見出し画像

すごい男の話①

わたしがこの世で一番すごいと思う男。それは父。
【すごい】の意味も すべてが良いものではなく
【すごいわがまま】
【すごい無鉄砲】なども含まれる。
御年90歳、先日やっと免許を自主返納した。(自主返納…というよりは 無理矢理そこに追い込んだのだけど)
何度家族で説得しても 耳を貸さなかった彼だけど、ここ最近の尋常じゃない物忘れを理由に、脳外科に連れて行ったのが 運のツキ?だった。

診断は 初期のアルツハイマー。
今のところ、生活に大きな支障はないけれど、免許だけは返納するように 医師に諭されると ついに観念したのか その足で警察署に向かい、数日後 長い長いドライバー生活に別れを告げた。

林業を営み、クレーン車に乗っていた父。60の時に 事故に合い 左足を失い 義足となった。
それでも 落ち込む暇なく 病室から手で操作出来る身障者用の車を手配し(ここ純粋にすごいところ)それから30年のカーライフを経て 今回の無念の運びとなってしまった。

脳外科で 看護師さんに
子供のように質問される父。
警察署で返納の手続き中 ゴネる父。
諦めて 返納手続きを終え
長かった運転生活を語る父。

そのたんびに 鼻の奥がツンと痛んだけど 大きな事故を起こす前で良かった、と言い聞かせた。

ポツンと一軒屋の取材が来るような田舎に住んでいるから 車は必須なんだけど、こうなるともう大人しくするしか仕方がない。

と思っていたのは周りだけ。

本人はいたって前向きで
自宅から10キロ以上離れた所で無人のコインランドリーを経営しているのだけど、そこに集金にいくために
電動セニアカーを買った。

片道2時間弱はかかるその道のり、
彼は颯爽と(ノロノロと)出発した。

そして帰り道


充電 切れる。


しかしここからがまた彼の
【すごい】の本領発揮。

続きはまた次回の投稿でお伝えします!










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?