっかけなので書きたかったことを書いてみます。

糸井重里 40歳の頃には「絶対に戻りたくない」理由
http://dot.asahi.com/aera/2014060400129.html

40歳については若い頃から思うところがありまして。両親だったか・・に教わった影響でしょうか。糸井さんの記事にもあります、論語の中にある孔子の有名な言葉から:
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子曰、
吾十有五而志于学、
三十而立、
四十而不惑、
五十而知天命、
六十而耳順、
七十而従心所欲、不踰矩。
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孔子が云う、
私は十五才で(学問の道に入ろうと)決めた。
三十才でなって独立した立場を持ち、
四十才でなってあれこれと迷わず、
五十才でなって天命(人間の力を超えた運命)をわきまえ、
六十でなって人の言葉がすなおに聞かれ、
七十になってからは、心のおもむくままに行動しても、道理に違うことがなくなった
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英語訳のほうが分かりやすい人がいるかもしれません。
Confucius said,
I aspired after study when I was 15.
I became independent at 30.
I threw away my hesitation at 40.
I understood my duty of life at 50.
I became able to listen to other people’s words without prejudice at 60.
I became able not to be contrary to morals even though I follow my desire, at 70.
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これを誰かに教わったのは中学生の頃だったように思います。純粋に、「そうか、40歳になると迷わなくなるんだね」とずっと思い続けてました。40歳になることをある意味楽しみにしていた面もあったかもしれません(変わった中学生ですよねw)。

で、実際に自分が40歳になったときは迷いだらけでした。理不尽なことは確かに多かったです。でも、それはgivenなものとして淡々とこなすのですが、こなせばこなすほど通用しなくなりつつある自分に気づく、といいますか。先々に対する焦りみたいなものは確実にありましたね。

で、ひょんなきっかけで起業したわけです。40歳のときに。一人で始めたわけですが、最初は実に見事な位うまくいかなかったです、色々なことが。よくあるベンチャー同様、最初の2期は赤字でした。そろそろ資金面も厳しいなと思いながら低空飛行を続けてました。考えてみれば40を過ぎても、前厄41歳/本厄42歳/後厄43歳が巡ってくるという。起業するタイミングとしては最悪だったかもしれません。

40歳になったときは昔教えてもらった「40歳=不惑」の夢は打ち砕かれたわけです。
悩みは減るどころが倍増です。会社経営でも色々あるし、家族や友人まわりだって実に様々なことが起きます。でも、41歳、42歳、43歳と歳を重ねるにつれ、何か違うと感じ始めます。不思議と20歳や30歳の頃に感じるストレスはなくなりました。その影響か、次第にいいメンバーが集まったり、すばらしいお客さまやパートナーにめぐり会えたり、経営的には黒字になったり、うまくいくようになりました。

で、あるとき、僕なりに「40歳=不惑」の意味が分かりました。というか、少なくとも自分では納得できる理由が見つかりました。

議論で紛糾すれば丸く収めることもできる。難しい判断も下すことができる、辛いことや悲しいことがあっても心を鎮めることができる。岐路に立てば向かうべき方向についての判断もできる。

40歳は色々なことに「対処」できるようになり始めるんだ、と。なるほどそういうことか、と思いました。

ただ、物事に対処できるようになるには、20代と30代の過ごし方が大事なんだとも思いました。人それぞれですが、僕もそれなりに色々なことがあった20代、30代でした。この頃から心がけていたことや気に留めていた言葉はいくつか挙げられますが:
・何事も正面から受け止めて成功も失敗も感じる
・簡単に「苦労」という言葉は使わない
・物事の本質を常に見極める
・諸行無常
・Life goes on
雑多ですが、このあたりかな、と思います。まあ、「若い時の苦労は買ってでもせよ」に考え方は一部似てるかもしれません。

2014年現在は45歳になりました。四捨五入すれば五十になります。五十のときに、「天命をわきまえ」ることができてるか、きちんと見極めてみたいと思っています。

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