カフェとFX

今回は2カ国でビジネスをする意外なメリットについての話。カフェとFX。一見関連のなさそうな2つのテーマも『海外で』というワードが絡めば意味を持つ。

為替変動はトヨタなどの輸出系の大企業ではなく、むしろカフェ経営のようなスモールビジネスにおいてこそ、そのメリットを享受し易い。大企業のように円安・円高に右往左往することなどもない。

実際に僕は為替で損をしたことがない。というか、仕組み上、損をしないのだ。そんな馬鹿なことあるわけないと思うだろうが、事実だ。

通常、FXそのものをビジネスにした場合、含み損が膨らむ前に損切りすることが鉄則となる。FXは昨今、短期保有が主流でマネーゲーム化している。利益が出ても出なくても、リスク回避のために損益の確定をする。為替は一方向に動く傾向があるので、損切りをしておかないと取り返しのつかないレベルまで含み損が膨らむことになるからだ。

それに対して、『海外でカフェ開業』のような実業の場合は、為替そのものでビジネスにしていないため、資金を長期保有することになる。基本的に全てが実業への投資資金になるので、そもそも損切りという概念が存在しないのだ。

大事なことは、いくらでカナダドルを調達するかの1点だけ。ポンドもユーロも直接的には関心がない。日経平均も金も原油価格も然りだ。(もちろん仕事柄、知ってはいるが)

僕はカナダでビジネスをする場合に、1ドル100円を基準に考えるようにしている。経験上、日本の金銭感覚で同等の生活とビジネスができるからだ。

つまり、カナダドルが100円以下ならば、カナダでのビジネスにおいて、為替変動による不利益を感じることはまずない。僕の場合は、ビジネスをより有利にするために、さらに厳しいマイルールを決めている。具体的には80円台からしかカナダドルを買わない。実際、僕が日本で調達したカナダドルは全て70円から85円の間で買ったものだ。

グラフはカナダドル円の月別10年チャート。

僕の場合はたまたま運良くカナダでの起業が2008年だったので70円レベルで数年先までの資金を調達しておくことができた。大部分は実際にカナダでの投資資金に使ったのだが、残りは使うことなく長期保有することになった。2015年に1ドル100円を超えたときに円転して売却益を得た。そして2016年。今年は再び円高だ。80円台前半でカナダドルを粛々と買っている。

僕のようにカナダでビジネスをしている場合、リスクヘッジのため、有利なレート時にカナダドルを調達しておく必要がある。1ドル80円台ならば、カナダで投資するにしても常にアドバンテージがあるし、保有している間に円安に振れることがあれば売却することもできる。どっちにしても勝つのだ。

もし、1ドル65円になったらどうするんだ?

この質問もカナダで実業している日本人においては意味がない。その質問自体が、FXで商売をしている人の思考なのだ。先ず、実業にはFXの損切りという概念がないのだから、初めからリスクは存在していない。

さらに、1ドル80円とか65円というのは、日本とカナダの2国間においての両替価格に過ぎない。カナダ対アメリカ、カナダ対ヨーロッパ、カナダ対アジアなど様々な経済活動があるわけで、円高時にカナダドルが全ての通貨に対して割安になっているわけではないのだ。

1ドル80円はカナダでビジネスをする上では常に有利な条件なのだ。大事なことは、◯◯円以下なら買うという基準を持つこと。カナダドルの調達が将来的に必要になるならば65円は喜んで買い増せば良いだけだ。更に優位性を持つことになるのだから。また保有している間に円安になる可能性が高く、売却益を得ることになるだろう。

それではこの先、長期間、円安が進んだらどうしたらいいのだろうか?例えば1カナダドル150円になったら。

これも問題ない。その時はビジネスの比重をカナダ国内にシフトすれば良いだけ。そして、カナダ国内のビジネスで出した利益を、円安の日本のビジネスに投資するのだ。

つまり、円高の時は日本国内のビジネスを強化して、得た利益でカナダドルを買う。円安になればカナダドルを売却するか、カナダの事業に投資する。

円安の時はカナダ国内のビジネスを強化する。得た利益で日本円を買うか、日本の事業に投資する。

これを繰り返すだけだ。

このように2つの国に会社を持つことは、ビジネスに柔軟性と持続性をもたらすのだ。

【まとめ】

海外に会社を設立するメリット。

①為替変動に左右されずにいつも有利にビジネスができる。

②FXで利益が出やすい(損はしない)

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